第24話 助けが欲しいときは助けを呼びましょう
俺は中井を待っていると、助けを呼ぶ声が聞こえた。
「誰かぁ!!助けてくれぇ!!」
助けた方がいいのか!?
まだ気づかれてもいないため、このまま大学に向かった方がいい。
中井もそうするはずだ…。
だけど…。
俺は道路に飛び出し、ゾンビの数を確認する。
追っている数7体、さっきのは中井が殺してる。
7体なら2人でなんとかできる。
助けを呼んでいた人は俺の真横を通って行く。
まずは1体目!!
俺は1番前にいたゾンビの頭を包丁で横断する。
その後ろのゾンビの頭に包丁をブッ刺した。
俺はすぐさま包丁を抜くと、3体目のゾンビを殺すために構えた。
「おい、止まれ。」
俺はそういうと逃げて来たやつの腕を掴む。
すごく怯えているし、こいつ仙道 琮一じゃないか。
「いやまだゾンビが!あれ?」
仙道は後ろを向くとヘイトが薮野に向いていた。
こいつは大学に行ったときに使える。
とりあえずは薮野の応援に行く。
「ここで待っとけ。」
俺は仙道にそういうと薮野の応援に向かう。
薮野はもう既に3体を殺し、4体目に差し掛かっているが、それは奇襲したため、できたこと。
今は?というと、完全に逃げ回りながら、様子を伺っている感じだ。
俺は最後方にいたゾンビを後ろから頭に包丁を貫通させた。
あと、3体。
これを見た薮野はいきなり旋回し、最前列のゾンビの両足を蹴り転ばせ、その後ろのゾンビの頭を両断し、転ばせたゾンビの頭を刺した。
俺はその隙に最後のゾンビの背中へと入り込み、後ろから腕で首を絞めた。
噛まれなければ、大丈夫。
俺は一気に締める強さを上げる。
ボキッ
首の骨を折るとゾンビは倒れた。
頭に大きな損傷を与えると死ぬと思っていたが、首の骨を折ることでも死ぬんだな。
「ナイス。中井。」
こいつ、俺が来ること信じて飛び込んだな。
俺はそう思いながら、無表情で鼻の前に指を1本立てた。
そう静かにしろ、ていうことだ。
俺は周りを見渡す。
近くにはゾンビがいなさそうだ。
俺は薮野の耳元に口を近づけ、小声で言った。
「あいつは使える。大学まで連れて行くぞ。」
そういうと薮野は手でOKサインを出し、俺は仙道の方を向くと、顔がぐちゃぐちゃな何者かが左手に刃物を持ち、仙道を拘束していた。
「ははは!さっきおまえがやったみたいに殺してやるよ!!」
そいつは大声を出していった。
俺の理屈が正しければ、ここにゾンビが群がってくる。
逃げるのが、妥当だと思うが仙道を連れて行く価値はある。
ここはリスクをかけてでも取り返す。
俺は一瞬そう言う結論になったが…
どこから来たかまだわかっていない。
だが、さっきの言動的に俺が刺したゾンビ。
生きているということは、何かしらの能力で復活したか、死んでいなかったかになる。
無闇に救い出して、負傷する方がリスクだ。
仙道は諦めて、他に大学に向かおう。
俺は薮野に目で逃げるぞ信号を伝えたそのとき
俺は勝手に反射的に避けていた。
「ちっ。惜しかったのになぁ!次はな!当ててやるよ!」
今のはなんだ?
俺は手で右の頬を触ると、横線が入っており、手には血がついていた。
頬に攻撃が掠れたのか。
跡的には鋭い物。
おそらく包丁か何かではあるが、ここは一刻も早く逃げないとマズイぞ。
俺たちは後方に走り出すと、後ろにはさっきのやつと仙道がいた。
「おっと、君たちはもう逃げられないよ。なんで?だって?それはね。僕に喧嘩を売ったからさぁ!ははは!ははは!」
こいつうるさいなぁ、とか考えている暇はない。
俺は一度、後ろを確認すると、誰もいなかった。
おそらく能力使い。
左手の刃物とこの短時間の移動を見るに能力の正体は空間移動。
だとすると、どのみちこいつを殺さなければ逃げ切れないということになる。
もう話し合いが通用しなさそうだしな…。
「やるぞ。」
俺は薮野に殺さないと無理だということを一言で伝えた。
俺たちは一斉に動き出そうとするしたそのとき…
薮野の左腕の尺骨と橈骨の半分からそいつのが足許に落ちた。
ベチャ
薮野は右手で口を押さえ、声を出すのを我慢にしていた。
「どうだ?気分は?自分のせいで仲間が死ぬのは!!動くとこうなるぞ!!
能力使いは全く動いていなかった。
俺の理屈通りなら、一部の空間を移動させたということになる。
近距離でも遠距離でもバレていれば、攻撃しても意味などない。
だとすると、できることは2人で相手の注意を引く、かっこ動かないでいるだけかっこ閉じる。
あとはあいつらの動き待ち。
俺は聞こえずらい銃声を聞きながら、いろいろ考えた。
でも、もうすることはない。
俺は諦めた表情をする。
薮野は俺を見ると、これはもう無理だと判断したようだ。
「どうしたんだ!!さっきまでの姿勢はどうした!!」
俺たちは一向に動かずにゾンビが来るのを待ち続ける。
能力使いは楽しんで人を殺している。
何もしなければ、すぐに殺されてもおかしくはない状態。
でも殺さないと言うことはゾンビに殺されるか俺たちが動いて能力使いに痛ぶられて殺されるかのどちらか…
それから、数分この状態が続いたが、一向にゾンビは来なかった。
「どうして!来ないんだよ!!早よこいや!!」
能力使いが大きな声で言っていると、足音が微かに聞こえた。
やっと来たか。
俺は何かを待っていた。そう何かを…
「おい。能力使い。潮時だ。」
俺がそう言った瞬間、能力使いの後ろの路地から人影が出て来た。
「a3!生存者を確認。救出に向かう。」
俺が待っていたのはこれだ。
政府がこの数日、何も対策をなしに待っているわけがない。
それとこれは千堂が大声で助けを求めていたこと、あの能力使いが自ら位置を教えていたことで見つけ出してくれた。
俺は能力使いが大声を出してから一向にゾンビの唸り声が聞こえないのが、不自然だった。
そして、銃声でわかった。
何者かがゾンビを排除してくれていることに…。
銃装備した隊員6名は能力使いを取り囲む。
「抵抗はやめろ。だたちに武器を捨て。人質を解放しろ。」
俺たちはそいつらの人影に隠れる。
薮野がキツそうだが、ここは踏ん張ってもらおう。
「ちっ。運のいい奴らだな。でも、これで助かったと思うなよ?」
その次の瞬間、隊員6名の心臓が一気に能力使いの足許に落ちた。
「グワッ」
隊員6名が倒れ込んだ瞬間、俺と薮野は能力使いの懐に潜り込み、俺は持っていた包丁の持ち手部分を能力使いの頭に向かって、殴りかかろうとした。
まずは脳震盪を起こさせる!
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