第11話 “正義”のヒーローは遅れてやってくる

「あれあれ?これはさっき俺たちに喧嘩を売ったお嬢さんではないですか?」


私はまずい人に当たってしまった。

ここから打開すること方法はある。

だが、逃げるという判断をするとしたら、荷物を置いていかないと、逃げ切れない。

そして、荷物の中には大切なものがしまっている。

そのため、これはできない。

次にこの人たちを倒すという選択。

でも今は何人いるかが、わかっていないのに、倒しにいってしまうと返り討ちにあうだけ。

今わかっているとしたら、少なくとも4人以上はいると思う。

私がそう考えていると、目の前の男は襲いかかってきた。


「は!まずいは痛い目になってもらう!!」


これなら、避けれる!


私は1発のパンチを避けた。


荷物を持って、壁ジャンプをしていくのは不可能。

後ろの通路から逃げるのが、現実的。

なら、後ろから。


「すばしっこいやつだな!」


私は2,3発目を避け、後ろを振り返るとそこにはもう2人の男がいた。

私は後ろの男1人と最初に仕掛けてきた男のパンチを両腕でガードしたが、後ろにいたもう1人もパンチを喰らってしまい、倒れた。


やばい…。みぞおちで受けてしまった。

呼吸がしづらいし、動けない…。


男1人は包丁を取り出した。


「どこから切り落とされたい!」


最初から声を出しておけば、良かったのかな?


もう助けを呼ぶには遅いと判断した私は生きてきた中で1番良い記憶を掘り返す。


あれは私が8歳だった頃の記憶…。


-

私は気弱いせいかよく同年代の男の子たちからイジメられていた。


最初の方はまだ揶揄われるぐらいだったが、日に日にエスカレートしていった。

石を投げるとか椅子に座ろうとしたら、椅子を引く,上履きを隠されるなど。酷いイジメをされていた。


とある日、私は公園で1人ブランコを漕いでいると、私を見つけたのか私をイジメていた男の子たちが入ってきた。


「おいおい。あそこに気弱な美優がいるぜ。」


「本当だ!」


ああ、これはまたイジメられる。

あの時の私は抗うことなど出来なかった。


男の子たちは石を集め、私のところまで来た。男の子たちは下を向きながらブランコを漕いでいる私に容赦なく石を投げてくる。


痛い…痛いよ。

私は泣きかけている。


いやもう涙は流れているが、ここで泣いてしまうと完全に負けた気がするため、我慢していた。


「はは!美優が泣きかけてる!ドンドンやれ!」


1人の男の子がそう言った瞬間、その男の子は倒れていた。


「1人を虐めるのに何人かけている?」


私は前を向くと同い年ぐらいの男の子が私のことをイジメていた男の子を殴り飛ばした。

私は驚いてしまった。


「なんだ!?お前勝手入ってくる…オヴェ…。」


数人相手に1人で立ち向かう姿に…。

私を助けるためにら立ち向かう彼に…。


「うわっ!山田がやられた!逃げろ!」


イジメていたグループのリーダーがやれたのか他の人たちは逃げていく。


助けてくれた男の子は隣のブランコに無言で座り、手に何かを持ちながら、何事もなかったかのように漕ぎ始めた。

私もいつか1人で立ち向かえるようになりたい、と思いながら帰ったのであった。

-


私は…


「おいおい。こっちが決めさせてあげているんだぞ?お嬢ちゃん。早く言わないと俺たちが決めちゃうよ?」


私は立ち向かう、と決めた。

私は目の前の包丁を持った男を殴ろうとしたが、その男の後ろにいた男に捕まれ、とうとう抵抗ができなくなった。


「おい、女ごときに何をしている。殺るなら早く殺れ。」


一気に雰囲気が変わった。

この男はおそらくこの集団のリーダー的存在。


「すみません。兄貴…。」


包丁を持った男は私に刃を向けた。

もうここまでなのかな?そうなら、最後にあの子に会いたかったな。


私は目を閉じた。


俺は入ってきた本茂古道の入り口ら辺にきた。


あそこの道の前で周りを見渡しずっと立っているやつがいるおそらくあそこだ。


俺はそいつに飛び蹴りをした。


「グオッ」


男はそのまま倒れた。


こいつはもう起き上がることはないだろう。


残り6人。


1人は包丁を持っていた。

残りのやつら全員が持っていたって、おかしくはない。


すると、道にいた男が気づいた。


「どうした!?」


やっぱ、気づかれたか。


俺は問答無用の強行突破を試みる。

男3人の後ろに美優ちゃんが見えた。


「いけ。あの男を入らせるな。おい、おまえは気にせずやれ。」


リーダーらしき男が2人なら命令した。

奥の1人が武器持ち。

突っ込んでくる2人は素手のまま来ているからおそらく持っていない。

まぁ持っていたところではあるが…。

俺は先に来た方の左腕と脇腹を掴み、持ち上げもう方にぶつけ、財布を思いきっり投げ、包丁を持っているやつの手に当て、包丁を飛ばすことに成功。


「くっ。おい、3人であいらを必ず仕留めろ。そのうちにこいつを排除する。」


そうリーダーらしきやつがいうと、3人は突っ込んできた。

俺は上半身の衣類を脱ぎ、俺も突っ込む。

俺はアグロバットなジャンプし、右足のかかとで1人のお腹辺りを蹴り、右腕で1人の首辺りを殴った。残り1人は体勢を整え、右足で蹴り、3人とも倒れた。

直ちに残り1人の方を向き、腰に手をかけた。


「あれ?包丁を取りに行っていたら、もう全滅か。早いなぁ。で、君はどうするわけだい?」


俺はすぐに答える。


「彼女から手を引けば、これ以上のことはしない。」


そういうと男は美優を人質にして、包丁を美優の首元に置いた。

下手に動けば、殺すってことか。

他の奴らは素人レベルとして、こいつは慣れていそうだ。

素人なら、突っ込んでいるが、何かで隙を作らなければならない。

俺は左手で腰にセットされていた銃(ワルサーP99)を取り出し、男に向ける。


「こっちはこの女を人質にしているのだが、遊戯(おもちゃ)を向けるのか?」


日本では銃刀法違反などで持てないし、裏を通さないとまず入手などできない。

いやそんなことは後でいい。俺は男に向け続ける。


「それが本物なら撃ってこいよ。」


ああ。俺は撃つよ。

これが本物だから、撃てる。

でも、美優ちゃんの前ではしない。

俺は銃を男に向かって滑らせ、男の1m先ぐらいで止まった。


「撃てないから、渡す。」


男が下を見た瞬間、俺は突っ込んだ。


「なんだ。撃てないじゃないか。日和野郎が。え!?」


地面に落とした銃の確保。

俺は男の包丁を持っていた左腕の肘に俺の右足の膝で折り、美優ちゃんを左腕で抱え、奥の道へと走る。


ボキッ


おそらく左腕を折っただけじゃ諦めないだろう。

だから、ここの斜めの道をもう少し進むと分かれ道がそこで美優ちゃんだけを逃す。

俺は分かれ道まで走る。


「美優ちゃん。話しは後で。走れるか?」


このときは冷静にコンパクトに。

俺は美優の表情を確認しながら言った。美優は小さく頷いた。

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