第2話
不思議な感覚だった…
何が起こったか理解する事はできなかった。
何も聞こえない。
何も見えない。
ただゆっくり時間だけが流れているような感覚が体を包んだ。
そんな風に考えている間も間も無くして、ヒンヤリとした氷のような感覚が体を覆った。
「おっと…しまったな…」
聞いたことのない声が聞こえてまた意識が遠くなった。
「どうしよっかなぁ…。これは厄介だ」
また聞こえてくる知らない声。
ゆっくり目を開けたそこには、美しさを纏った男性が立っていた、難しい顔で私を見下ろしている。
「あなたは?」
私は考える前に声に出してしまっていた。
「いやぁ…ちょっと先走っちゃったなぁ…。これバレたら処罰だよなぁ」
その男は、ため息混じりに訳のわからないことをいうばかりで理解が何も追いつかない。
「あ、ちなみになんだけど君には私がどうみえてる?」
男が立て続けに言葉を述べた。
私は少し躊躇ったがゆっくり答えた。
「あ、あの。少し怖い顔で私を見てるように見えます」
自分の声が震えているのがわかった。
「んーとね。そうじゃなくて。
女性?男性?髪は何色は?瞳の色は?」
これはひょっとして…医者かなんかの問診?
そう思った私は彼の容姿を答えた。
「えっと…。まず男性で、背が高くて、短くて明るいシルバーブロンドのゆるいウェーブヘア、瞳はグレーっぽいブルー…です…」
「なるほど君って結構ミーハーだね。
ステレオタイプのイケメン好きって感じだね。
まぁいいや、オッケー。じゃあその感じでお付き合いよろしく」
一体どういうこと?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます