第6話 俺の隣にいるのは誰だ!?

俺は起きると保健室のベットにいた。


いてて。

倒れるときに机か扉の端で頬を打ったのか?


それだったら、もう少し違う痛みを感じるはずだ。

なら、どうして痛いんだ?


考えられる説としては、運搬中に誰かが落としたか?いやそれは低過ぎる。

じゃあ。俺が考えていると、隣から声が聞こえてきた。


「おい、メンヘラ女たらし野郎。やっと目が覚めたか。」


この声は進?俺は振り抜くとそこには進がいた。


「おい。メンヘラは認めるが女たらしは認めないぞ。」


ああ、メンヘラはもうとっくの昔に認めてる。


けど、女付き合いのほぼない俺は女たらしとは認…。


なんかそういえば、なんかいたな。

いや美優ちゃんに対しての扱い雑過ぎやろ。

うーん。会って初日だから、しょうがないといえば、しょうがないのか?


待て。本当にあの態度で会うのが初めてなわけがあるのか? 


「おい。聞いているのか?考え過ぎるメンヘラよ。」


俺は進の話しを全く聞いていなかった。


「すまん。聞いてなかった。もう一度言ってくれないか?」


俺は進に謝り、なんで言っていたのかを尋ねた。


「しょうがないからこのメンヘラ野郎の親友の進様が教えてやろう。もう1限終わって残り40分の2限だ。」


マジか。でもなんでこんなに長いんだ?普通、失神は数分間で治るはずだ。

それ以降になると病院に行った方がいい。


今にでも救急車を呼んだ方がいいんじゃないか?

俺はベットから立ち上がり、ポケットに入れてあるスマホを取り出し、電話を開いた。

すると、殺気が背後からした。俺は反射的に避けた。


「誰だ!?」


俺は背後を振り抜くとそこには進の姿しかなかった。

さっきのは進なのか!?

あの殺気量だと、ふさげてやったわけでもなそうだ。


「ちっ。惜しいな。流石だよ。健斗。君を救けるためのものだったのに、そう簡単にはいかないよな。」


いきなり、今までで聞いたことのない口調。

まさか誰かに操られている!?

いやそんなことあるのか!?


いやまず、このマズイ状況を優勢にするための手段を探さないといけない。

進は腰から警棒を取り出した。

ヤバい。狭い保健室内で振り回されたら、長くは持たないぞ。


進は逃走路を塞いでいた。


窓ガラスを割って逃げるか?

でも逃げたところで人気の多いところまで行かないと状況は変わらない。

しかも俺が失神している間に進に何をされているかも、わからない。


そうなると、ここは短期決戦でまずは窓ガラスを定期的に割りまくる。

窓ガラスの破片が危ないが、幸いにもあの立ち上がるときなスリッパを履いてはいるから、窓ガラスの破片を踏んだとしても、ダメージは少しは抑えられる。


俺は警棒を避けながら、思いっきり窓ガラスを割った。


あと、3枚。

これで気づいてくれれば、ありがたいのだが、どっちみち気づいて来てくれたところで警察が来るまでの時間の時間稼ぎ要員にしか役に立ちそうにないが…。


俺は警棒を避けてベットとベットの間にあるカーテンをおもいっきり取った。

このカーテンでクッションの役割ができる。腕に巻いて、最悪その腕を盾にする。


「そうはさせるか!!」


すると、今まで下手に突進してこなかった進が突進してきた。

何か作戦でもあるのか?


両腕を掴めば、抑え切れることはできるが、下手をすれば、そこで捕まる。

そうなると、闘牛をしてみるか?リスクが高いが、助かる可能性も高くなる。俺はカーテンをマント代わりにした。


避けれたら、窓ガラスを割る。


進が目の前まで来た。

今だ!俺は避けると、さっき、背後にあった扉が開いた。


え?あ、後ろに扉あったの?

だから、突進して来たんか?

て!!マズイ危ない!!

俺は進を抑えようとして飛び込んだ。


「そういうことですか。」


そこに居たのは美優だった。


頑張って避けてくれ!!


すると、美優は警棒を避け、進の胴体を両手で掴み取り、進の背中を地面に叩きつけた。


叩きつけた後、進は動かなくなった。


え?俺でもそうさせるのは無理だと思って、やめたんだよ!?


それより、伝えなければ。

俺は美優に何をされているのかわからないことを伝えた。


「失神している140分の間に何をされたかわから…」


すると、俺は話しの途中で倒れてしまった。


「飼い主様!?」


美優は倒れる俺に…。


17:24


「ああ。ここは?」


俺は病院の個室のベットで目を覚ました。俺は隣を見ると美優が居た。


「美優ちゃん。俺は何をされていたのかわかるかな?」


俺は知りたいことを美優に尋ねる。


俺がここにいるここまでの記憶がないということは何かされたのに違いはない。

問題は何をされたかによるが…。


すると、美優は罪悪感を持ってそうな顔をしていた。

俺だけか?罪悪感を感じるのは?

それとも気のせいか?そして、美優は口にした。


「いえ。大事に至ることは何もされてないそうです。」


それが本当なら、いいのだが…。


そういえば、今、何時だ?まだ学校はあるのか?


俺は美優に尋ねる。


「美優ちゃん。今、何時だ?」


美優は気まずそうな顔した。

で、その気まずいそうな顔はなんだ?

もう学校終わってますよ、みたいな顔している。


俺は一度、窓の外を見る。あれ?太陽が沈みかけている。


これはもう大学は終わってそうだな。


「飼い主様…17時26分でございます。」


美優は気まずそうな顔をしながら、そう応えた。


ですよね。

これじゃあ、ほぼ欠席と同じじゃないか〜。

あー。俺、沈水。


すると、また美優ではない誰かが隣にいる気がした。


「次は誰!?」


俺は振り向く。そこに居たのは…。 


「健斗くん。話しを聞かせてくれないかな?」


河野 (こうの)さんだった。


河野さんはさっき美優が座っていた椅子に座った。

河野さんに会うのは7年ぶりだ。

そして、河野さんとは父さんの後輩であり、結構父さんと親しい。


「はい。わかりました。」


俺は美優はいつの間にいなくなった?と思いながら、今日、”大学についてから”あったことを全て伝えた。


20:21


「先輩。やはりそうです…。」


俺は先輩に伝えた。


「ああ、良い仕事をしてくれたよ。また、何かあったら、報告をしてくれ。」


俺は…


「わかりました…。」


本当に…


ゾンビ感染流行まで残り1週間

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