第4話

チートだなんてそんな都合が良い事あるわけない...もぅすっごい期待しちゃってるけど

試してみないと、まずは


「感知能力強化」から...何も変わらない、少し五感が鋭敏になった気がする...

「感知能力超強化」...何も起きない

「思考速度上昇」...

「精密身体操作」こっ、これは自分の体の輪郭がなんとなくわかる...けど

「感知情報操作」視覚を途切れさせたり触覚を無くしたり、これは使える

「情報投影」共感覚に近いモノだと思ったらその通りだ、鳥が鳴いている方から赤い光がチカチカと視界に入ってくる

「分析」とりあえずベットに、何も起きない

「無魔法」体の中にいやあるというより持っているような...


なんか使える能力がないわけではないけど思ってたのと違う、クソッぬか喜びさせやがって。


そう思っていると母親が

「どうしたの〜?何か気になるモノでもありまちたか〜?」

扉を開けながら赤ちゃん言葉で語りかけてきた。

というか扉開ける前から見えてる様でしたけど...魔法とかスキルだな多分、まぁ異世界でも同じかどうかは分からないけど常識的に考えて赤子を放置しないよな

「お外が気になるの?」

お外だと?これはもしかして家から出れるのか?

「あぅあぅ」

返事?をすると

「そうね〜もう20夜立ってるものね、少しお外に出てみましょうか?」

母親がそんな事をいって着替えさせてくる。

20夜?20日ってことか、だとしたら早すぎないかハイハイはできなくとも首がすわって寝返りもできるんだぞ?いや人間と違う生き物だから成長も早いのか?そもそも暦が違うから...などと続け様に考えていると抱っこをされて外の光景を見た時今まで考えていた事が吹っ飛んだ。


父親が地球でいうところのゾウと同じくらいの大きさの鹿の様な生き物を抱えて?持ち上げているのだ?

「ん?ラン、ルドはもう外に出ても良いのか?」

外見と比べると落ち着いた、緊張を緩和する様な優しい声で問いかけた

「もう20夜経ってるから大丈夫よ、それよりも大きなカンガね、ルドの離乳食に良いかも」

「ルドの初めての離乳食になるならもっと良い獲物にすればよかった」

「そんな、気張らなくても大丈夫よ」

そうか?なら良いが、そんな事を言いながら父親が過ぎ去って行ったのだが俺の頭はパンク寸前だった


まず赤子とはいえ子供の前で血の滴っている様な動物の死骸を近づけるのか?

離乳食に肉を使うのか?

赤子の生育が早すぎないか?

あんなにデカい動物を仕留める事に驚かないのか?

初めてのお外は始まったばかりなのに地球とのギャップでお腹いっぱいになった俺は魔法やらスキルなんかより、この世界に順応しなければならないと決意を固めた。








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