第23話 日本でゾンビ感染が始まった
ゾンビ感染流行まで残り1日と約15時間前
9:24
俺は目覚めると日が出ていた。
朝か。
俺はスマホで時間を確認する。
結構、寝てしまった。
周りを見ると他の3人もまだ寝ていた。
俺が寝てしまった後に、みんな疲れてこのコンビニで休憩としたという感じか。
俺は持ってきた財布の中身を見る。
3450円…。
いつも外出するように少し持ってきているだけだからな。
まぁそんなものか。
他にないか探してみると、キャッシュレスカード…。
これを使うか?
ゾンビ感染が日本で広がるなら、使っておく価値はある。
でも広がらなかったら、そんなに使う価値はないが、広がらない方が不自然と判断したため、みんなの分を朝食を買いに行こうと扉を開けると、山田が起きた。
「遊佐木。朝食買いに行くなら、俺も行く。」
起きてからの判断早っ。
俺は内心でツッコミしてしまった。
俺たちはコンビニで朝食を買っていると、女性陣も起きたのかコンビニ入ってきた。
朝食を買いに来たのかな、と思ったが、2人ともトイレに向かっていった。
10:01
朝食とトイレを済ました俺たちは中井の別荘へと下道で向かい始めた。
2日後 7:16
俺は目を覚ますと目の前には起きている薮野と40代後半の男女の遺体,10代後半の女性の遺体が転がっていた。
両手が背中側にある…。
俺は身体の状況を把握する。
ガムテープで手足を拘束され、口も塞がれていた。
でも幸いなことに手足の方は手首と足首,口の方は二重巻きで市販のガムテープだ。
俺は唾液を溜め、唇と唇の間に舌を左右に振りながら、ガムテープの粘着力を唾液で落としていく。
それと同時に腕と腕を広げられるだけ広げ、輪を作り、両足を畳み、その輪の中を通し、両手を前に持ってくる。
舌と唾液で弱らせておいたガムテープを両手で首元に持ってきた。
両手のガムテープは歯で千切り、両足のガムテープを破る。
最後に首元のガムテープに手で切り、他の粘着した部分を外せば、拘束から簡単に解かれた。
おそらくあいつらは俺たちをゾンビに殺されようとしたようだが、拘束が甘かったな。
薮野は俺もやるから待っててみたいに顔で伝えてくれるが、時間が惜しいので、手伝い、薮野拘束を解いた。
「薮野、おまえが起きたときの状況は?」
俺が起きる前にどうやっていたかを尋ねる。
「俺もさっき起きたばっかで見ての通り、状況は変わらないよ。」
周りを見渡すに香江の姿は見当たらない。
いや、香江の姿は一応ある。
香江 康太の家族らしき遺体があるからな。
死因は射殺が妥当か。
「薮野、香江 康太を探すぞ。」
おそらく、香江だけでもわかると思うが、一応名前も言っておいた。
「了。」
薮野は反応したが、香江の家族の遺体を見て、絶対に殺したやつらに復讐心を抱いた目をしていた。
それに関しては今はどうでも良かったため、見てみぬフリをした。
それから俺たちは武器もない中、最新の注意を払って、香江の家内を捜索するが、香江は一向に見つからなかったため、一度、合流することにした。
「薮野、おそらく香江は攫われていった。」
俺がそういうと、薮野もそうだな、という顔をした。
これ以上、捜索しても意味がないと判断したちめ、香江の家に置いてあった包丁2丁を持ち、一度、白蓮大学へ行くことを薮野に話す。
白蓮大学の弓道部にある弓が使える。
近距離武器だけだと遠距離相手(人間)に対して、不利になる。
そのため、遠距離武器は必要。
銃を奪われてしまった以上は弓しか頼みの綱がない。
一応、簡易的な弓矢を作れないことはないが、ちゃんとしている弓矢でないと、肝心なところで壊れてしまった場合、キツくなる。
俺は弓の大切さを薮野に話し、念の為、簡易的な弓矢を作り、使えそうな物も持ち出し、白蓮大学を目指す。
俺は心の中で、この簡易的な弓矢とは割り箸と輪ゴムで作ったものなので、一瞬、相手の動きを止めるときにしかほぼ使えない、と自分に言い聞かせた。
薮野はドアノブを握ると、俺は思い出したように言った。
「薮野、なるべく音は立てるな。」
ゾンビの視力が悪い可能性もあるし、慎重に行くなら、まず音を立てないことは大前提。
わかってはいると思うが…
薮野はわかった、という顔をした。
扉が開く。外の世界はパニックになっていた。
人々がゾンビから逃げ惑う。
寝ていた時間から考えてると、あいつらが使った睡眠薬は長時間作用型の方でも、短い方。
すぐに寝てしまった原因としては疲労と睡眠不足のこともあってだろう。
米州のゾンビ感染のニュースがやったのは2日と約4時間前。
ニュースでは政府が簡単にいうと鎖国状態にしたと言っていたが、裏では繋がっていて、そこが感染源となったのか?
それとも、それ以前から米州の感染者が日本に来ていたか…。
薮野は俺の肩をトントンと叩いた。
俺は前を向くとゾンビがいた。
ゆっくりと異様な歩き方で前進している。
まだ、こっちには気づいてなそうだ。
俺は薮野に指で先に行く、と伝えそいつの方に近づいて行く。
俺は道路に着くと左に曲がった。
距離は15mぐらいって、ところか。
この距離でも気づいていないとなると、視力は良くなさそうだ。
俺は10m、5mと近づいていき、3mのところで止まった。
これ以上は対応しづらくなる。
薮野のところに戻って、大学に向かうか。
そのとき。
「誰かぁ!!助けてくれぇ!!」
後ろから唸り声を出しているゾンビに追われる男が走って来ていた。
俺は速攻で音を立てずに腰にかけておいた包丁を取り出し、近づいていったゾンビの頭にブッ刺す。
!?
頭蓋骨がない!?
俺は刺した感覚的に頭蓋骨がなかった。
「誰かぁ!!」
それより、この男の後ろに7体いる。
この武器じゃ、7体を仕留めるのはほぼ不可能。
あと、ゾンビって、案外人間の足の速さと同じぐらいなんだな。
おそらく、元の人の足の速さと同じぐらいではあると思うが…。
こいつは見捨てて薮野を連れてさっさと行こう。
薮野のところまで24mぐらい。
こいつとすれ違うように通ればいい。
仮にヘイトがこっちに向いてもこの速さだったら、全然巻けるレベル。
俺は逃走経路を考えながら、包丁を抜き取ろうとすると、薮野が飛び出た。
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