第17話

「ママ?何してるの?!」


「ジョシュ!」


弟が目を覚まして恐ろしげに私達を見ている。

咄嗟に私は悪魔を突き放して何もなかったかのように誤魔化しながら弟の名を叫んだ。


「やめてよ!ままのフリした化け物なんでしょ!お姉ちゃんから離れろよ!!」


「ったく間の悪いガキだな…。

いや、間のいいガキの間違いかな…」


彼は少し残念そうなため息を吐きながら立ち上がって弟に近寄っていく。


「あらあら坊や違うのよ?お姉ちゃんは少し具合が悪かったから様子を見ていただけよ?

ほら安心して?ベッドに戻ってほら」


「黙れ悪党!」

ジョシュが悪魔の手を払いのけ私のところへ走ってきた。


「お姉ちゃん大丈夫?あれだぁれ?

ママじゃないよね?怖いよ!!」


必死に私にしがみつくジョシュを必死で宥めるように抱きしめながら悪魔の方へ目をやる。


彼は慣れっこというような表情だ。


「ジョシュ?大丈夫よ。

あの人はママに似てるけどママじゃないの、でも悪い人じゃないんだよ?

そ…そう!あのね女神様なんだよ?」


弟は私に抱かれたことで少し落ち着いたのか静かになった。


「そうなの?ママに似てるね。ママは女神様なの?」


「そう。ママはいつも私たちの女神様でしょ?」


弟を諌めるために私は嘘をついた。


「そうだね。お姉ちゃんはいつも正しいもんね!でもどうして女神様がいるの?」


幼さという無垢な心が私の良心にチクリと刺さった。


「えーっと」

私が口ごもっていると。

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