第13話

体術の訓練が始まってから480夜ほどたって2歳にたったある日、いつも通り教会へ向かう


「おはよう、ライアン」

「おはようルド、早速やろうか?」

「いいよ、今日こそ勝たせてもらう」

変わったこと、俺よりもライアンが早く学校に来た事


「いくぞ?スラッシュ」

「シッ」

ライアンが「剣魔法」の「スラッシュ」を発動するのに対して「情報魔法」の「予測」で軌道を読んで「格闘魔法」の「縮地」を発動させて回避する


俺はこの480夜で新しく

「情報魔法」

「予測」

持ちうる情報を利用して行動を予測する

「無魔法」

「魔法免疫」

魔法を中和して拒絶する効果を自身と周辺に発生させる

「格闘魔法」

自身の身振り手振りで自然法則を超えた現象を起こす

「スタンプパチン」

殴った相手に衝撃を加える

「スタンプキック」

蹴った相手に衝撃を加える

「縮地」

地面を蹴らずに移動する

だが成長したのは俺だけじゃなくてライアンもだ実際勝敗は24勝511敗、これでも同年代だと一番マシな戦績だ


「やるな、ルド」

「よく、言うよっ」

俺は剣を振り切ったライアンに向けて前蹴りの形で「スタンプキック」を打つ

ライアンは振り切った剣を体の前に戻して「スタンプキック」を受けるが衝撃が加わり追撃ができなくなる


ライアンは「剣聖」のおかげか「剣魔法」そして「スラッシュ」を覚えた

「スラッシュ」は斬撃を強化して斬撃範囲を拡張する

「剣聖」を持っているライアンの「スラッシュ」はまともに喰らうと吹き飛ばされることになる


「やったな、シッ」

ライアンが魔法ではない単純な身体能力で急加速、肉薄することになる

「ッ」

一発目はなんとか受け流すが続け様の二発目で吹き飛ばされる

「ったーい」

「今日も俺の勝ちだな?」

「そーだよ、バケモンめ」

倒れていたところをライアンの手を借りて起き上がる


俺たちは2歳だが身長は140cmに迫り地球でいうところの小学4年生、知能は中学生を超えて高校生に並ぶのではないだろうか?

「ライアンには敵わないよ」

「ルドは今、格闘魔法を習ってるんだろ

チャンバラだから俺が勝てたんだよ」

「そういってもな、俺もそろそろ剣魔法を習うんだから自信無くなるよ」

「www」

ライアンはイケメンで強くて良いやつだ

2歳児だけど


この世界はまだ実感できていなが魔物が攻め込み人類が滅びそうになったりと争いごとが絶えないので強さはそれだけで魅力になりうるライアンは完璧超人になりつつ...

「まぁ、俺は英雄になるんだ、誰にも負けられない」

そんなことはなく厨二病を発症していた、いや実力が伴っているから厨二病と言っていいかどうか

そんなライアンは今では俺の一番仲のいい友人、親友だ


「またやってるよ、ここって教会だけど私の家でもあるんだよ?」

エミリーが修道服に身を包み言ってくる

エミリーは杖術を学び固有魔法に目覚めたそう

そんなエミリーにライアンが

「英雄になるには日々の努力が必要なんだよ」と返す

それをなんとも言えない目で見つめ

「...まぁ、頑張って」

と返す


この世界では人間は10才までに結婚して子供を作る

長生きでて30〜40歳ほど、寿命は100歳をゆうに超えるらしいから寿命ではない

単純に魔物、魔族、悪魔教の奴らに殺されるいつもどこかで小さな村が滅び、防衛都市が陥落の憂き目にあい、逆にどこかで村ができて領土を奪還する

遥か昔、英雄が活躍し人類の生存圏を広げた末にできた四つの大国は今では一つの連合国となり人類最後の砦となった

国境の、防衛戦のすぐ外は未知であり文字通り冒険者は冒険者なのだった。

そんな世の中で冒険者になりたいというのは自殺行為に等しいし英雄なんてとんでもない

それでも未知に焦がれるバカがいてそんなバカ二人が俺とライアンだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る