第27話「グリフォンとケンカ②」

「まって、ワッシー!」


 ワッシーをいかけてきたアルブレヒトに、ワッシーはいいました。


「どうしてきたの!」


「だって、ワッシーがおこっているから」


 アルブレヒトはまわりのひとにしました。人間にんげんはいないようです。


「いつも、アルブレヒトはレンレンいってるじゃないか! ボクなんてどうでもいいんだ!」


「そんなことないよ! ほら、もどろうよ」


「いやだ! バカー!」


 ワッシーは全速力ぜんそくりょくびました。


 それでも、竜にはかないません。


「アルブレヒト、はやすぎだよ! ボクがにげげられないじゃないか」


「どうしてげるの! ボクなにかやるいことした?」


 ワッシーはまるとおおきなやますわみました。


「いつもレン、レンっていうじゃない」

「レンなんだから、レンって呼ぶよ!」


 アルブレヒトはいいました。


ちがうよ! レンのことばかりにして!」

「ワッシー?」

ほかのグリフォンとかわればよかった」


 ワッシーはかなしそうにつぶやきました。


「ぼくは」


 アルブレヒトがいいました。


おおくのグリフォンに出会であってきたけれど、ワッシーが一番いちばんきだよ」

「でも、レンのつぎだろう? 一番いちばんがいいな」


 ワッシーがいいました。すると、アルブレヒトがあたまげました。


「ごめん。友達ともだち順番じゅんばんをつけるべきじゃなかった」


 ワッシーはハッとしたように、くちをまあるくしました。 


「そうだよね。友達ともだちなのに。レンがきらいなわけじゃないんだ。ごめんね、アルブレヒト」


地球ちきゅう仲良なかよくなったから、ワッシーがボクのことを名前なまえんでくれて、すごくうれしかったんだ。みんな、りゅうさんだもの」

「そうだね。みんな、りゅうさんってんでるね」

「ぼく、グリフォンはみんなきだよ」


 ワッシーはわらいました。アルブレヒトもわらいました。


もどろうよ、レンが心配しんぱいしているよ」

「うん」


 二人ふたりうなずきあいました。


====



 なかなおり できたね!


 レンは おこっているかな?


 つづきはまた こんどだよ!

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