第4話
頭が追いつくはずもない。
悪い冗談なのだろう。
だが男はまだ続けた。
「大丈夫君たちの魂は元来天使だろうが悪魔だろうがどちらが回収しても審査はその後、事故死…。
じゃ…ないな。
予定ではなんだけど、事故死だから行き先はおおよそ天国だから安心して。
でもねぇ、問題部分はそこじゃなくて…。
僕のミスで生きてるまま連れて来ちゃったとこ、そこが問題。
さぁどうしよっか。僕キャリアはある方だけどこんな凡ミスは初だから結構内心焦ってるって感じ。
わかるかな?」
わからない。
何言ってるのこの人。
「だれ!?ママみたいだけどママじゃない、あっち行け!」
突然ジョシュが声を上げた。
誰のこと?
私の疑問がまた一つ増える。
ジョシュは明らかにこの男を見てそう叫んでいる。
「安心して坊や。これは…夢よ。だからお眠りなさい」
その声に弟は頭をコクンと項垂れるように眠ってしまった。
男は弟を抱き上げるとベッドに寝かせた。
優しい口調だが違和感があった。
「彼に見える僕と、君に見える僕は違うんだよ。
それが悪魔の特徴。悪魔は誘惑そのもの。
その人間にとって一番魅力的な見た目になるんだよ。
だからお年頃の君にはステレオタイプのいい男に、10歳の坊やには母親にも似た優しい、まぁ女神のようにでも見えてるんじゃないかな?
因みに天使は真逆、魅力を感じない人間だけど好感的な見た目に見えるらしいよ。
だってね、彼らの愛はほら、神に捧げられてるから浮気はできないもんね?
ハハハ!
アホくさ。まっいいや」
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