第17話 夕食前に問題解決の予感が生まれる
私はキスをしながら彼の服の裾に手を入れた。素肌の感触を確かめる。彼の股間が固くなったのを感じた。
私は背中に手を回した。夕食やおしゃべりの前に一度寝室に行こうという意図だった。彼にはちゃんと伝わった。
彼は一旦、私から離れ、すぐそばで上着を脱いだ。脱いだ上着をメイドに手渡す。裸の上半身を私に見せて、目を合わせると、寝室のドアを開けて中に先に入った。
私は両手を広げた。メイドたちが私に集まり、装飾を外すのと服を脱がすのを同時に行った。ものの数秒で全裸になると私も寝室に入った。
彼はまだ足首のズボンを外すところだった。メイド3人がかりの私の方が早い。
私はニヤリとして、脱衣の最終作業をしている彼の背中を見下ろした。私の方が早くて焦っていた。男の子らしく筋肉のついた背中が緊張していた。
数秒の期待の高まる間があった。そして全裸になると、顔を上げ、私とほぼ同じ高さになって向きあった。お互いに手を広げて抱き合った。そしてそのままベッドに倒れ込んだ。
前にも話したが、2人目の出産のあとは自分の感度が振り切れてしまっていて、最中はあまりものを考えることができない。何を言ったかも覚えていない。喉の奥に何か叫んだような感覚が残るだけだ。
達したあとでお互いに冷静になり、やっとまともに会話ができる。
汗だくで荒い息をしながら2人でクールダウンした。
「あー、最高だった」私は言った。
「僕も」
私は余韻で彼の体を撫でながら、「魔法の研究だけど、実験も含めて
彼も私の腰やおっぱいをさわさわと撫でる。「それはよかった」
「3人目には間に合うと思う。そうしたら妊娠中でもいくらでもできるね」
「うん」声に喜びがなかった。
以前からそうだったけど、彼はそこにはあまり興味ないようだ。私はできない期間があると不満なのに。
「それと、たぶんだけど、『遠隔子宮』を使えば
彼は私を愛撫する手は止めなかった。「その話は初めて聞いたな……」
「ついでに思い付いただけだもん。受精卵を分割する技術はまだ作ってないしね」
彼が口にしたのはあまり理解してないような適当な相槌だった。「そうか……」
私は彼の顔に手を置いた。「本家にいる2人の子供だって、成人式では会えるわよ。それまでの間にもちょっと見るくらいなら禁止してきたりはしないはずだわ」
この数ヶ月の似たようなやりとりの中で、このとき、初めて彼の中に妥協というか納得の小さな芽が出てきたのを感じた。事実を受け入れ始めていた。彼の表情に
「すぐに会うのが無理でも、楽しみにしておくよ」彼は言った。本心がちゃんと含まれていた。
私はベッドから下りた。彼の汗だくの胸に触れる。「汗を流しましょう」
「分かった」
彼もベッドから下りた。2人で浴室に入った。彼は丁寧に私の体を磨いた。ただ、体を拭くのは時間がかかるのでメイドにしてもらった。
メイドに部屋着を着せられて、私と彼はダイニングへと移動した。
食事前に一度、水を浴びるのもさっぱりしていい。
この日のメインはニシンの塩焼きと牛の角煮だった。
私は両手を叩き、「いいね。おいしそう!」と言った。
メイドは軽く頭を下げた。
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