第2話 閑話

LIMEを交換した二人の話。


*

 


 お風呂ご飯を済ませた私は、アイスクリームを片手に自室に戻っていた。


「いや〜ほんと今日は災難だった。帰り道まで着いてくるからストーカーかよって思っちゃった。自転車通学は楽そうでいいな〜」


 結局、先生から頼まれた仕事は殆ど白瀬がやっていた。私何もしてないぞ。


「ん、なんか白瀬から連絡きてる。なになに?」



《友香ちゃん、今日はありがとう!

 高校生活大変だろうけど、一緒に頑張ろうね!》(十分前)



「マメなんだなあ、よし」



〈こちらこそありがとう。仕事全部やってくれてありがとね。これからもクラスを二人でまとめるの頑張ろう!〉



「は、既読はや。開きっぱかよ」



《うん。一緒に頑張ろうね 頑張ろう(猫のスタンプ)

そういえば、優香ちゃんは好きな食べ物とかあるの?》



「これ、会話続くやつだ。適当に既読外して寝よ」



〈アップルパイとか好きだよ〉


《アップルパイ! 美味しいよね。私はラーメンが好きかな》


〈意外とガッツリしたもの食べるんだね😳

 じゃあそろそろ寝ようかな〉


《あ、あと嫌いな食べ物は?》


〈特にないかな。ゴーヤとか?

 じゃあそろそろ眠いから〉


《ゴーヤね! 他にはないの?》


〈ないよ。じゃあおやすみ〉


《待って待って! 私は脂っこいものが嫌かなあ。運動とかは得意?》



「寝させる気無いな! まあ邪険に扱うのも良くないか……」



〈運動は少し……。勉強もあんまり得意じゃないから〉


《私運動も勉強もできるよ😎》

 


「こいつ何ができないんだ。恋愛か。」



《私の代表挨拶聞いた? 首席だったんだけど》


〈え、首席なの? その頭で?〉


《優香ちゃん? それどういう意味?》


〈ごめん、間違えた。他の人に送る予定だったんだけど〉


《まあまあ、言われたし流石に私も一回考え直すよ。やっぱりロマンチックなのは好き?》



「考え直してるかこれ? 何を考え直したんだ。何の話だ?」



〈何の話?〉


《いや、もし告白されるなら》


〈恋愛の話?〉


《友達が困ってるから聞きたいの》



「友達の話って大体自分でしょ」



〈雑よりかは手は込んでる方が嬉しいけど〉


《だよね〜。そう思った!》



「そう思ったって、ちょっと失礼じゃない!?」



〈でも、目立ったりすると嫌がるんじゃない?〉


《目立たなければいいのか》


〈友達の話はもう終わり?〉


《ごめんごめん、ありがとう。それで、優香ちゃんはどうしてこの高校に?》


〈そろそろ寝ていいかな、眠たくて〉


《ええと、うん、いいよ、おやすみ》



「寝させてくれた……ふぁ……ねむい。明日も朝早いのによく起きてるなあ……」


 そうして、私は電気を消して、ベッドに入った。アイスクリームを食べたけど歯磨きしてないのは許してほしい。



《え、嫌ったわけじゃないよね?》

《既読取れた》

《本当に寝た? それで寝てないことあるでしょ? 私よくやるんだけど》

《寝たのかな、》

《優香ちゃ〜ん》

《ねえ、本当に寝た?》

《朝これ見て嫌な顔するのかな、それはそれで嫌だからやめたい》

《優香ちゃん、私はちゃんと友達としてから始めようとしてるよ》

《優香ちゃん、だからこのLIMEはちがくてね──》

《─────》

《────》

《───》

《────………



〜次の日〜



「なんだこの通知の量、気持ち悪! 全部白瀬から!? 通知オフにしとこ……」


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