第27話

「君は良い子だから天国に行くんだよ。

そんなことはありえないね。

地獄に来る方法なんてないし逢えない。

だからここでさようならだ」


まだ振り向いてくれない。

彼の顔を目をもう一度見たい。


「ねぇ最後に…」


その後の言葉が出てこない。


「君と出会えて僕はひと時だけだけど幸せだったよ、消えてしまいそうなくらいにね」


そういうと彼はとびきりの笑顔で振り返ってくれた。

その笑顔に私は泣きそうになった。


「またね…」

小さな声で私はつぶやいた。

彼には聞こえていないようだ。

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