第8話 俺は彼女の好きなを探ります 2
「健斗様。北西の交番に連絡し、まだそれらしき人は来ていないそうです。そして、来しだい連絡をしてくれるそうです。」
美優はこの子を見ながら報告した。
そうか。北西の方が遠いし、地元の人ぐらいしか知っていなさそうな位置にあるため、本命は北東の方だ。
俺は残り1つの交番への連絡をして欲しいと頼んだ。
「了解。美優ちゃん。もう1つの交番に電話をして。」
そう言うと、美優ちゃんはスマホを触り始めた。
お腹が空いていると思うが、頑張ってくれ。
俺はこの子の様子を見ながら辺りを見回す。
何かを探している人は特には見当たらない。
探しているとこの子は話し掛けてきた。
「お姉ちゃんは電話しているけど、お兄ちゃんは何を探しているの?」
流石にバレるか。
俺は言い訳をしようとしたが、正直に答えるか。
「お兄ちゃんは君のお母さんとお父さん,お姉ちゃんを探してるんだよ。」
俺はそう答えるとあることに気づいた。
ん?待て。この子、親と姉と逸れたと、言っておきながら、平然としている。
そういう子なのか?
それとも…。
そう俺が考えているとこの子がいきなり俺の方に手を伸ばしていた。
「ちっ。」
俺の持っていたスマホを取り、逃げ始めた。俺は美優に伝える。
「美優!この子が俺のスマホを取って逃げた!」
美優はスマホを離していた。
電話が終わったということだろう。
そう言うと美優は走り出したが、俺は右手で美優の左腕を掴んだ。
「健斗様!?取り戻さなくていいのですか!?」
美優は驚いた表情していた。まぁ普通の俺ならそうするだろう。
俺は美優に理由を伝える。
「美優ちゃん。あのスマホは壊れている。あと、情報源になる部分は壊しておいた。取られても不利益になる事なんてないし、考えて見直すと、服はボロボロだった。あれはあの子に渡そう。」
美優はそうなのですか?と、言いたそうな姿に見えた。
そして、俺は思った。
美優ちゃんは優しくて、人が困っていると助けたくなる人だなって。
「はい。すいません。健斗様。お話しを変えさせてもらうのですが、先程、美優とおしゃいましたか?」
あ、やべ。俺はやらかしてしまったことを思い出し、何も言い返せなかった。
20:36
「ここですか?健斗様?」
俺たちはバントッキーに着いたが、美優のスマホで時間を確認するとラストオーダーの時間が過ぎていた。
「ああ、そうなのだけど、ラストオーダーの時間を過ぎてしまったため、違うところにしようか。」
美優は残念そうな顔をした。
なら、ここから近くにファミレスがあるからそこにしようか、と美優ちゃんに言おうとしたが、違う言葉を掛けよう。俺は美優の表情を確認したながら、言った。
「美優ちゃん。残念だけど、違うところにしようか。」
これはファミレスの方向を見た。
「はい。」
美優ちゃんは返事をした。
あ。俺は見つけてしまった。親子丼の専門店の店を。
ファミレスよりこっちの方がいいか。俺は親子丼の専門店の「おやっ子」の方へ視線を変え、美優の顔を見ながら伝える。
「美優ちゃん。あそこのおやっ子っていう親子丼の専門店にしようか。」
すると、美優は目を輝かせた。
反応的には良さそうだな。
俺たちはそこを目指して歩いた。
そして、余計なことになるのだが、鳥さんって、卵なのか肉なのかそれとも両方なのか、わからないな。
俺たちは「おやっ子」に着き、夜飯を済ませた。
21:29
自宅に帰る途中に俺はあることを思い出す。
そういえば、飛び降りるシーンをお隣さんや近所の人に見られているかもしらない事を…。
対応をどうするかを俺は考える。
映画,動画の撮影は機材がないのとそのまま学校に行ったため、まずない。
準備運動と言っても、普段俺は危ないことをしないため、これもない。
て、いうか準備運動でやったなら、相当ヤバいやつだ。
広げるな、俺よ。
それなら、幻覚?
いやあの時、一瞬で数えた人数だけでも7人はいた。
流石に無理がありすぎる。
ならもういっそのこと、これも正直に時間がなかったので、時間短縮として飛び降りました、と言うべきか?
ヤバいやつ認定されるけど、まぁもういいか。
俺は美優を見てみると、背筋をきっちりと伸ばし、両手は前で組んでいた。
これはもう完全にキャビンアテンダント(客室乗務員)ではないか?
すると、美優がこちらを見てきた。
あ、やべ。目が合った。
て、いうか、よく今日、こんな可愛い子といて耐えられたな。
俺よ。もう羞恥心がいろんなことで耐えられなくなっていたからあれだったけど…。
今はもう人目を気にする必要がなくなったから、めちゃくちゃ恥ずかしくなってきたんだけど。
そう思っていると、美優は容赦なく喋り掛けてきた。
「健斗様。あの…。」
俺は恥ずかしさのあまり名前を言われた瞬間に話してしまった。
「内容はわかってる。呼び捨て(健斗)でいいから話すのはやめよう。」
あ、やっちまった。
俺は言った後に気づいた。
俺は最低なクズだってことに…。
これは絶対傷つけてしまったな…。
すぐに謝らないと。
俺は謝るために適切だと思った言葉を選択し、言おうとした。
「美優ちゃん!ご…。」
「すみません!!健斗!本当は…。」
え?なんか謝られた?俺は驚いている。
酷いこと言ったのは俺の方なのに謝られている!?
どうしてだ!?いや余計なことを考える前に美優に聞いてみよう。
俺は美優に尋ねる。
「ごめん。美優ちゃん。知ってるといったけど、事情を聞かせてくれませんか?」
俺はなぜか最後に敬語を混ぜてしまったが、気のせいだろう。
そして、美優は答えてくれた。
「はい。白蓮大学にお車を置いていってしまいました。すみません。」
美優は自分のミスしたことに対して、落ち込んでいる。
あー。確かに車で行ったね。
明日、取りに行くか。美優ちゃんと一緒に。
俺は不運なことかは言えるかはわからないが、車の免許を取っていないため、美優ちゃんに運転を任せることしかできない。
だから、俺は美優を喜ばせることを罰として言う。
「美優。君に後日、車を一緒に取りに行こう。」
俺はそういうと美優は喜びながら、こう言った。
「はい!喜んで!」
そうして、後日、俺たちは白蓮大学まで車を取りに行くのだった。
ゾンビ感染流行まで残り6日。
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