第9話
「ルドくんはいつも一番乗りだね」
「他に行くとこないし、やる事ないですし」
「そうだね、ただ先生はまだ朝のお仕事があるからエミリーと一緒に遊んでて、それに他のみんなも早く来るでしょ?」
「そうですね、わかりました」
エミリーが俺の手を引いて
「ルド、"オセロ"やろ」
毎朝エミリーとは"オセロ"をやっている
もちろんこのオセロは地球のオセロだ
おそらく、俺以外の転生者が発案したおもちゃなのだろう
「いいよ、今日もボッコボコだよ?」
一歳児をオセロでボコる18歳
なんて事は言ってはいけない
オセロも終盤
「むぅー」
いつも通り、エミリーを全染めでボコる
「情報魔法」による記憶力と思考力の強化で経験が蓄積された俺に偶然が存在しないゲームで勝つことは難しい
「はーい、また俺の勝ちー」
「なーんでー、ずるしたでしょ?」
「どうやってするの?」
「むぅー」
いつも通りの膨れっ面、ツンツンして遊んでいると
「おいルド、チャンバラやろうぜ」
金髪碧眼のイケメン、ライアンが現れた。
ちなみに俺は紫がかった黒髪と爬虫類を思わせる目を持つ綺麗というイメージを強く思われるイケメンだ。
ライアンには負ける
「あーいいぞ、エミリーちょっと行ってくる」
「んー、トネリが来たからいいよー」
「食らえ、スラッシュ」
「あまいっ月⚪︎天衝」
「いてっ」
「よっしゃあー、っしゃあー」
「くっそ〜、これでルドの3勝7敗かこれ以上勝ちを譲るつもりはなかったのに〜」
「煽ってんじゃねー」
18歳なのに一歳児に負けた、とんでもない不名誉だがこれには理由がある
負け惜しみではない
ライアンに了承してもらって「分析」したところ「剣聖」のスキルを持っていたのだ
「剣聖」
剣術の学習能力を強化して剣の一振りを魔法と化す
とんでもスキルである、「情報魔法」で強化された学習能力と18年の積み重ねを持つ俺が負けるのだとんでもない。
ちなみにエミリー、トネリ、そしてもう二人もおそらく生まれつき強力なスキルを持っているがライアンの剣聖には及ばない
それだけライアンは才能に満ち溢れている。
朝のゴタゴタが終わって
「皆さん、おはようございまーす」
「「「「おはようございまーす」」」」
先生であるシスターの挨拶から教会での1日は始まる。
「今日は魔法の授業です
みなさん魔法の基本属性、魔法で行える二つのことは何かわかりますか?」
「はいっ」
ライアンが手を上げ
「魔法の基本属性は火、水、大地、風の四つで魔法は主に属性に関係する自然には存在しないナニカを生み出し操る攻撃魔法と周りの物体を利用したり自然界に存在する物体を生み出す生活魔法があります。」
これが一歳児、異世界恐ろしい子
「その通りです、よくできました
攻撃魔法で生まれた物は自然と消失しますが生活魔法で生まれたものは消えません」
こんな感じで一歳児しかいないクラスの授業は進んでいく。
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