第25話 「くっころ」願望 エステル視点
【エステル視点】
「わたしはオウガさんの奴隷になりたい……」
ルーナ孤児院から帰った後、わたしは自分の部屋でオウガさんを想っている。
今日の盗賊退治……オウガさんはとっても強くてカッコ良かった。
「いや、もう『オウガさん』じゃない『オウガ様』だ」
わたしは、自分より強い存在を求めていた。
強い存在と出会うために、わたしは努力してきた。
「氷の姫騎士」と呼ばれるまで強くなって、いつか自分を凌駕する存在と出会う……
それがわたしの目標であり、夢だった。
「オウガ様のおかげで、夢が叶った」
オウガ様は私が見てきた人間の中で、一番強い。
高位の魔術師でさえ習得に何十年もかかる、古代魔法を使いこなすオウガ様。
抜群の魔法センスだけでなく、相手の心理状態さえ利用する戦闘のセンス……
「わたしは……オウガ様の奴隷になりたい」
わたしは氷の姫騎士と呼ばれている。
まるで氷のように冷たい女だから、ついた二つ名だ。
どちらかと言うと、人を支配するのが得意——
そんな人間だと周囲に思われている。
「でも、本当は違う……」
自分より強い存在に、わたしは屈服したい。
わたしを打ち負かす存在に、出会いたい。
そしてそれが——オウガ様だ。
「はあ、はあ……どうしよう? 気持ちが昂って……」
オウガ様のことを考えると、胸が熱くなる。
……わたしは想像する。
オウガ様とわたしが戦うところを。
わたしはオウガ様の圧倒的な力に負ける。
本当にボロボロにわたしは負けるのだ。
オウガ様は倒れるわたしを、冷たい目で見下す。
そしてわたしは——
「くっ、殺せ……っ!」
と、オウガ様に言って……
「くぅぅぅぅぅぅ〜〜っ!! 最高だぁぁ……っ!」
強い男に、蹂躙されるわたし。
オウガ様はとても強い。
だからわたしは、オウガ様に蹂躙されたい。
オウガ様の華麗な古代魔法でやられたいし、鑑定でわたしのすべてを見抜いてほしい……
「はあ、はあ、はあ……身体が熱くなってきた」
わたしの身体がオウガ様を求めている。
それもかなり強く……
オウガ様に、思いっきり敗北したい。
敗北の屈辱を味わいたい。
「はあ……オウガ様、わたしを打ちのめしてください!!」
戦いに負けた後は、わたしはすべてをオウガ様に奪われる。
オウガ様にわたしの大事なもの、すべてを奪われるのだ……
「ゾクゾクしてしまう……」
女の子の大事なものを全部、オウガ様に捧げたい。
それがわたしの喜びであり、幸せだ。
徹底的にオウガ様に敗北して、それから……
「オウガ様の奴隷になりたい……♡」
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