第15話
「フーン。なぜ信じないの?理由は?」
片肘をつきながら矢継ぎ早に質問してくる悪魔。
「だから!悪魔だからよ!悪魔は誘惑するって貴方が言ってたじゃない!信じるわけない」
私の言葉に悪魔がまた笑う。
「アハハ。君言ってることが無茶苦茶だよ。
悪魔だから嘘をつくとか、信用できないとか、そういうこと言うならさぁ。
僕は悪魔じゃないし、誘惑もしないって思うべきなんじゃないの?」
屁理屈だ…。
「そ、それは。でも私だってキリスト教徒なんだよ!天使が罷りなりにも悪魔を名乗るわけないし。それに今の現状がいくら現実じみていないにしても、貴方が悪魔を名乗ることぐらいは信じてあげても良いわよ。でも、余計な嘘はつかないだけであって、私が言いたいのは惑わすような嘘は平気でつくって事よ」
必死で自分の理屈を捏ねてみた。
「へぇお前。思ったより頭いいみたいだね。なおさら君が好きだな」
また私を揶揄ってる。
「だからそう言うこといえば私を誑かせるとでも?!」
「そうじゃないっていえば…信じる?まっ信じないか…。信じるわけないか」
この人悲しそうな顔もするんだ。
だめ!
騙されたら。
これが悪魔のやり口!
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