第14話「グリフォンとおおきなカゾク①」

 レンはちいさなからだをおおきくせようと、尻尾しっぽをおおきくフリフリした。



「このくにはあたらしいくにだよね」


「そうでしょうか」



 ちいさなレンと目線めせんおなたかさにするように、少年しょうねんネスは地面じめんすわってくれた。



「このあたりも、いまもむかしも、ずっと戦争せんそうばかりしていた。いまもそうだけど」


「せ、戦争せんそうだって!? ぼく、戦争せんそうきらいだよ」


 異世界いせかいからきたりゅうかげ青年せいねんのアルブレヒトはおどろいてこえをあげた。




 おなじく異世界いせかいからたワシに姿すがたえたグリフォンも、するように、からだをブルブルふるわせた。


 名前なまえはワッシーだが、ワシにえるようなふるえかたではなかった。


 まるで、ねこのようなだ。



「そう。戦争せんそうはとてもおそろしい。みんなと、はなればなれだ」



 レンはいった。



「みんなのきなものをみとめてくれない。否定ひていばかりしてしまうんだ」



 少年しょうねんネスはおとうとのロスのをにぎった。ロスはよくわからないかおをしている。



「でも」



 レンはいった。



「このくにはすごいよね」


「えっ」


 ネスはおどろいてレンをみつめた。


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