第10話「グリフォンとずるがしこいキツネさん」

「ねえ、どうしてはたけらしていたの?」


 アルブレヒトはいいました。


「ちがうよ。ぼくはそんなことはしてないよ」


 レンはそういうと、プイッとそっぽをいてしまいました。



はたけらしていたのは、イタチだよ。


 神様かみさまと、うなづきました。


「ぼくは、イタチをはらったあとに、もう人間にんげんべないお野菜やさいをもらってきただけさ」



「それはだめだよ。どろぼうじゃないか」


 グリフォンはいいました。


「でも、人間にんげんはもうべたりしない。すぐにすててしまうよ」


「うーん。もったいないけれど、レン、あぶないからもうやめて」



 アルブレヒトはしょんぼりしながら、レンにいいました。


「レンになにかあったら、ぼくはないてしまう。それに、こわいんだ」


「うーん、わかった。やめるよ」






「それより、討伐令とうばつれいはでているんだ。レンはここにんでいたら、あぶないよ」


「そうだね。アルブレヒトもグリフォンも、もとの姿すがたでいるのはあぶないよ。グリフォンは、とりの、ワシの姿すがたにもどるといい」


 グリフォンはすぐにワシの姿すがたにもどりました。


 すると、神様かみさまはいいました。



三人さんにんで、きたほうへいったらどうだい」


きた?」

「きた?」

「きたー!」



「ここよりずっとさむいけれど、やまがおおきいから、人里ひとざとにおりなければきにごせるだろう」


「そうだね。ここにいると、王様おうさまがすぐにキミたちに討伐令とうばつれいをだすかもしれない。ができないね」


 レンはつまらなそうにいいました。


「どうやってきたへいくの」


「とんでいこう!」


 アルブレヒトはいいました。しました。


「でも、きつねのボクはべないよ」


 レンはいいました。すると、アルブレヒトはいいました。



「ぼくのにおのり」


「だめだよ」


 レンはいいました。


「キミ、ドラゴンだろう。姿すがたをひとにみせちゃだめだよ。キミにだって、討伐令とうばつれいがでてしまうよ。人間にんげんは、おそろしいんだ」


「キミ、しってたの? ぼくがドラゴンだって」


「とうぜんさ。キミはひと姿すがた人里ひとざとへいった。とてもあたまかった」


「グリフォンもとり姿すがたえていた」


 すると、グリフォンはびっくりしていいました。


「でも、人間にんげんのまえでグリフォンになってしまった! どうしよう!」


「やっぱり、あるいていこう。三人さんにんでいけば、きっとたのしいよ」


「そうだね。トモダチだもんね」


 アルブレヒトはうれしそうにいいました。



=====


きた は、どんなところかな?


たのしみだね!!


どんなところか、かんがえながら つぎにいってね!

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