第24話 奈良町からくりおもちゃ館(問題編)
皆さんは、ひょんなことで何かを勘違いしてしまって・・ずっと、損をしていたってことありませんか?
今日の『奈良町からくりおもちゃ館』は・・ボクが、そんな苦い思いをしたところなのです(笑)。
さて、『奈良町からくりおもちゃ館』って、どんなところなのでしょうか? まずは、同館のHPから概要を引用してみましょう。
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奈良町からくりおもちゃ館は、奈良町の伝統的な町家の空間で、昔ながらのおもちゃに触れて遊ぶことができる体験型の施設です。
子どもからお年寄りまでが一緒になって遊ぶ世代間交流の場として、また、地域の人々と観光客が交流を深める場として、平成24年4月、奈良市により開設されました。
復元された江戸時代以降のからくりおもちゃを常設展示し、自由に遊ぶことのできるスペースとなっています。
木や竹・和紙などの自然素材のやさしさに触れながら、昔の人々の知恵や工夫を発見してほしいとの思いから、おもちゃはすべて実際に触って遊ぶことができ、スタッフが由来などを説明しながら一緒に遊びます。
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なるほど。。。
『奈良町からくりおもちゃ館』は文字通り『ならまち』の一画にあります。『奈良町』と『ならまち』の違いは、『第3話 「ならまち」には、お姉さまがいっぱい!』を見てね。
それでは以下、同館を『からくりおもちゃ館』と表記しますよ。
さて、ボクは以前『からくりおもちゃ館』を訪問したことがありました。
そのとき、ボクが同館の入口に立つと・・中からスタッフのお姉さんが出てきました。そして、ボクにこう言ったのです。
「からくりおもちゃの製作を体験することができますよぉ。さあどうぞ、中に入ってください」
入り口から中を覗くと・・畳の上に座卓がいくつか並んでいて・・小さい子どもを連れた何組もの家族が座卓の周りに座って、ワイワイと言いながら何かを作っているのが見えました。
ボクは『からくりおもちゃ館』というのは、すでに出来上がっている『からくりおもちゃ』を使って遊ぶ施設だとばかり思っていたのですが・・お姉さんの言葉と、中の様子からして・・そうではなく、『からくりおもちゃ』の製作体験をする施設のようでした。
しかし、ボクは「うへえええ」と弱ってしまったのです。
というのは・・このときアホバカ妻はおらず、ボクは一人だったからです。
『からくりおもちゃ』などというものは、みんなで楽しく、ワイワイ言いながら製作するものであって・・ボクが一人で黙々と製作をするというものではないと思いました。しかも、周りは家族連ればっかりです。そんな中で、ボクだけが一人で『からくりおもちゃ』を作るというのは、ますます場違いな気がしたというわけです。
それで、ボクはお姉さんに「また来ます」と言って、中に入らずに、その場から逃げ去ったのでした(笑)。つまり、ボクは『家族連れの中』ということと、『一人でおもちゃ製作』ということに気後れしてしまったのです(笑)。。。
それでもそのときは、またアホバカ妻と奈良に来たときに『からくりおもちゃ館』に寄ればいいやと思っていたのですが、そういう機会は・・あるようで・・なかなか、ありませんでした。
こうして、いつしかボクは、この『からくりおもちゃ館』を敬遠するようになってしまったのです。
しかし、正直に言うと・・ボクは『からくりおもちゃ』なんていうものが大好きなので・・いつか再訪してみたいと心の片隅では思っていたのです。ですが、『家族連れの中』と『一人でおもちゃ製作』の二つが大きな重荷となってしまって、再訪する勇気が出なかったという次第です。
こうしてボクは『からくりおもちゃ館』に恋焦がれながら・・悶々とした日々を送っていたのでした(笑)💦
で、最近のこと・・
一人で休日に奈良に行く機会がありました。そこで、ボクは積年の思いを晴らすべく(笑)、『からくりおもちゃ館』再訪の計画を練ったのです。いつまでも、悶々としていてはいけないと思ったのです。
再訪に際し、ボクは頭を働かせました・・
以下、ボクの思考ですよ。
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『家族連れの中』と『一人でおもちゃ製作』の二つの重荷のうち、『一人でおもちゃ製作』は避けて通れない。なぜなら、『からくりおもちゃ館』は『からくりおもちゃの製作体験をするところ』で、今日はアホバカ妻がおらず、ボク一人だからだ。となると・・残りの『家族連れの中』を何とかするしかない。
しかし、今日は休日だから・・いつに増して館内は家族連れで一杯になるだろう。どうしたらいいのだろうか? そうだ! 開館直後は、家族連れはあまり来ていないだろ。だから、開館直後に行くのがよさそうだ。開館は9時だから・・9時過ぎには館内に入りたい。そうすれば、『家族連れの中』という重荷をなんとか回避することができるはずだ!
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こうして、『一人で、からくりおもちゃ館の開館直後の9時過ぎに館内に入る』という大計画が出来上がったのです。
えっ? 皆さんから「そんなの計画というより普通の予定じゃん。どこが大計画なのよ?」という声が聞こえますね💦
ち、違うのです。。。ボ、ボクにとっては、そ、そうではないのですぅ。。。
この『のんびり古都散策』を読んでくださっている皆さまは、もうご存じのことと思いますが・・ボクは、旅行ではほとんど計画を立てません。何をするにも、行き当たりばったりなのです。
ですから、『一人で、からくりおもちゃ館の開館直後の9時過ぎに館内に入る』というのは、ボクにとっては前代未聞の大計画ということになるのです!
こうして、ある休日の午前9時過ぎ・・
緊張しながらも、ボクは一人で勇躍『からくりおもちゃ館』の前に立ったのでした!(笑)。。。
入り口で、ボクは大きく息を吸い込みました。そうして、気持ちを落ち着かせて・・万一、大計画が外れて・・中が家族連れで一杯だったとしても、決してうろたえてはいけないぞ。この前みたいに、逃げ出してはいけないぞ・・と心に固く言い聞かせたのです!
それから、ボクはもう一度大きく息を吸い込みました。
そして、ついに・・『からくりおもちゃ館』の中に足を踏み入れたのです。
中には、以前見たように畳があって・・畳の上には三つの大きな座卓が並んでいました。そして、座卓の周りに人は・・外人さんのカップルが1組いるだけでした!!!
やった! 家族連れはいない!
ボクの大計画が当たったのです! 見事、『家族連れの中』という重荷を避けることができたのです!
ボクは安堵しました。
後は『一人でおもちゃ製作』だけです・・
すると、スタッフのお姉さんが、ボクの前にやって来ました。以前、ボクが出会ったお姉さんでした。でも、お姉さんがボクを覚えているはずはありません。お姉さんはボクに・・初めての来場者に言うように・・言いました。
「座卓の上に、からくりおもちゃが並んでいますので、ご自由に触って、遊んでみてください」
ん?・・
座卓の上を見ると・・お姉さんが言うように・・すでに出来上がっている『からくりおもちゃ』と、遊び方の説明書きが並んでいました。
えっ?・・
「からくりおもちゃの製作は?」という言葉が喉元まで出てきたのですが・・ボクは、その言葉を飲み込みました。そして、首を傾げながら、壁に張ってある『からくりおもちゃ館』の説明に眼をやったのです。
そこには、こんなことが書いてありました。
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からくりおもちゃの魅力や、日本の伝統的な文化・技術を伝える目的で、毎月1回からくりおもちゃの製作体験講座を開催しています。
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えっ?・・毎月1回からくりおもちゃの製作体験講座?
すると、ボクの様子を見ていたお姉さんが、その製作体験講座について説明してくれたのです。
それによると・・
以前、ボクが訪問したときは・・なんと、その月に1回の製作体験講座の日だったようなのです。それで、お姉さんはボクに「からくりおもちゃの製作を体験できますよぉ」と言ったのでした。
それをボクは「からくりおもちゃ館というのは、常時、からくりおもちゃの製作体験をするところだ」と勝手に勘違いしてしまったというわけでした。
こんなのネットでも見れば、すぐに間違いだと分かるのですが・・思い込みというのは恐ろしいもので・・ボクはネットで確認することもなく、そのまま悶々と日々を過ごしてきたというわけだったのです。。。
ぎゃび~ん! こんなことなら、もっと早く来ればよかった・・
こうして、ひょんな勘違いから悶々とした日々を送ってしまって・・とんだ損をしたというわけなのです(笑)💦
でも、ボクは気を取り直して(笑)、座卓の上にあった『からくりおもちゃ』で遊んでみたのです。
えっ、『からくりおもちゃ』って、どんなのかって?
『からくりおもちゃ』というと・・『人形がお盆を持っていて、そのお盆にお茶を入れた茶碗を乗せると、人形がそれを客人のいる所まで運び、客人が茶碗を取ると人形は停止する』という『茶運び人形』が有名ですが・・ここにあるのは、もっとシンプルなものでした。
では、今日の近況ノートをご覧ください。
https://kakuyomu.jp/users/azuki-takuan/news/16818093086746547355
あっ、『からくりおもちゃ』の中には、特許などの知的財産権で保護されたものがあるそうなので・・近況ノートには、『からくりおもちゃ館』のスタッフの方に、SNSにアップしていい、とご了解をいただいたものだけを載せていますよ。
さて、近況ノートですが・・人形の木こりが、ノコギリで一生懸命に木を切っています。これ、どうやって動いているのか分かりますか?
よく見ると・・ノコギリの先が棒と紐で結んであります。もう原理は分かりましたね。人が手でその棒を前後に動かすと・・それに合わせて、ノコギリと木こりの身体が動くわけです。
では、ここで問題です(笑)。
次の近況ノートをごらんください。
https://kakuyomu.jp/users/azuki-takuan/news/16818093086746557463
カエルとお姉さんの人形を座卓の上に置くと・・しばらくして、どちらも勝手にクルリと一回転しています。動画の中で人形を触っているのは、『からくりおもちゃ館』のスタッフのおじさんなのですが・・さて、おじさんは、どうやって人形を回転させているのでしょうか?
もちろん、人形の中に電池が組み込まれていたり、おじさんが眼に見えないところでゼンマイを巻いているのではありませんよ。さっきの木こりの人形のような、とってもシンプルな機構を考えてみてください。
正解は次回に・・
今日はここまでです。
今日もお付き合いをいただき、ありがとうございました。
(つづく)
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