第5話

僕は、机を「バンバン」と、叩く

「はい、なんでしょうか…?」

「………」

「あっ!!…なるほど、分かりました――

『アレ』ですね。」


そう、つぶやくと、シュガーは、部屋を飛び出していった。  しばらく、待つと………

シュガーが、手に「哺乳びん」を、持って

戻ってきた。


「アチアチアチッ!?」

どうやら、熱かったようだ……

「ふぅふぅふぅ……はい、坊ちゃま。」


すっかり、お腹が空いていた。僕は、、

哺乳びんを咥えると、、


「ハァハァハァ、、やっぱり。いつ見ても、

ミルクを、一生懸命に飲む。坊ちゃま。

かわい過ぎます――癒されますぅ……」


(うん、シュガー。あんまり、見ないでほしいな……なんて)


「それは、出来ません。だって、私の、使命は「坊ちゃまの成長記録」を、奥さまの、代わりに……付けることなので!!!」


(お、おう?!分かった。だから、そんなに

力説しなくても――)

「いえ、全然、分かっていません。―いいですか?坊ちゃま――」

「坊ちゃま…?」

「あら、、どうやら、寝ちゃったみたいね。」

「ですね――坊ちゃまの寝顔……」

「やめなさい!」


――バシッ!

「あぅ、痛いじゃないですか…」

「貴方が、馬鹿な事を、、しようとするから

じゃないの…「自業自得」よ―。」


(ふわあぁぁ、どうやら、寝てしまったようだ……しかし、シュガーの話が、あれ程

ツマラナイなんて―――)


―――むにゅん。

「……あん」

(うん?)

―――むにゅむにゅむにゅ

「ああん…んふぅ、だめぇぇ」


声が、聞こえてきた。 方向に、目を向ける


(ぶっふぅーーー、、や、やっぱり。)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「行くわよー、そーれぇ。」


母様の手から、離れた、ボールは…空を

『クルクル』回りながら、飛んでいた――

「…………(あんなの、取れるかっ!?)

「…奥さま。さすがに、アレは……無理です

もう少し、下に投げて下さい―」


「えぇぇーー、無理なの?」

「…いえ、私じゃなくて―坊ちゃまが―」

「…あっ、すっかり。忘れて…た」

「……(って、忘れるなよ…)


「まったく――その通りです。信じられません。」

そう言う、シュガーであったが、彼女は…

一向に、目を合わせようしない…


(って、シュガーさん?何故に、僕と目を頑なに、合わせようしないのかな?)

「えっと、そ、それは――」

(それは…?)

「やっぱり。秘密ですーー!!」


その言葉に、僕は、思わず「あっ」と、

喋ってしまった……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

遠き日の古き約束を 秋里 夏 @ATPS

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ