第26話「グリフォンとケンカ①」

 一人ひとりはとおいとおい世界せかいからやってきたりゅうというものかげが、ひとけた青年せいねん、アルブレヒト。


 もう一人ひとりは、地球ちきゅうまれた十字架じゅうじか背負せおったきつねが、ひとけた白銀はくぎんのレン。


 そして、一人ひとりはとおいとおい世界せかいからやってきたグリフォンというものかげわしのようなあたまち、おおきなおおきなつばさをもった獅子しし(ライオン)の胴体どうたいっている。


 グリフォンはわしというおおきなおおきなとりに化けることができる、そのときはワッシー。


 3にんきた目指めざして冒険中ぼうけんちゅう


 つぎはどこにくのかな?


 ◇◇◇



「レン、もしかして」


 どものりゅう姿すがたもどっていたアルブレヒトは、レンにききました。



「なあに?」


 レンは尻尾しっぽをフリフリしながらこたえました。


「キミ、本当ほんとう方向ほうこうがわからないんじゃない?」


「なぬ!?」


 レンはほっぺをふくらませると、おこりだした。


「なんでそうなるの!?」

「だってキミ、きたくっていったじゃないか」


「うぐっ……」


 すると、グリフォンのワッシーがいいました。


「ぼく、おそらんですごくつかれたのに、ひどいよ。レン!」

「うぐ……。ごめんなさい。みんな冒険ぼうけんがしたかったんだ」


 レンはいいました。


「それならそうと、いってくれたらかったのに!」


 ワッシーはいいました。


「とってもたのしかった!」

「ワッシー! ありがとう!」


「ボクもたのしかったよ!」

「ありがとう、アルブレヒト!」


 レンはうれしそうにリングのペンダントをらしました。

 それをて、アルブレヒトも同じようにペンダントをらしました。


「えへへ、おそろいだね!」

「そうだね」

「いいなあー! ボクも、おそろいしい!」


 ワッシーは逆立さかだびをはじめました。


「また冒険ぼうけんしておおたからさがそうよ!」


 すると、レンがくびよこりました。


「もうあそばない。真面目まじめきたくよ」


「そうだね。レンが討伐とうばつされたら、ボクはかなしいもの」


「い・や・だ!」


 ワッシーは駄々だだをこねました。


 逆立さかだちしたまま、あしをバタバタさせています。


 するとレンがいいました。


「じゃあ、あのやまのぼろう。冒険ぼうけんだよ!」

「やだー! おーそーろーい!」


 ワッシーはバタバタしています。


「ワッシー! やまにおそろいのものがあるかもしれないよ!」


 アルブレヒトがいいました。しかし、ワッシーは尚もバタバタします。そうこうしていると、羽根はねがレンのあたまたりました。


「いたい!」

「レン、大丈夫だいじょうぶ?」

「レンがわるいんだ! ボクはあやまらないぞ!」


 レンはあたまでおさえています。


「おそろいのものしいんだい! アルブレヒトとレンのバカー!」


 ワッシーはそらんでいってしまいました。


「まってよ、ワッシー!」


 アルブレヒトはレンをいてそらんでいってしまいました。


====



あらら、けんか しちゃった!


なかなおり できるかな?





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