第29話 俺の親友は銃が大好きなのです

俺は広報の杉本 付保斗に話しをしに、生徒会室に行った。


あいつも俺と同じで利益を求めて、行動している。

こっちの方が利益があると示せば、あいつはこっち側につく。


でも、問題はどうやって、それを示すか…


当然のこと、今の戦力だったら、確実にこっちが負ける。


だから、あいつらを来るまで待つ。


俺はスマホで遊佐木と山田に一通のメールを発信した。


その後、生徒会室に向かった。


「杉本広報。俺はあなたに取引を…。」


「来ると思っていたよ。中井くん。」


杉本は俺が来るのを待っていたのか…。


となると、話しが早いな。


「杉本広報。3日後です。」


俺はそういうと、その場を去った。


13:24


俺は中井からのメールを受け取った。


「山田、那斗、白田。白蓮大学に戻るぞ。」


「了解。」「わかりました。」


俺たちはそれぞれ銃を持って車に乗る。


白田は新刀とバレットMRAD。


バレットMRADはM82A1と比較と重さ14kgから6.9Kgに、身長1450mmから1250mmへとコンパクトで軽量で作られており、様々な任務・状況に対応できる。


略称はMRADであるが、本名はMulti-Role Adaptive Design。


最大の特徴としては3つの部品交換で様々な弾薬を使用することができる。


例としては、338Lapuaや338Norma、300winchesterが挙げられ、8種類以上の弾薬を使える。


だが、中井の家にはこの3つしかなかったけどな。


そして、3つの部品交換方法はまずボルトを外し、ボルトフェイスを換え、レシーバーの前方にあるネジを2つ外し、銃身を前方に引き抜いて交換する。

最後に弾倉を変更することで終わる。


この作業は実際に前にエアガン部でやってみたが、ゆっくりやっても2分で終わる。


中井は37秒で手際よく終わらせていたがな。


他には銃床がスケルトン化されており、チークピースの高さやスタックの長さを調整すること、折りたたみできることにより簡単に運ぶことができる。


セーフティーレバーもAR15系列のライフルと同様で、レバー式のマガジンキャッチは利き手を選ばないなど、操作性が高い。


などが挙げられ、使いやすくはあるが、少し前の銃でもあるため、最新版ではない。


次に那斗はアサフトライフルのACRとあと1つはあとで紹介しよう。


これは一時期すごく注目されたアサフトライフルであるが、今はほとんどの人に忘れ去られている。


先進的なノリで2007年に発表されたが、軍や警察も乗り換える意味もあまりなかったのと、親会社の破綻により採用されず、民間向けに出しているACRも値段が妙に高い銃になってしまったのもある。


ポーランドの特殊部隊が限定的に使っていたということを中井から話されたことはある。


メリットとしては、工具を使わなくてもある程度の分解ができ、銃身や弾薬を簡単に換えらるところや強い衝撃を受けても凍らせて射撃をしてみても問題なしという耐久性があるところだ。


山田はGlock19 Gen5で…。


「遊佐木!準備できたぞ!」


山田はまだ来ないのかよ、という顔をしていた。


俺が勝手に銃の紹介みたいなことをしているうちに、何回呼ばれたのだろうか。


俺は思い返しながら、車に乗った。


14:12


車は止まった。


きっと、これより前は進まないのだろう。


「引きつけたゾンビが来る前に降りるぞ。」


俺たちは武器と3日分の食料などをリュックに分けて、車を降りた。


13:46に別荘を出発したから、36分ぐらいか。

ここから歩いて2日ちょっとか。


すると、前方から8、9人の人々がゾンビに追われ逃げてきていた。


「ここは私が前に…。」


「待て。白田。武器は最終手段だ。すれ違いで通り抜けるぞ。」


おそらくあっちは俺たちにまだ気づいていない。

音を立てなければ、ヘイトは買わない。


俺たちは左右に2、2で分かれ、逃げている人々が通り過ぎたところを見計らい、それ違いことに成功した。


俺はリュックから望遠鏡を取り出し、静岡県立総合病院のヘリポートを確認した。


よし。ヘリが残っている。

それで白蓮大学に向かう。


ヘリはリスクが低いし、何よりも武器の温存ができる。


そして、ヘリを使う1番の理由は中井の策に間に合わない。

送ってきたメールを読む限り、日時は書いていなかったが、中井なら今日から3日後に実行する。


だがら、ヘリは必須となる。


俺はヘリの欠損状況を見る。

おそらくまだ壊れていない。

燃料があるかどうかだが、あそこにあるということは数時間前に負傷者等を運んできたはず…。


それからまだ使われていないということは病院内は荒れていて、使える状況ではない。


「静岡県立総合病院に停まっているヘリを使うぞ。」


俺はそういうと、みんなは了解、と頷いた。


14:48


俺たちは静岡県立総合病院に着いた。


出入り口や駐車場は荒れ果てており、数体のゾンビと数名の遺体しかいなかった。


ゾンビの数と遺体の数が病院なのに、少ないな。


おそらく、中に溜まっているのだろうか。


俺は指で入るぞ、と合図した。


14:50


俺たちは病院内に入り、屋上へと向かっていた。


静岡県立総合病院は5棟に別れているが、ヘリポートがあるのは本館の屋上。


6階建の病院で一気に屋上まで行く手段はない。


だからまず、本館のメインゲートの目の前にある2階へと続く、階段を上り、東側のエリア端まで移動し、非常用階段から屋上まで行ける。


俺たちは今、メインゲートの前の階段を登り、東側にある非常用階段を目指し、ジョギングで向かっている。


西側にもあるはあるが、望遠鏡でヘリの位置を確認したら、東側の方が少し近かった。


だから、東側を選んだ。

理由はただそれだけ。

少しでも生存率が上がる方をとる。


俺たちは非常用階段のある曲がり角を曲がると、扉が開いていた。


俺は扉が開いていることに違和感を持った。


なんで扉が開いている?

誰かが逃げている際に…。


いや、開いていても、おかしくはないか。


俺が入ろうとしたとき…。


俺の目の先の上から人が落ちていた。


ズドン



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