第25話「グリフォンとたからのちず③」

「わあ、はなでいっぱいだ!」


 レンは、はしゃぎました。


「レンははなきなんだね」


 アルブレヒトがいいました。


「うん! 遺跡いせきちかいね!」


 レンはごきげんでした。


「あいた!」


 アルブレヒトがころびました。


大丈夫だいじょうぶ?」


「ケガはないかい」



 ワッシーとレンは心配しんぱいしました。


「だいじょうぶ。」


 アルブレヒトはわらってごまかしました。本当ほんとうは、ちょっとあしいたかったのです。


「みてこれ! なにかあるよ」


 ワッシーがいいました。



 花畑はなばたけに、ちいさな木箱きばこがおいてあります。


「なんだろう。けてもいいかな」



 アルブレヒトがいいました。


「あけちゃおう!」


 ワッシーはワクワクしすぎて、逆立さかだちしながらびあがりました。


「あけるよ」


 アルブレヒトは木箱きばこをあけました。



「なんだろうこれ。リング?」


 木箱きばこには、ちいさなリングがふたつはいっていました。


「これ、宝石ほうせきがついているね」


 レンがゆびさしました。リングには、緑色みどりいろ宝石ほうせきがついています。


 すると、こえがしました。


『その宝石ほうせきは、いのち結晶けっしょうなのです。どうか、そのリングをもらってください』


「だ、だれ!」


 みんなしましたが、だれもいません。


「ミスラしん?」


 レンがいいました。


「ミスラしんなんですか?」


 アルブレヒトがききました。


『そのリングは、約束やくそくのあかしです。アルブレヒトとレンで、ひとつずつっていなさい。きっと、二人ふたりむすんでくれます』


「どういうこと?」


 ワッシーがききましたが、こえはもうこえませんでした。


「ああああ」


 レンがおおきなこえをあげました。


「どうしたの、レン!」


地図ちずがない!」


「あれ、地図ちずがない! ほんとうだ!」


 アルブレヒトもおどろきました。


「どういうことだろう。これを、ミスラしんはこれをわたしたかったのかな」



「もらっていこう」



 レンがいいました。


「いいの?」


「たぶん、むかしのおれいだよ」


 レンはなつかしそうに、わらいました。


「むかしの、おれい?」


 グリフォンがきましたが、レンはもうスーサのまちにゆっくりとかえろうとしています。


かえろう、ワッシー」


 アルブレヒトはリングをると、ワッシーをびました。



「レン、まって」


「なあに? アルブレヒト」


「はい、これ」


 アルブレヒトはリングをひとつ、レンにわたしました。


ぼくはリングなんてしないよ」


「うーん、じゃあペンダントにしてあげる」


 アルブレヒトはひもでリングをとおすと、レンのくびにかけてあげました。



「レン、かわいい!」


 ワッシーはいいました。


可愛かわいくないよ」


 レンはてれれながらいいました。



「ありがとう、さようなら」


 レンはえないミスラしんに、尻尾しっぽをフリフリしました。


=====



 おたからは、リングだった!


 つぎは、どこへいくのかな?



 つづきは、また こんどだよ




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