第12話「グリフォンとフタリのこどもたち①」

 よるあいだ空中くうちゅうからりたった三人さんにんは、もり姿すがたかくしました。


「グリフォンさんはとりけられるかい」


 きつねのレンがききました。


「わしはワシになろう!」


 グリフォンはエッヘンすると、すぐにワシというとりへ姿を変えました。


「どうだい、ワシにみえるかい」


「うん、バッチリだ!」



 すると、心配しんぱいそうにアルブレヒトがたずねました。



「あったかいくにだね。レンはどうするんだい、きつねのままじゃないか」



「うまれたばかりのくにだね。ペルシア王国おうこくだったかな。そうか、きつねじゃあだめか。うーん」


 きつねのレンは悩みながら、地面じめんてました。



「おみずよ、おみず。かぜのつかいの、まごころに、わきだせ! おみずよ、おみず」



 すると、地面じめんからみずてきて、おおきなみずうみ出来できました。



「すごい! 湖鏡みずうみかがみみたいだ!」



 アルブレヒトはおどろきました。


「うーんそしたら、ボクも人間にんげんかせてもらおうかな」



 そんなときでした。



 まっくらで、だれ気付きづいていなかったのです。



「しろいしろい、おおかみさんが、みずをわきだたせた!」


 子供こどもこえです。


背中せなかになにかを背負せおってる、不思議ふしぎおおかみさんですね」


 すると、アルブレヒトがおこっていいました。


「ちがうよ、このきつねだよ」


「そんなしろきつね、いるわけがない!」


「そうだ! そんなしろいきつね、みたことない!」



 子供こどもたちはおおきなこえをあげました。あわててレンがいいました。



「ボクは、神様かみさま弟子でしなんだ。あんまりさわぐとおこっちゃうぞ」



「すごい! しゃべった!」


「しまった!」



=====


 あらら、しゃべれることが、ばれちゃったよ。



 どうするのかな?



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