第4章 サポートとして 上
レンの裏技は、裏技と言うにはあまりにも力技で。
力技と言うにはあまりにも、繊細だった。
〜◯◎◉◎◯〜
「れ、レン?それは?」
目の前の光景があまりのも現実離れしすぎていてわからない。
レンの掌から出てくるそれは、魔力を強く帯びていて、まるで魔力そのものみたいな……。
「魔力の固形化です」
「わぁ」
魔力の固形化。一体全体どういうこと?
普通魔力っていうのは、身体中を巡る血液みたいなものなのに、レンの場合、それを体外に出して更に固形化して触れることができるようにしている。
「ど、どうやって……」
「長く辛い修行の産物です」
「長く……辛い、修行……」
「です……ライラさんと一緒に戦いたかったから」
「え?」
「なんでもないです!」
兎に角、レンは魔力の固形化を利用して創造魔法をコスパ良く操っているそうだ。
原理としては、体外に出ているとはいえ、不純物の無い純度100%の魔力は魔力の回転効率が凄まじいらしく、一度の使用で何度でも形を変え、更に使い終わった固形魔力も、純度が高ければ体内に戻せるというのだ。なんて便利。
「つまり固形化した魔力でモンスターを切ったりしてるんだ」
「そうですね。核を中心に魔力をくっつけてるって認識で大丈夫です」
「凄いねぇ」
「!」
凄いねぇってお婆ちゃんか私は。
まぁ言われた本人は喜んでいるようだしいっか。
そんなこんなで早くも九階層。一から九階層までは普通の洞窟のような地形が広がっているが、十階層からは変わってくる。
そこんとこを気をつけ、迷宮を進んでいく。
「にしても、
「そんなことありません!俺からしたらいてくれるだけでとんでもないサポートです!」
「そう?でももっと……うーん」
モヤモヤする。
戦闘はレンに頼り切りだし、もっと実感できるようなサポートをしたい。
「そうだなぁ……」
やっぱり戦闘面では今の私はてんで役に立てないから、なにかするなら休憩の時だよね。
うーん……そうだ!
「ね、そろそろ休憩しない?」
「ん、そうですね。そろそろ――」
計画実行!
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