第26話 俺の催眠魔法が負けた…… 勇者ヴァイス視点
【勇者ヴァイス視点】
「クソ……っ! どうしてだ……?」
俺はルーナ孤児院から逃げていた。
盗賊の黒狼団を脅してブライラントを襲わせたはずが……
「どうしてこんなことに……っ!」
完全におかしい。
俺はこの世界の神だぞ……
すべてを思い通りにできるはずなのに!
「……俺の催眠魔法が、負けるはずないのに」
俺はガイウスに催眠魔法をかけて、ヤツの身体能力を強化した。
ヤツは俺の催眠魔法でかなり強くなったはず……
しかし――それをワンパンで倒しただと?
「あり得ない……っ!」
この世界は俺が作った。
俺の意思が世界を動かす。
俺の作ったシナリオは、この世界の真理だ。
なのに、ブライラントは……
「絶対に殺さないといけない……」
必死に走って、学園の寮まで逃げてきた。
ガンっ!!
俺は学園の壁を殴る。
ブライラントさえいなければ、俺は主人公になれたなのに……
「それだけじゃない。ブライラントは……」
ヒロインたちを俺から奪った。
俺の創ったヒロイン。
巨乳好きな俺が創ったおっぱいたち……
ファルネーゼとエステルとのハーレムは、俺のものだった。
「俺の一番好きなキャラ、エステルをブライラントが……」
エステルは俺の創った最高のキャラだ。
「氷の姫騎士」の二つ名を持つ、クールなドSキャラ。
……のように見えるが、実はドMだ。
主人公のヴァイスに、支配されてたがっているヒロイン。
自分より強い男に蹂躙されて、「くっころ」されたい願望を持っている。
うん。やっぱりどう考えても傑作、世界最高のヒロインだ。
「そんな俺の好きなヒロインを……ブライラントが奪った」
俺は絶対に許さない……
俺の一番大切なものを、ヤツは俺から奪ったのだ。
「絶対に殺してやるぜ、ブライラント……」
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