第12話

次の日

いつも通り教会に行き、友人達と遊んでから

いつもより少し早く家に帰る。


「ただいま、父さんいる?」

「あぁ、ついて来い」

そう言って父さんは少しだけ開けた場所に俺を連れてくると


「よし、まずは打ち込んでこい」

「?、何言ってるの?」

「どんな武器術も体を使う事に変わらないからな、まずは体術、格闘魔法の習得が目標だ」

「それは良いけどなんでいきなり組み手なの?」

「体術をかじってない状態でやる事で才能の有無だったり、どんな戦闘スタイルが得意なのかがらざっくりとだがわかるんだよ」

「そうなんだ」


早速、なんとなくボクシングのような構えをとってワンツーを打つと見せかけて回し蹴りを打つ

もちろん当たる訳もなく避けられる。

「今度はこっちからだ」

父親が踏み込みも無しに地面を滑る様に近づいて来て正拳突きを打ってくる

反撃してきた事、今まで見たこともないような動きに驚くも

俺は「情報魔法」をフル活用して間一髪で避ける


「おー、やるな」

「なに、さっきの動き」

「格闘魔法の縮地だな、踏み込みをせずに踏み込んだ時と同じ様に動ける

それにしてもルドは目が良いな攻めよりも守り、カウンターに向いてるな」

「ふーん、あの一瞬でわかるんだ」

まぁ「情報魔法」ありますからね、後手の方が強いのはそうでしょうとも

「まぁな、かなりの場数を踏んできているからな」

「父さんは強かったの?」

「もちろん、今も強いぞ?

とりあえず方針は決まったからまずは型を覚えてもらう」

それから父さんに肘や膝も利用する蹴り、突きの型を教えてもらう

難しい動作はない上に「情報魔法」のおかげで完璧に覚える

「ルドは記憶力がいいな、今日からその型をひたすら繰り返す、それ以外は組み手をするぞ」

「そんなすぐに組み手をするの?」

「結局実戦経験が全てだからな、その中で少しずつ自分でも考えて動きを改良するんだ」

なるほど、トライアンドエラーを繰り返せと「情報魔法」があるから問題ないけど他の子もこんなふうに教わるのか?

「わかったよ、じゃあ早速っ」

と言って打ち込みにいく。


その日は一発も入れる事ができないまま

疲労と痛みで重い体を動かして夕飯を食べた後に泥の様に眠った。





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