第18話「グリフォンとはじめてのキャンプ①」

 くたくたのグリフォンは、ワシからグリフォンにもどると、羽根はねをバッサバサして駄々だだをこねてしまった。


「ぼく、もうとべなーい! あるけなーい! おなかすいたー!」


「しょうがないなぁ」


 きつねのレンはそういうと、みずうみまでもどってしまった。



「レン、おこっちゃったかな」


 心配しんぱいそうにグリフォンがつぶやいた。


「でも、もうおなかがすいて、とべないよ」


 すると、りゅうひとけているアルブレヒトは、くびよこにふった。


「そんなことはないよ。 レンはおこっていないよ」



 アルブレヒトはグリフォンをやさしくでると、人気ひとけのないくさしげ場所ばしょへグリフォンと移動いどうした。



「レンをまとう」


「うん。きっとカエってきてくれるよね」


かえってきてくれるよ。きっとうそをついて、きみばせたことを、わるいとおもっているんだ」



 そうして二人ふたりっていると、グリフォンはひと気配けはいかんじました。



「ヒトだ!」


 グリフォンはました。


「どうしよう、こっちへくるよ」


 グリフォンはおびえました。

 

 こわくて逆立さかだちしようとしています。



ちがう」



 アルブレヒトはそういうと、くさしげみから出ていってしまいました。


「りゅうさん! あぶない!」





「おおい、ぼくだよ」


 レンの声です。グリフォンはうれしくなって、くさしげみから出ました。



 なんと、人間にんげんだとおもったひとはレンでした。


 レンはおおきなカゴを背負せおっています。



ものもらってきたよ」


ってきたんじゃないよね」



 アルブレヒトはいいましたが、レンはくびよこにふりました。


 人間にんげんのレンは、しろくてながかみをしています。


 うしろでわれたかみが、みぎひだりれました。



「さっきの兄弟きょうだいったんだ。 そしたら、みずうみのおれいにって、ものをくれたんだ」


「たべものだって!」



 グリフォンはよろこんでおどしました。


「グリフォンさん、動けるならここは人気があるから、向こうまで行って、キャンプしようよ」



「キャンプ! ボク、はじめて! あっちにいこう!」


「歩くのが早いよ、グリフォン!」



 アルブレヒトとレンはあわててグリフォンをいかけました。



=====



 キャンプだって! みんなはしたこと、ある?


 どんなことをするのかな?

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