第33話 俺はゾンビに油断して諦めかけていたが…

ダダダダダダ


俺は右側にいたゾンビ6体の頭を撃ち抜き、排除した。


これで、ゾンビ達と出会う瞬間に右側に移れば、10発残し、通ることができる。


パンッ!


また銃声が鳴り響いた。


銃声的にL字の左側の外の部屋ではないのと、急がなければならない。


そろそろ残弾数が尽きてきている頃だし、地下室に降りたときに破損しAPC9が使えない状態で落ちていた。


走っている俺はゾンビと出会いそうになる瞬間、全身を右に避け、すれ違うことに成功するが、一度、体勢を崩した。


これで後ろから追いかけてくるゾンビの数は、14体。


俺は即急に体勢を整え、L字の左上の角に辿りつこうとしていた。


角を曲がる際は旋回して、右方にACRを構え、撃てる体勢で飛び込む。


俺は角に辿り着くとそれを実行した。


前方のゾンビの数は2体。


まだ俺の方に気づいてはいないだと!?


しかも、ACRとGlock19 Gen5の銃声が鳴り響いているんだぞ!?


まさか、ゾンビの個体の中でも聴覚が悪いのもいるというわけか。


1発、前方のゾンビを殺し、確認する。



ゾンビ1体の頭を撃ち抜き、音を出すが、反応はしていなかった。


聴覚が悪いゾンビもいるというわけだったか。


でも、念のため、隙間が大きい左側から通り抜ける。


俺は通り抜けようとしたとき、聴覚が悪いと確信していたゾンビが襲いかかってきた。


「は!?」


俺は咄嗟にACRを盾にしたおかげで、噛みつこうとしてゾンビの噛みつきを阻止できたが、完全にこのゾンビの方が体重が重いし、力の差は俺とほぼ互角これ


じゃ、抜け出せないし、追いかけてきているゾンビに追いつかれて、詰む。


というか、もう詰んでる!


待て。落ち着け。

中井なら、まず先に抜け出す方法を考える。


俺は周りを確認する。

この看板は…。


その前に抜け出す方法を考えろ!


ACRは案外、耐久性はある。


この短時間でACRが壊れることはまずない。


片手でACRで防御して、片手を腕を折り、抜け出す。


足を折るもあったが、ゾンビによって、両足を踏まれている。


だから、折って抜け出すなら、腕しかない。


俺は右手をACRが噛まれている中心により、少し隣に持っていき、左手の力を少し抜き、いけるかどうか確認する。


やばい…


俺は左手の力を抜くと、さらに俺の顔にゾンビの顔が近づいた。


左手の力を入れ直そうとしたとき、ゾンビは右腕で俺の左腕を地面に叩きつけ、動かないように握り締めた。


クソやばい。

ゾンビごときに油断した。


俺はどんどんゾンビ押されてゆく。


すると、曲がり角にゾンビ数体が見えた。


もうタイムアップか…


「すまんな。中井。こいつらを任せる。」


俺は右手の力を入れたまま、目を瞑り、頭を地面につけた。


「遊佐木くん!!」


L字の右上の角から那斗が俺の名前を叫んだ。


パンッ!


俺を押さえつけたゾンビの力はなくなり、俺は急いで振り払い、立ち上がった。


助けが来るなら、話しは別だ。

よし、生き残るか。


「那斗、このアサフトライフルの残弾数馬残り9発。その銃の残弾数は?山田は?」


「私はさっきのが、最後の1発。山田くんは地下室に入ったときに分かれてしまった…。」


おそらく落下時に那斗はACRを1階に落とし、APC9は地下についたときに何らかの原因で破損。


山田から、Glock19 Gen5 を山田から受け取り、山田はMP40を持っているというわけか。


「那斗、ACRの換えは持っているか?」


「ごめん。それは管理棟に来るまでに使い切ってしまったの。」


「おけ。ゾンビは何体見つけて、何体殺した?」


俺は次々と知りたいことを俺を追いかけてきたゾンビから逃げながら、那斗に聞き出す。


「正確にはわからないけど、少なくとも60体は超えていて、私が殺したのは10体程度かな。」


60体を超えていて、10体程度殺したとなると、山田がほとんど殺したかひきつけていることになる。


早く見つけ出さなければならない。


「那斗。落ちたとき、山田と分かれたんだよな?」


俺は今後の策を考えるため、もう一度、那斗に確認する。


「うん。」


「落ち後、山田は北か東、どっちに分かれた?それと、使っていた銃ではない他の銃声はいつから聞こえなくなった?」


那斗が反対方向から、来たということはおそらく北に向かったのだろう。


本題はMP40の銃声がいつ聞こえなくなったかだ。


これがすぐに聞こえなくなったのなら、山田の生存率はかなり低くなる。


俺は心臓の運動量が少しずつ早くなっていた。


「私が東の方へ行ったから、北。山田くんの銃の音は分かれて1分も経たなずに、聞こえなくなったよ。」


生存率は絶望的だ。

俺たちが駐車場に出て、Glock19 Gen5の銃声に気づき、ここまで来た。


そして、その間にMP40の銃声なんて聞こえていない。


「分かれて体感で何分だ?」


「5分あたり…。」


中井なら、山田は見捨てて行くだろう。

でも俺はまだ5分しか経ってないなら、ワンチャンある、と思っている。


ここは一度、那斗を1階に上げてから助けに行くべきだ。


もし仮に中井が助けに行くなら、こうするはずだ。


俺たちは今、L字の右下の角にいる。


そして、穴が空いている場所はL字の左下の角。

そこまで、行き那斗を上に上げて、山田の救出に行く。


「那斗、俺は山田の救出に行く。那斗は俺が土台となるから、落ちた穴から1階へと上がり、管理棟の出入り口に白田がいるはずだ。そこへ行け。」


那斗は何の反抗もなく頷いた。


そこから俺たちはゾンビ14体に追われながら、走りL字の左角、穴へとついた。


俺は両腕をバレーでボールをレシーブするように組んだ。


「那斗。俺の両腕を踏んで跳べ。土台となる。」


那斗は俺の少し手前で跳び俺の両腕を踏んだ瞬間、俺は両腕を力強く上へ上げた。


上げた後、那斗は穴の端を掴み、自力で1階へと上がった。


「那斗、さっき言ったとおり頼む。俺は山田を探しに行ってくる。」


那斗は穴から俺を覗き、頷いて出入り口へと向かった。


「さぁーて、俺はコンピュータ室へ向かうとするか。」


俺は聴覚が悪いと思ったゾンビに殺されたかけたときに1番近くにあった部屋(L字の上の棒)の看板にコンピュータ室と書いてあった。


俺はゾンビ14体に追われながら、コンピュータ室へと走り出した。

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