第35話 俺は元自衛隊◯◯◯◯◯に2年間いたんだ

「須葉の異能は錬金と言っていたが、おそらくは加工。俺たちの武器もスクラップにされている可能性が高い。」


ここにいる人全員が異能とはなんだ?状態になっていた。


「僕はその異能と青灯について、知りたいな。」


「異能については、俺も少し見ただけだ。須葉は金属の形を変えられる。俺が見たときはステンレス鋼を西棟4階から本塔5階までの階段に。何らかでゾンビを操っていた。他にはピアスやブレスレットなどをしていて、最悪それを武器にすることもあることぐらいだ。青灯については、暴力団しかわかっていない。」


香瀬はオッケーと言い、九井はわかっていそうで、マネージャーの亜須原はそんなにわかっていなさそうだった。


「で、僕らはどうする?調べ終わるまでここに残る?それとも脱出する?」


香瀬が全員で脱出するか残るかを聞いてきた。


「私は山田さんが終わるまで残っておいた方が良いと思います。」


「本当にそれで良いのかしら。このまま、ゾンビにここへと侵入されたら、一巻の終わりよ。」


亜須原は両手首を胸の位置で重ね、九井は腕を組み壁にもたれながら、香瀬に対し、意見を言った。


「遊佐木はどう思うんだい?」


「俺は九井と同じ意見だ。ここに侵入されたら、終わりなのと、外で仲間を待たせている。」


俺が意見を言い終わると、山田が青灯のサーバーにハッキングをしながら、言った。


「遊佐木。俺は青灯について、調べておかなければならない。だから、俺を置いていってくれ。」


青灯の情報はのちのち必要となってくる。


俺は山田をここに置いていく判断を下した。


「山田、あいつらと合流もしくは調べ終わったら、戻ってくる。それまで耐えろ。」


山田は機械の何かを俺に渡し、了解と言いった。


俺はみんなにACRの残弾数と1階にゾンビがいなかったことを伝え、俺たちは俺→香瀬→九井→亜須原の順番で換気口から1階へと抜け出す。


換気口が思っていたよりも狭かったため、ACRは香瀬に任せた。


俺は換気口をほふく前進で進み始めた。


換気口内は垂直な道ではなく、斜めの坂の道であったため、気を抜くと、一気に滑り落ちていってしまう。


そうなってしまうと、俺が1番最初に登っているため、全員がコンピュータ室へと戻される。


俺は換気口を登りきることだけに集中し、慎重に1階を目指していた。


俺が管理棟に入ってきたとき、1階ではゾンビを見ていないことは事前に伝えておいた。


換気口から出るときにゾンビと出くわすことはかなり低い。


俺は腕を一歩ずつ前に前にへと、進めていくと、1階の換気口についた。


香瀬からここの換気口は外していないと聞いている。


俺は香瀬からACRを右手で受け取り、身体の下から滑り落ちないようにゆっくりと頭の上へと持っていく。


換気口の右角を4箇所、撃ち抜き、弱ったところを殴り飛ばす


大胆で音をかなり出すのと、ACRの残弾数が残り5発になってしまうため、かなりハイリスクハイリターンである。


俺は左腕と両脚で身体の位置を固定し、右腕でACRの固定、準備ができたため、換気口の右角の4箇所に撃った。


ダダダダ


俺はすぐに左腕の上にACRを滑り落ちていかないように置き、右手の拳を握り締め、穴を開けた右角を思いっきり、ぶん殴り、右角を掴み、手前に引っ張り、外した。


ガタッ


「遊佐木!?」


俺は外した瞬間、体勢を崩したが、左手で換気口の角を掴み、ACRを左足でキャッチして、香瀬にあたることなく耐えた。


右手も換気口の角を掴み、両手の力で、換気口から出た。


1階に出ると、左足に置いてあったACRを蹴り上げ、両腕でキャッチし、左右の確認をする。


今のところはゾンビなし。


「香瀬。手を掴め、引き上げる。」


俺は換気口にいる香瀬の手を掴み、引き上げる。


俺は監視役となり、香瀬は引き上げる役となり、香瀬は無事に九井と亜須原を引き上げた。


「さっき話した通り、管理棟から出るまでは俺、九井、亜須原、香瀬の順で。」


これはもう脱出前提で動いている。


須葉からの条件のヘリの鍵はおそらく須葉自身が持っているかスクラップにしてもうないかの2択。


後者の場合はヘリ以外で逃げる方法があるのかヘリ自体を作れる。


最悪の場合は、今あるヘリは実体のヘリではなく、仕組まれており、飛び立ち数分で墜落するなどであれば、それこそ一貫の終わり。


で、1階に出たときの位置はL字の内側の縦棒の中間あたり。


そこから出口までは降りてきた穴よりも少し近いぐらい。


俺は残り5発のACRを構えながら、右上の角に差し掛かるところで非常事態が起こった。


俺は上の横棒が安全かどうかを壁を盾にして、確認する。


ゾンビが21体いる。

やはり罠か。

でも、確実に殺しているわけではない。


隙間がちょいちょいある。


俺は掌を突き出し、で止まれ、とやり来た道を少し戻ると、みんなはついてきてくれた。


「遊…」


俺は香瀬に静かに、と人差し指を立て、花につけ、伝える。


「最後の道に21体ゾンビがいた。俺が囮をやる。そのうちに脱出を。」


「何をいっている!?そうなれば、おまえは!?」


「安心しろ。これでも元自衛隊特殊作戦群に2年間いたんだ。みんなからはドジって言われていだがな…」


最後に余計なことを言ってしまったが、油断しない限りはそんなことは起きないと断言できる。


俺はゾンビ共の方へ走り出す。


さっき見た感じだと、ちょいちょい隙間が空いていたが、前方は完全にゾンビに塞がれていた。


前線の1体を撃ち殺し、香瀬たちを逃す。


その後、管理棟を1周まわり脱出。


ついでに落とし穴に落とせるだけ、落としておく。


曲がり角を最短で周り、ACRの引金を最短ルートで抜けるところができるゾンビの頭に銃口をつけ、引いた。



残り20体のゾンビは俺に反応する前に俺はゾンビ共の隙間を4歩前進、1.4歩左、2.7歩右斜、3歩右、3.1歩前進、2歩左斜め、1歩右、残り前進と、通り抜け、ゾンビ共の反対側についた。


左上の角を曲がると、ゾンビ共がついて来ていることを確認した。


ちゃんとついてきている。

後はまわっていって、香瀬たちの後を追う。


俺は確認し終えると、前を向いた。


!?







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