第11話

「悪魔は死ねないから辛いんだよ。永遠の縛りだよ。

消滅するほどの咎を犯さない限りね。

もしその咎を犯せば…消える。消えた後は虚無という何も無い空間で永遠の時を退屈に過ごすだけ。

まぁそんなことは有り得ないけどね。

と言うか僕どうのはいいよ。

仮に消える事になる様なことがあっても君達とは関係がないし。

今回のこととは別。

それより悪魔に見つかって君たちが食われる方が今は僕にとって問題。

まぁでもそうならないように安全策で行くから安心しなよ」


消える咎?

それは引き裂かれるのとはまた別?

どういう事?

よく分からない。


「なんで私達をそこまでして助けてくれるの?」


「僕のミスだからだよ。何度も言ってるでしょ?

僕って完璧主義者なの」


「だったらミスしないんじゃ」

つい口をついてでてしまった。


「随分なこと言ってくれるじゃん?ハハハでもまぁそうだね。確かに。君の言うとおりだ。

だから、取り返すんだよ俺のミスも君たちの未来も」


この人本当は優しのかもしれない。


「悪魔さんは何で…悪魔になったの?」

聞いていい質問じゃないのはわかっていた気がしたが、でも聞かずにはいられなかった。


「突っ込んでくるねメアリーちゃん。

僕はね。元は神を愛する無垢な天使だった。

生まれた時はね。

でも生まれてすぐ自由な愛を求めたから地獄に堕ちたんだよ。

天国じゃ神に全ての愛を注がざるものは異端だからね」


何故か可哀想になった。


「そんな…でもそれじゃ神が作る人間は殆んどが地獄行きになっちゃうじゃない」


私は神を信じている、でも少し憤慨した。

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