第7話 俺は彼女の好きなを探ります 1
俺は河野さんに今日、退院していい、と言われた。
俺は必要な手順を済ませ、病院を出ようとしているが、いつの間にか美優ちゃんが隣にいるのはなんでだろう。
いつからいたんだ?
まぁ、どうでも気にしなければどうでもいいだろう。
それより、今、何時だ?俺はスマホを開く。
あれ?スマホが壊れてる?
なんでだ?どうして壊れてる?
俺のスマホはポケットに…。
あ…。救急車を呼ぼうとしたときに進に襲われたからその時に壊れたのか?
まぁいい。ちょうどスマホを変えようと思っていたから、潮時だろう。
明日はちょうど休みの日だし、変えに行くか。
俺たちは病院を出て、公園に差し掛かろうとしていた。
美優ちゃんに聞こうとしていたけど、公園があるなら、公園の時計でも見るか。
えーと。時計が故障中と書いてあるな。うん。
「美優ちゃん。今、何時かな?」
俺は今、今日は不運だな、と思いながら、時間が知りたいので、美優に尋ねた。
「はい、飼い主様。只今、20時前後でございます。」
20時前後か。
スーパーに寄って造材とか買ってもいいが…。ここは…。
グゥ〜
ん?お腹が鳴る音?
いやここは紳士でありたい俺は聞かなかったことにしよう、と判断した。
うん。食べに行くか。
美優ちゃんも俺が退院するまで待ってくれたことだし。
て、言うか。
美優ちゃん。何が好きなんだ?どこの飲食店に入ればいい?俺が考えていると、美優は喋った。
「飼い主様…大変申し訳ございません。お腹を鳴らしてしまいました。」
と、美優ちゃんは赤を赤くしながら、俺に対して謝罪した。
聞かなかったことにしたのにー!
自分から謝罪するんかい!
俺は美優ちゃんに引きずって欲しくないため、言った。
「美優ちゃん。気にしてないからいいよ。あと、それは言わなくてもいいよ。言って欲しいのは体調が悪いなら、すぐに俺に伝えて欲しい。」
さぁ、これでどうだ?俺は自信ありげに美優に言った。
「そうですか。なら、いいです。」
すると、美優ちゃんは怒りげに言った。え?なんか拗ねてない?
恥ずかったの?体調悪いとはではなく、恥ずかしかったから、顔赤くなっていたの?
今までも?
あ、これはあかんやつだな。これはガチで夜飯、選ばないと詰むぞ?
まぁもう、詰んでる当然な感じだけど…。
えーと、ガチで何が好きなんだ!?
今、聞いても、もういいです!って、言いそうだし…。
俺も恥ずくても何が好きなのか聞くべきなのか?
美優ちゃんは恥ずかしくても言ったんだぞ?
俺よ。漢を見せるべきなのでは?
いやまず、候補外を探そう。まず高級店は論外。肉が好きなら「ブロッコルー」で魚が好きなら「マナズシ」、どこでもいいなら近くのファミレスとかにしよう。
よし勇気を振り絞れ!俺よ。
俺は今、勇者だ。
そう俺に勇者という権利があるのか?と、言われるとないけど…。
俺は美憂に何の食べ物か好きかを尋ねようとしたが、まずは気分を良くしてもらう方が先だと思った。
今日の朝に美優ちゃんとちゃん付けして喜んでいたのと飼い主様は流石にヤバすぎる。
せめてご主人様なら、許されると思うが…。
なので、名前呼びにしよう、と考えな。
問題はどうやって納得させるかだよな。
たぶん、普通に伝えればいいと思うが、念のために考えよう。
美優ちゃんに対して気まずい感じにするか?
それとも命令形にするか?
いやでも命令形だとなんか俺がやだな。
なら気まずい感じで言うか?それでも彼女を気まずくさせるのは流石に状況を悪化させるだけか?
なら…。
「美優ちゃん。好きな食べ物を教えてくれたら、俺のことを名前呼びしてもいいよ。」
さぁこれならどうだ?
一気に好きな食べ物を聞けて、気分を良くすることができる。
そして、俺は平常心を保ち続けようとしている。
調子に乗るな。ドヤるな。俺よ。
そして、恥ずかしさを隠せ。美優は嬉しそうに好きな食べ物を応えた。
「はい!私の好きな食べ物は!」
さぁ何だ。美優ちゃん。
何の食べ物は何なんだ。俺の心臓はバクバクしながらアンサーを待つ。
「鳥さんです!健斗様!」
よし!名前呼びに変わった。
で、好きな食べ物は鳥と…。
なら、「バントッキー」でいいか。
そして、俺は向かう方向を変えた。
ここから900m先の駅近のところだから、食べ終わったら、すぐに帰れる。
だが、もう20時前後で、21時閉店のため、ラストオーダーは20時30分。
10分前には着けると見込み、まぁ大丈夫だろうと思っていた。
俺たちはバントッキーに向かっていると、前方に迷子らしき子供がいた。
暇なら助けてやってもいいが、交番が近くにないのと、構ってやっていれば、ラストオーダーの時間を平気で超えてしまう。
ここは無視するしかない。と、俺が考えているうちに美優は迷子らしき子供に話し掛けようと近づいていた。あの美優ちゃん?
「どうしたの?」
話し掛けてしまったよ。
まぁもうしょうがない。付き合おう。
俺はその子供の方に行った。
「お母さんとお父さん,お姉ちゃんがいなくなっちゃったの…。」
まぁ普通はそうだろうな。
で、問題は迷子になってから何分かかっているかだ。
駅近だし、ワンチャン子供を置いて、電車に乗り込んだはまずない。
親が置いていくクズだったら、まぁ可能性としてはあるが、それはないだろう。
と、なると親は探し回っているかここからは遠いが交番に行っているか。
ここから近くの交番は北東に650mのところと北西の1100mのところ。
結構、離れている。
走って行くのは時間がかかりすぎるから電話するのが手っ取り早いが、スマホが壊れているため、これは美優ちゃん任せ。
本当なら、走り回りながら電話しようと思ったが、それはできな…。
しようとすればできるが、女の子のスマホを借りていくのはちょっとデリカシーがなさすぎる。
そのため、電話が終わるまで待ちか。俺は美優に電話をして欲しいと頼んだ。
「美優ちゃん。ここから近くの2つの交番に連絡をして。」
で、あともう1つ問題がある。
歩いていたから、逸れたところからどれだけ離れているか。俺はこの子に尋ねた。
「あの親御さんと逸れてから何分ぐらい経つかな?」
おそらくこれはこの子にとって難しい質問だが、これが1番知りたい。俺はこの子の答えを待つ。
「わからない。」
この子は首を振りながら、そう応えた。だよな。わからないよな。
なら、探し回るか交番に親が行っているかで変わる。俺は返事をした。
「ごめんね。難しい質問をしちゃって。」
美優が1つの交番への連絡を終えた。
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