第28話

「さぁ行くよ。ここに並んで。

門を跨いだらすぐだよ、夢が覚めるのと同じような感覚だから、怖がらないで、おいで」


そういうと弟と繋いでいない方の手を私に差し伸べてきた。


その手を握ると門を跨ぐ準備をした。


冷たい氷のような体温とこれでお別れ…。




…なんてそんなの絶対に嫌だ。




でも手を引かれて門を強制的に跨ぐように潜った。


そこからの出来事は一瞬だった。


眩しい灯りが車のフロントガラスを照らす。


たった1秒。

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