第58話 リアムとリディア、行為後
◆◇◆
行為を終えた僕とリディアさんは、服を着ないまま二人で布団を被って、ベッドの上で仰向けで横になっていた。
そして、僕はついさっきまであんなことをしていたことから、少し恥ずかしかったけど、恥ずかしさ以上にリディアさんに聞かないといけないことがあるため、リディアさんの方に顔を向けてそのことを口にする。
「リディアさん」
「はい」
「その……僕、こういうことするの初めてで、知識も全然無かったので、至らないところがたくさんあったと思うんですけど、痛かったりしませんでしたか?」
僕がそう聞くと、リディアさんは小さく微笑んでから僕の方に体を向けて言った。
「痛みなどありませんでしたよ……私も、知識はある程度ありましたがこういったことを男性とするのは初めてでしたので、最初だけ少し痛みに類するものはあったかもしれませんが、リアムさんは終始とても優しくしてくださいましたので、本当に大丈夫です……いえ、むしろ────」
リディアさんは、僕の体に自らの手を添えて、頬を赤く染めると続きを言った。
「リアムさんの温かさをしっかりと感じることができ、とても幸せでしたよ」
「っ……!な、なら、良かったです!」
恥ずかしさを覚えながらも、僕は慌ててそう言った。
とにかく、リディアさんが幸せだと言ってくれるなら僕にそれ以上のことは無い。
僕がそう思っていると、次はリディアさんが、甘く優しい声色で聞いてきた。
「リアムさんは……私との行為、いかがでしたでしょうか?」
「っ……!?」
リディアさんとの行為が、どうだったか……!?
「え、えっと……どう言葉にすれば良いのかわからないんですけど、体がリディアさんと一つになったことで、心までリディアさんと一つになった感覚になって、リディアさんの気持ちが直接伝わって来て、とても嬉しかったです……」
「それは良かったです……私も、リアムさんのお優しさと温かみを、心と体の奥深くで感じることができ、とても幸せでした……」
そう言いながら、リディアさんは僕のことを抱きしめてきた。
そんなリディアさんのことを、僕もリディアさんの方を向いて抱きしめ返す。
すると、リディアさんが言った。
「リアムさん……私は、あなたを愛しています」
「っ!僕も、リディアさんのことを愛してます……!」
「これから生きていく中で、たくさんのことがあるかと思いますが────このリディア・アストリアが、リアムさんのお傍で、リアムさんのことをお支えし、リアムさんのことを愛するということだけは、未来永劫に変わることはありません……そのことを、どうかお忘れにならないでください」
「はい……リディアさん……」
「リアムさん……」
それから、僕とリディアさんは一度唇を重ねると、それから少しの間、ベッドの上で抱きしめ合い続けた。
────服を着ると、僕とリディアさんは先ほど借りた一人用の部屋を出て、その宿の前に出た。
すると、リディアさんが頬を赤く染めながら僕に手を差し出して言う。
「リアムさん……よろしければ、手を繋ぎませんか?」
「は、はい!」
さっきのことを思い出して緊張してしまいながらもそう返事をすると、僕はリディアさんに差し出された手を握って、リディアさんと手を繋ぐ。
そして、手を繋いで互いの手の温もりを感じながら歩くと、僕たちは元々泊まっていた宿に到着した。
「メリアさんや女帝さんは、もうこの宿に戻って来てるんでしょうか?」
「何も問題が無ければ、そうなっていると思われます」
「もしかしたら僕たちが居ないことで心配させてしまっているかもしれないので、すぐ部屋に戻ってひとまずメリアさんのお部屋に向かいましょう!」
「はい」
ということで、僕たちは手を繋いだまま、僕たちが元々泊まっていた部屋に入った……すると、そこには────
「へぇ〜?堂々と手繋いで帰ってくるなんて、結構大胆なんだね〜、今の今まで二人でどんなことしてたのかな?」
「そのことを事細かに、詳細に聞かせてもらおうか」
体から魔力を放ち、明らかに怒っている様子のメリアさんと女帝さんが居た。
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