セックスなんて愛がなくてもできるもの。

猫野 尻尾

第1話:倦怠期。

お試し投稿です。

自分でイマイチって思ったら、すぐ終了します〜。♪(´ε` )



吉山 武彦よしやま たけひこ 36歳・吉山 圭子よしやま けいこ 30歳、結婚して10年目。


武彦は主夫・・・職業はwebデザイナーをしている。

圭子はIT企業に勤めるOL。

ふたりの間には「杏奈」と言う保育園に通う娘が一人いる。


杏奈の送り迎えは武彦の役目。

料理も武彦が担当している、独身生活が長かった武彦のほうが圭子より料理が

上手いからだ。


ふたりは親の反対を押し切って結婚した。

一緒に毎日過ごしていられる幸せを存分に味わっていたのは新婚時代。


結婚当初はラブラブな毎日を送っていた夫婦でもやがて倦怠期と呼ばれる

時期を迎えることも多い。

平凡な日常が繰り返されていくうちに、ふたりで過ごす時間のすべてが

ワクワクの連続だった時期がうそのように一転つまらなくなってしまう。


武彦も圭子もそうだった。

だからふたりの間にはほぼセックスはなかった。

お互い仕事に追われ忙しくしていたため少しづつ夫婦関係はなくなっていた。

たまの記念日くらいしかセックスはしてなかったしそれも愛撫もなく甘い

囁きもなく汗もかかないままただ入れて圭子が快感を得るまでに武彦は果てた。


圭子はもっと震えるような刺激的なセックスがしたかった。

付き合ってた時はあんなに激しかったのに・・・。


だけどセックスがなくても夫婦生活は続けていけるもの。

考え方を変えれば、これから長く続く平凡な日常に甘んじてさえいればそれで

いい。

夫婦間での揉め事もなく可愛い子供にも恵まれてる・・・。


でも、平凡すぎるとなにかが足りないって思うようになるもの。

それは、トキメキだったり刺激だったり。

同じ時期にふたりは同じことを考えていた・・・今の生活以外に刺激が欲しい。


今更、倦怠感を乗り越える努力しようって意識はふたりにはなかった。

だけど離婚したいと言う気持ちもなかった。

ただ刺激のある「非日常」があってもいいと思った。


そんな訳で必然のように武彦には不倫相手を作り圭子も不倫相手を作った。


不倫と言っても愛のある関係じゃない・・・いわゆるセフレと言う関係。

セックスなんて愛がなくてもできるもの。

まあ、相手のことが好きなら嫌いじゃないかぎりセックスはできる。


武彦は料理の食材を買いにスーパーに通ってるうちに野菜売り場の「三上 愛里紗みかみ ありさ」と言う、歳は30歳の独身女性と親しくなった。

愛里紗も生活に刺激を求めていたから、ふたりは意気投合した。


お互いの気持ちの赴くままにホテルへ行って最初のセックスに燃えた。

武彦と愛里紗はそれだけの関係。


武彦はたしかに圭子に対して後ろめたさはあったが妻とは違う女性を抱く

自分の思うままにできる、その背徳心と隠微さに心が震えた。


それは圭子もまったく同じ、似た者夫婦。

相手は会社の後輩の「前橋 弘人まえばし ひろと」23歳。


弘人が圭子の企画部署に新人で配属されてきて、圭子が弘人の面倒を

見てるうちに、弘人から求められた。

最初のうちは圭子にそんな気持ちはなかった・・・でも圭子も刺激に

飢えていた。


それじゃ〜一度だけって条件で弘人とホテルに行った。

圭子と弘人もそれからの、そしてそれだけの関係。


武彦は圭子が昼間会社に言ってる間に愛里紗を家に連れ込んで、ただ

欲望を満たしていた。


圭子は昼休みと言い仕事が終わってからも弘人との逢瀬に身を投じていた。


夫は妻に、妻は夫にそれぞれ罪悪感を持ちながらこの非現実的生活に

生きがいを感じていたのだ。


(圭子・・・不倫なんかしてごめんな・・・だけど気持ち止められない)


(武彦さん・・・ごめんなさい・・・今の私は他に安らげる時間が欲しいの)


お互い同じ夜空を見ながら、同じように思っていた。

不倫してるとは言え、やっぱり武彦と圭子はどこかで繋がっているのだ。

一応は大恋愛で結ばれたふたりだから・・・。


男と女もセックスも複雑で理屈では計れない。








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