第7話

異世界転生に気づいてから23夜あるいは23日

異世界転生してから43夜、43日

大きな収穫はなかったが1夜が1日であること

体感だが1日24時間で地球と変わらない事

カンガは頻繁に狩られており、両親がおかしい訳ではなかった事

そして子供の成長、特に精神的な成熟が早いこと

実際に今俺は同じ赤子10人とその保護者達と教会で絵本を読まされている


「そして夜になるとこわ〜いムヴワが...」

おそらくだが若いシスターが読み聞かせをしてくれている、みんな生後一ヶ月ほどなのに静かにそれも集中して聞いている

かくいう俺は「裏図書閲覧」であとから重要な情報を得れば良いし最悪「情報通知」があるから良いだろうと考え事をしている


この教会での読み聞かせが始まってから小出しに村の外の情報について教えられているが分かったのは尻尾や角があるのは人間として一般的で鬼人や龍人などという括りすらないということ

王族、貴族、平民と階級があること

冒険者と呼ばれる魔物の駆除を専門とした職があること

カンガは動物で魔物と呼ばれるヤバい生き物がいること

人間は成長に伴い基本属性と呼ばれる火魔法

水魔法、大地魔法、風魔法が使える様になる事

9才で洗礼の儀を受けて特殊なスキルを授けられる事

この世界の一般的な宗教は清終(せいしゅう)教と呼ばれる今は亡き神々を崇めるものでその教えは人間としての常識が教典みたいなモノであること

魔族と魔神を崇める悪魔教なるモノがあること

魔族、魔神、悪魔教はやばくて歴史上いくつかの国が滅ぼされていこと

迷宮なる自然に構築された建物があること


などなど、特に悪魔教のお話は大人の俺でもビビる様な内容でヤバかった

でもそんなことに慣れ始めた俺が一番やばいのかもしれない


そんな事を考えていたらシスターの話が終わり、お母さんにオブられて家に帰る

「おあああん」

「ふふふふふ、どうしたの〜?」

そう、俺は母親と簡単な会話ができる様になったのだ、もちろん父親とも

「おゔああえあーに」

「ムヴワは大きなお口に牙が生えてるこわ〜い魔物よ」

「あー」

「お父さんに掛かれば一刀両断だけどな」

「うおい」

そんな風に会話をしながら離乳食を食べさせてもらってる

「いういあうああおおとええう?」

「あと一周したらね」

「あうあ」

世界の暦は一年を一周

3月毎を火水岩風としてコレを一期という

一期は始め、中頃、終わりに分かれており

この三つは地球で言う一月で一属と呼ばれる

そして一属は40夜すなわち一月40日の一年480日になる

外に出られる様になるまで480夜

それまでにできうる限りの事をしてこのおどろおどろしい世界に出る備えと冒険者になる決意を固めたのだった。

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