第3話 あなた、本当に人間の女の子ですか!?
どうゆこと!?まさかの力業!?
いやいや流石にドライバーとかを使って外したんだよな?
きっとそうだ。
俺は美優に質問した。
「美優ちゃん、窓は何らかの道具を使って外したんだよね?」
俺は念の為の確認をした。
やっぱり何らかの道具を使って外した。ああ、そういうことだ。
すると、美優は喋った。
「はい。手で開けさせてもらいました。」
え?手で?ん?それよりここ、7階だよな?
この窓の外は断崖絶壁の壁だよ?
隣に高いマンションとかビルはなかったし、まずどうやって7階まで来たんだ?
ヘリコプターとかか?
うちの親ならやりかねないが、流石に社会的にも予算的にもキツくないか?
そうなるとこれは…。
俺は美優がどうやってここまで来たのかを尋ねた。
「美優ちゃん、どうやって7階まで来たの?」
俺は絶対違うと自分に言い聞かせてながら、ヘリコプターだと信じながら、答えを待った。
「窓の反対側に3階建ての建物があるので、そこの屋上から棒高跳びを足りなかった分は壁をつたってきました。」
まさかの棒高跳び!?
て、いうか棒はどこにやったん!?
あ。俺は見つけてしまった。
寝室を出るドアの近くに棒が掛けかけてあるに。今まで気づかなかった。
一体、美優ちゃんはどんな運動神経をしているんだ?
なんか心配になってきた。親もやけど…。
そういえば今、何時だ?
俺は時間を確認するためにスマホを開いた。
えーと、8:44と表記されていた。
そして、俺は消沈していた。
あ、終わた。俺の14年間の交通機関禁止・無遅刻・無欠席学生生活。
大学が終わるまでこれを突き通そうとしたのに…。
俺が落ち込んでいるのを見た美優は励ますように喋りかけてきた。
「飼い主様、よろしければお車でお送りしましょうか?」
車?俺はこれ聞き、ワンチャン間に合うかもしれないと考えた。
まずは一応の確認。
「美優ちゃん、車運転できるの?」
美優ちゃんには先に車で待機してもらって、荷物準備に約2分30秒。
ここから歩いていくと約20分かかるが、車なら約6分。校門からダッシュで教室まで2分程度。よし、ギリ間に合う。
「はい。運転できます。」
美優は運転できると応えた。
8:46
まずは…。
「美優ちゃん、急げば間に合いそうだから、支度して車で待機しておいて、2分半で準備終わらせるからよろしく。」
美優は相槌をした。
よし、のってくれた。
俺は速攻で制服と昨日準備しておいた鞄と財布を手に取り、顔洗い,歯磨き,トイレを済ませ、靴を履いている。
美優ちゃんがいなくなっているから、下で車に乗って待機してくれているのだろう。
後でお礼をしなければならないな。
俺はそう考えているうちに大事なのはことを思い出した。あ、まずい。マンションの7階から1階までを移動する時間を含んでいなかった。エレベーターになると最悪の場合、3分はかかる。階段を使った方がいい。
8:49
俺は扉を開けると、そこには美優ちゃんがいた。俺はびっくりした。
え?何でここにいるの?まさかの俺が命令しすぎて、反抗しちゃったのか!?
反抗期というやつかな?
俺にもあったな。
俺の世界が広がっていくうちに美優は背中を向け、おんぶしますよみたいな体勢をとった。
「飼い主様、少々お時間がかかりますので、私がおんぶします。どうぞ。」
おいおい、ガチで!?普通は逆だと思いますけど!?
俺は179cmですよ?約20cmの差がありますよ?でもおんぶしてもらって何をする気なんだ?
すると、美優は瞬きをし、何をしているのですか?と目で訴えていた。
まずいまずい。
何をする気かはわからないが早くおんぶしてもらった方がいい。
俺は美優に近づき、おんぶしてもらった。たぶん、階段を全速力で降りる気なのか?
それならおんぶしない方が早いと思うが…。
そして、俺は美優ちゃんの髪の匂いがガチで素晴らしい(いい匂い)ことに気づいてしまった。
やべぇ、頼むからあそこよ。
反応しないでくれよ。俺はまだ紳士として生きていたいからな。
俺がそう考えているうちに美優は駐車場が見える開放された壁(柵みたいなものである)に近づき、ジャンプして乗った。
はい?え?まさかの飛び降り?いやいやここ7階だぞ?2階ならわからなくもないが…。
いや2階でもやばいか。
美優は少し体勢を縮めた。
え?本当に飛び降りるの?俺は美優に質問する。
「美優ちゃん?まさか飛び降りるなんてしないよね?」
ここから落ちたら、ただでは済まないぞ?
て、いうかおそらく2人とも死ぬ。運が良ければ、重傷。
「はい。そうです。」
美優はどうかしましたか?というオーラを出していた。
いやいや普通飛び降りるなんてしませんよ?
するとしたら、自殺願望者及び窮地に追いやられた逃走者。
俺はこのままではマズイと判断し、降りようとするが、完全に掴まれている。
2人で飛び降り自殺?心中?俺はまだ愛情を持っていないと思うが。そして、美優は飛び降りた。
あ、神様。天国でお願いします。俺は目を閉じ、こう言った。
「heaven's gate 開門します。」
俺を抱えたままマンション4階のL字の壁の端と2階の壁を使い、減速させ地に着いた。
「飼い主様、お車まで到着しましたよ。」
美優ちゃんの声が聞こえてきた俺は目を開けた。
「美優ちゃん。ここは天国でいいかな?」
俺はここが天国だと信じて質問した。
「いいえ。現実世界です。お乗りください。」
俺はもぬけの殻状態になっていた。本当に飛び降りが成功したのだな。
美優ちゃんも怪我などは特にしてないし、安心したよ。
二度とこんな思いはしたくないけどね。
それより人って死と隣り合わせになるとこんな思考するんだね。今日で2回も味わったから、実感したよ。俺は車に乗り込み、時間を確認した。
8:52
これなら、間に合いそうだ。
て、いうか視線多いな。流石に身長差のある男女がマンションの7階から飛び降りたら、視線を集めないわけがない。
しかも身長が低い方がおんぶしていたし、なんなら他の人が見たらなんかカッコいいと思っちゃう感じのだったし。
最後のは自分だけかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます