第2話
そして冒頭に戻る。
僕はホワイトナイトにさせられた。
だが、これはチャンスだ。
僕は自らの力を全て使って金を手に入れる。
この力も利用するだけ。
「いくら出すんだ?」
僕の言葉に美人ちゃんは信じられないという顔をした。
「いくらって?
お金の話?」
「そうだ。
それ以外に何があるんだ?」
「今それどころでないのは見たら分かるでしょ?」
美人ちゃんは両手がハンマーの未確認生命体と戦っている奴らの方を指差した。
「あれがどうした?」
「今、平和が脅かされようとしているのよ。
その平和を守れるのはあなたしかいないのよ」
「知らないな。
人を勝手にヒーローとか言って来たのはそっちだ。
僕には関係無い」
「そんな無責任な」
「無責任?
それはお前だろ?
人に命懸けで戦えって言っておいて金を出さない方がよっぽど無責任だ」
「……まるで金の亡者ね」
美人ちゃんは悔しそうに下唇を噛みながら小声で言った。
「金の亡者で結構だ。
世の中金だ。
僕から言わせたら一銭の金にもならないのに戦うあいつらの方が異常だ」
「……いくらなら戦ってくれるわけ?」
「100万」
「月100万円!?
そんな大金――」
「待て。
誰が月収だと言った?
一回戦闘事に100万円だ」
「ふざけないで!
そんなバカな話――」
「出さないならそれでもいい。
僕は帰るだけだ」
「そんな……」
そうこう言っている内にナイトセイバーのピンチは加速している。
全員が倒れている。
ピンクナイトが何度も踏まれて剣を手放して変身が解除された。
その女の子目掛けて未確認生命体がハンマーを振り上げた。
それが振り下ろさせれる前にマグナムで撃ち抜いて数歩下がらせた。
それから美人ちゃんを見て言う。
「これもビジネスだ。
今回はデモンストレーションって事で無料で戦ってやる。
僕の価値を見せてやるよ」
再び未確認生命体の方を見てマグナムを連射する。
怯んだ所に飛び蹴りを入れて吹っ飛ばしてから倒れているナイトセイバーとの間に降り立つ。
未確認生命体が立ち上がる前にマグナムに素早く弾を充填する。
「貴様は何者だ!」
「そんなの僕も知らないね。
ただお前に送る言葉は一つ」
僕は未確認生命体に銃口を向ける。
「僕の人生の肥やしになりな」
◇
未確認生命体の右のハンマーを左腕で受け止める。
反対のハンマーも右腕で受け止める。
そしてガラ空きになったボディに蹴りを入れて後ろに下がった所にマグナムを全弾撃ち込む。
弾が当たった所から火花が上がる。
かなりダメージが入っているにもかかわらず、果敢に攻めて来る未確認生命体のハンマーを潜り抜け、弾を補充しながら後ろに回り込んで五発お見舞いした。
振り向き様に振られたハンマーも下に躱して、下顎に銃弾を一発。
左の拳も腹にめり込ます。
「潰す!」
怒りに任せて未確認生命体が両手を振り下ろす。
が僕が後ろに跳んだ事によって空振りしたハンマーが地面を砕く。
僕は一発だけ充填して銃口を向ける。
マグナムにエネルギーがチャージされる。
「喜べ。
お前の死は100万円の価値がある」
マグナムから放たれた強力な一撃が未確認生命体に着弾する。
そのまま後ろ向きに倒れて爆発した。
デモンストレーションの相手には丁度良かったな。
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