第17話 変態コンビの喧嘩の話聞く?
そしてあれから数時間後…
俺達三人…そしてマスターの四人は
何でも他ギルド同士の決闘は其々のギルドのマスターが見届けなきゃいけないんだって。
屍の館のシンボルとして髑髏の周りに炎の様な形をしたエンブレムが嵌め込まれてる。そしてギルドの外観はというとなんか…ザ・魔王の城って感じでおどろおどろしい洋風のお城の様だ。
…悔しいがかっこいい…。
「アシュリカ…良い?事故と見せかけてあの変態野郎に技を放ちなさい。大丈夫。私が何とかするから。
ち…私のソーマきゅんに色目使ってんじゃねーよ。あのタコ…」
「マスター。殺人行為は1番重罪です」
マスターは自身の殺気をダダ漏れにしてしれっとアシュリカにグラセルの殺害を頼んでいる。何て物騒な…。
ていうか変態野郎は…ブーメランじゃね?
「ソーマきゅん?今お姉ちゃんに失礼な事考えてなかった?」
「へ?か…考えてないっすよ!」
心読まれた!?しかしマスターはハァハァと息を荒げて
「本当かな?んもお♡ソーマきゅんは悪い子なんだからぁ♡次失礼な事考えたら♡お仕置きとして猫耳メイド姿でご奉仕してもらおうかな」
「マスターは!素晴らしい緒方なので!そんな事考えた事ありませんしこれからもありません!」
「あらぁ良い子ねぇ♡ご褒美にお姉ちゃんのパフパフ…ごは…」
「…マスター…ソーマいじめない…ダメ…」
何か滅茶苦茶なことを言いまくるマスターの後頭部をリンが杖で殴った。
良いのか?自分の上司だぞ。つーか意外と原始的な使い方するな…。
「じ…地味に痛い…ごめんにゃさい…」
「分かれば宜しい」
「マスター?茶番はやめて入りますよ」
マスターは涙目である。
「私…マスターなのにぃ…」
◇
アシュリカを先頭に俺達はギルド内に入っていく。アシュリカはギルド本部の恐らく鉄でできているのであろう紫に塗装された扉を開けて進んでいく。それに俺たちも続く。
内装もまた洋風の城の様な感じだ。広いロビーの様な場所には沢山の冒険者と恐らくゾンビ。そして片隅にドラマとかで見るオシャレなバーやビリアード等がある。まるで大人の社交場。
ゾンビにしても普通にいるから俺が入っても誰も気にした素振りがない。
「屍の館はうちのギルドより歴史が古いのよね。もっと財政状況が良くなったらうちのギルドも内装を綺麗に改装しつつ、事務員とか受付嬢を増やさないと…」
とマスターは真剣に呟く。…この人はやっぱりマスターなんだな…。唯他ギルドだからと目くじら立てるんじゃなくて良いところを吸収して取り込もうとしている。
そんな姿勢に感心していたが
「ぐ…ぐへへ…それにプラスして私とソーマきゅんの愛の巣とソーマきゅんに着せるコスプレグッズと結婚費用と新婚旅行費と…」
と涎を垂らして興奮している。
がっかりだよ…。
他の二人は慣れた様子で無視している。俺も二人みたいになれるだろうか。
そんな感じで進んでいくと奥にグラセルがおり、椅子に座ってワインを飲んでいた。両隣りにはバニーガール姿のゾンビがいる。グラセルは俺達に気づくと立ち上がった。
「やぁ。マスター・エルトリオ。相変わらずお美しい姿で…生きてるのが残念だ」
「あらあらご挨拶ですかしら?マスター・ファントム。貴方もハンサムね。後16か17ぐらい若かったらよかったのに…老けてて残念だわ」
なんてマスター同士で挨拶している。アハハ…ウフフと挨拶しあうが喧嘩腰。握手するが両者共手が真っ赤になり、血管が浮き出ていて目一杯力を入れてるのが分かる。
みてて分かるぐらい険悪だ。
「マスター…本題に」
アシュリカの指摘にマスターは我に帰る。
「は!そうだったわ!お宅ね?困るのよ。前々からリンへのシツコい勧誘には苦言を呈してきたわ!?
けどもう我慢の限界よ!いい?リンは私のギルドの子なのよ!本人が辞めるならそれは止めないわ。けどそういうシツコい勧誘はやめて頂戴!リンは渡さないわよ!」
良いぞマスター!俺は心から応援していた…が
「それとソーマきゅんは私の愛人であり伴侶になるのよ!みてて分かるわ…ソーマきゅんは恐らく女性経験がない…。
真っさらでピュアなソーマきゅん…。そんな天使さんなソーマきゅんに私が女のイロハをその体に直接教え込むのよ!勿論…性的にもね♡
ハァハァ♡
そんな女の事も知らないソーマきゅんをアンタに渡したらソーマきゅんが汚れんのよ!ソーマきゅんに人生も愛もエロいことも教えるのは私なのよ!その座を奪うというのなら…アンタのケツに釘バット打ち込んで体の内側からズタズタにしてやるわよ!この[自主規制]!」
…前言撤回。グラセルも負けじと
「ハッハッハ!君は相変わらず幼い少年に興奮する変態の様だね!安心したよ!そして確信した!ソーマたんを君の様な痴女に預けていたら教育に悪い事がね!
ソーマたんは女性の事を何も知らない…確かに君の言う通りの天使さんだ…。
だがな…だからこそ!そんなソーマたんが女性について知る前に私による調教に溺れていく様を見るのは想像するだけで興奮が止まらないし涎が止まらない!
今は素直ではないソーマたんだが私の愛でメロメロになりそして
"ダーリン♡ソーマね♡ダーリンの事だーいすき♡"と言わせ…ブホ!
ソーマたん!萌えええぇ!」
「いやぁぁぁぁぁあ!」
何だこの変態合戦は!何よりその対象が自分だと思うと滅茶苦茶怖い!
というか!二人して俺に女性経験がないって言い切ってんじゃねーよ!傷つくわ地味に!
…別に図星だからってわけではないからな?俺だって…そりゃあモゴモゴ…。
「安心しろソーマ。私が必ず勝利し君を守るよ」
「ソーマ。大丈夫だよ?私はソーマの味方。ソーマに酷い事する人がいても私が守ってみせるから…」
やだ…イケメンが二人もいる…ソウ子になっちゃう…。
…ていうかいつになったら決闘が始まるんだろ…
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