第3話 オウガ様は将来の勇者です アンジェリカ視点
【アンジェリカ視点】
「オウガ様は変わりました……」
まるで別人になってしまったようです。
怠惰で毎日ゴロゴロダラダラしていたのに、急に剣も魔法も努力し始めて、しかも夜は本で熱心に勉強しています。
それに――
あたしに、「ありがとう」と言ってくれる。
アルトリア王国では、平民は貴族に絶対服従です。
貴族が平民に感謝の言葉をかけるなんてあり得ません。
しかも気配りもできて、あたしが疲れている時は早く休むように言ってくれます。
お父様のブライラント公爵とは大違いです。
オウガ様は本当に良い領主様です。
「オウガ様のためなら……どんなことでも」
他の使用人たちも、オウガ様を慕っています。
もちろん……あたしもオウガ様を慕っています。激しく。
「オウガ様が領地を継げば、ブライラント公爵家はさらに発展するでしょう」
オウガ様ならきっと、スキル付与の儀式で「剣聖」を与えられるはず。
だってオウガ様は「聖人」のようなお方ですから。
まだ子どもですけど、将来はとても立派な人――もしかしたら「勇者」になるかもしれません。
「ずっと、ずっとお側にいさせてください……」
あたしはオウガ様に、密かに忠誠を誓うのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます