第4話 月の無い夜
時間屋は閉店している。誰もいなくてとても静かだ。
ん?誰か来るな。足音がばたどたしている。
「ここが噂の時間屋かい?」
「「うづっきーか。久しぶりね」
よく月明かりの無い夜にこの店に来れたなあ。
「ネットで割と騒がれてるそうじゃないか」
「どんなに騒がれたってこの店には行けないけど」
神出鬼没だから。今までここに2回来た事がある客はいない。人間じゃなければいる。
「いつも一人でいるの?」
「そうよ。あんただっていつも一人でしょ」
「うん」
彼はいつも一人でいる。うづっきーはほほえんだ。
「じゃあ僕は帰るね。さようなら」
「随分と早いのね。仕事あり?」
「ありでーす」
そう言い残すと月明かりの無い夜へと去った。
彼の左耳のイヤーカフち、右耳の大きくて豪華なイヤリングがかすかに光を帯びて輝いていた。
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