第34話 リアム、三人でしたい?
ど、どうしよう……
そもそも、リディアさんもメリアさんも、僕なんかには勿体無いぐらい綺麗な人なのに、その二人のどちらかを選べなんて……
僕が一体どうすれば良いのかと困惑していると、メリアさんがその胸元を揺らしながら言った。
「もしリアムくんが私のことを選んでくれたら、私がリアムくんに気持ち良いこと……いっぱいしてあげるよ?」
「っ……!惑わされてはいけません、リアムさん!」
メリアさんの言葉を聞いたリディアさんは大きな声でそう言うと、鎧を脱いで上だけ白の下着姿になった。
「リ、リディアさん!?」
僕がその突然の行動に驚愕していると、リディアさんが言う。
「リアムさんのお相手は、我が身を持って誠心誠意承ります……ですので、あのような方の体になど惑わされてはいけません!」
「わぁ、リディアちゃん、突然下着姿になるなんて大胆だね〜!でも……人間の女の子にしては大きいと思うけど、エルフの中でも胸が大きい私と比べちゃったら、リアムくんも私の方が良いんじゃないかな?」
「ただ大きいだけのものに、一体どれほどの魅力があるというのでしょうか」
「大きいだけじゃなくてちゃんと形も整ってるから!!それに、男の子はみんな大きいのが好きなの!!そうだよね?リアムくん」
「え?えっと……」
確かにメリアさんの方が大きいのかもしれないけど────僕にとっては二人ともとても大きいから、そこで差なんて生まれないし、というか……
「あ……あの!お、お二人の胸元がこんなに近くにあると目のやり場に困るので、とりあえず一度隠してください!!」
目の前に大きな胸元が二つあるという恥ずかしさに耐えかねて、目を閉じた僕がそう大きな声を出すと、メリアさんが言った。
「隠してって言われても、私は元々この服だしね〜」
「リアムさんの仰ることだったとしても、その方が胸をリアムさんに近付けているのに、私だけ引いてしまうわけには参りません」
「ええ!?」
「だから、リアムくんは私のことを選んでくれたら良いの……それだけでこの状況は解決するし、リアムくんも気持ち良くなれるんだよ?」
「いいえ、リアムさんが私のことを選んでくだされば、この状況は解決し、リアムさんの欲求を余すことなく受け入れて見せます」
どちらかを選べなんて……そんなこと言われても────
「とても優しいお二人のどちらかだけを選ぶことなんて、僕にはできません!!」
恥ずかしさを我慢しながらも、目を開けてハッキリと伝える。
すると、二人は目を見開いた。
ここまでハッキリ伝えたら、お二人も────
「それって、三人でしたいってこと!?」
……え?
「その発想はありませんでしたが……それであれば、行為を行いながら、私の方がリアムさんのことを熟知しているということを如実に証明することができるので、本意な結果ではありませんが、リアムさんがそれをお望みなのであればそれも良いかもしれません」
「私も、今ではリディアちゃんのこと好きだし、リアムくんのことも好きだから、そんな二人となら一緒でも良いよ?それにしても、三人でなんて、二択を出された状況でリアムくんも結構攻めたこと思いつくね〜」
「ちょ、ちょっと待ってください!僕、そういうつもりで言ったんじゃ────」
「は〜い、素直じゃないお口は塞いじゃうよ〜」
そう言ってメリアさんが自らの大きな胸元を僕の口元に近づけて来たため、僕は体を転がらせてそれを回避した。
「あ!リアムくんが避けた!」
「僕!本当にそういうつもりで言ったわけじゃないんです!それに、皆さんもう疲れてると思いますし、ひとまず今日は眠りませんか?」
僕がそう言うと、リディアさんが言った。
「確かに、今日は巨大樹攻防戦にて肉体的、精神的に疲労している可能性はあるので、リアムさんの仰る通りにするのが得策かもしれません」
「え〜!でも、まぁ……そうだね、今日リアムくんは巨大樹を治してくれたんだし、それはまた今度でいっか」
また今度、というのが不穏に感じられたけど、今日のところは眠るということで意見が一致したため、僕たちはそれぞれ同じ部屋の別のベッドで眠った。
……リディアさんとメリアさんと過ごしていると、時々今みたいに困ることもあるけど────僕は、ゼインさんのパーティーに居た時と比べて、本当に……本当に、比べられないほど楽しい時間を過ごせていて、とても幸せだった。
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