王都よサラバ! Ⅰ

「迎えに来たわよ!」

「ハ~イ!少し待って下さい!」

「ケンジ様!早く!アメリアさんが来ましたよ!」

「う~ん眠いよぉ~」

「しっかりして!だから言ったのに!」

「そうよ!それをあんなに激しくしてぇ!」

「でも幸せでしたよぉ~♪」

「寝る┅┅┅」

「馬車に投げましょ!エイ!」


「どうしたらこうなるの?出涸らし状態?」

「それは┅まぁ疲れてるのかなぁ」

「ですよねぇ~♪フフフ♪」

「時期に治りますから┅」

「マッタク!緊張感無いわね?王宮に行くのよ?王様と会うと言うのに┅┅」


そんなで馬車に揺られて王城へと行きました!


王城の門を潜って奥へと進む馬車、城を過ぎて行くと宰相のシャルドさんが待ち受けていた

裏口?そうじゃ無くて王族専用玄関らしい


王城には正式な王宮玄関、貴族専用玄関、御用商会通用口と別れていて、その奥に王族専用の玄関がある


この玄関には近衛師団の団長クラスしか護衛していない

詰所も立派だなぁ?


「来たな┅┅案内するから付いてこい!」

「シャルド?機嫌悪いな?」

「フン!誰のせいだ!オークションが終わってからずっと馬鹿な貴族を相手してるんだ!早く出て行ってくれたら良いのにな!」

「だからオズワルド侯爵の所へ行く事を了承してくれたんだ

今日にも出るらしいぞ」

「そうか┅┅今日出るのか┅┅では褒美を用意しとかんといかんな」

「褒美?」

「盗賊団からエシャルナ姫を助けた事と壊滅させ多くの貴族子女を救った褒美だよ

本来なら勲章か爵位をと言うのに受けとらんだろ?

陛下と話して金を払う事にした

それが良いだろ?」


「そうか、ケンジ君!良かったな!これで又金が転がり込んだな?アッハッハハ!」

「褒美なんて良いのに┅┅受け取らないと後が面倒ですよね?

お金なら有り難く頂きますよ」

「それと今回は非公式の場だから畏まる事は無い、しかしだ!冒険者が王族と対するんだからそれなりに礼儀は持てよ」


まぁそれくらいは日本人としての常識は多少は有る

異世界での礼儀とかは知らないが失礼無き様にしますって┅┅ねっ

凄い美人の侍女さん?

が来てシャルドさんと交代!


「侍女のアンクレアと申します

皆様はあちらの席でお待ち下さい」


うぅ~ん!侍女さんの格好はメイド服では無いが黒を基調とした大人しい服装ではあるが┅┅

胸はしっかり主張しててお尻もハッキリ分かる

良く有るアニメの侍女さん服装では無くて腰はキュッと絞られフンワリスカートでも無い!


なんか色っぽいんだよなぁ?

綺麗な顔立ちで品がある

スタイルも良くて胸の出っ張りはEカップ確定!お尻も95はあるねぇ~♪身長が高く178?

これくらいのレベルじゃ無いと城勤めは無理なのかな?

なんか羨ましいねぇ~?


「凄い部屋ね!絨毯はフカフカで天井の絵も凄いわよ!」

「このソファーも特注かしら?贅沢な造りだよね?」

「王族が使う部屋や調度品はどれも国一番の物を用意されますから、この部屋は控えの部屋でしょう」


「流石シンシアは詳しいね?」

「ん?彼女はどこかの王族なのかい?」

「イエイエ!図書館で読んだからですよ」

「ああ!そうです!そうです!」

「フッ┅そう言う事にしておくよ、それと陛下に会うのは私と君だけだよ、彼女達はここで待機となる、そう時間は掛からないと思うがね」


「ほら!だから宿で待とうと言ったのよ!」

「だって王城なんて滅多に見れないと思ったんだもん!」

「ウフ♪見てみたいですよね?平民は決して入れませんから~♪」


只の観光でも中は入れないもんねぇ~まぁお茶やお菓子は高級品だし雰囲気を味わうのも悪くない


「ケンジ様とケンウッド様、どうかこちらに」

「ハイ!」

「アハハ♪緊張してるのか?」

「そうじゃ無いですよ、侍女さんに緊張したんです!」

「そうか?彼女は貴族子女だぞ?でも4女とか政略結婚から外れた子女だけどな」


へぇ~?じゃあこの城に勤めてる女性とかはみんな貴族なのか┅

そりゃそうか┅平民には無理なんだろうね

相手は貴族や王族だものねぇ~


「陛下!本日呼ばれて参上しました!こちらが冒険者のケンジです」

「┅┅どうもぉ┅ケンジです」

「ククク┅そうかソナタがエシャルナを助けた┅┅そしてお仕置きした冒険者なのだな?」ギロリ!


「お仕置きではなく躾です!言って分からぬ子供にはその責任を身に分からせる為の事をしたまで

理不尽な事を知らぬのは不幸でもあります!」

「そうか┅我が娘は理不尽な事をしたのだな?」

「ええ!そりゃもう!あんな滅茶苦茶な事を押し通そうとするのは余程甘やかされて育ったのだと承知したから躾を施しました」


「甘やかされてか┅」

「陛下?まだ挨拶が済んでおりませんよ?」

「おお!そうであった!

我が国王ケント・ブッシュ・リンデルンだ」 ブッシュって┅


「私は王妃アリリアよ」

「王太子のヨハネスだ」

「第一王女アンミラよ」

「┅┅第三王女エシャルナ┅」


「エシャルナは存じておろう?

お仕置きしたんだからな?

ヨハネスは次期国王と決まっておる、他に2人王子がおるが跡継ぎが確定したから王位継承問題等はないし起きないぞ?アッハッハハ!」

「この子が20歳になってやっと決めたのでしょ?最近よ!決断が遅いわ!困った王です事┅┅

ねぇ?ケンジ君で宜しいかしら?

アナタには感謝してるのよ?

エシャルナが聞き分けの良い子になってくれたのはアナタのお陰

あんなに我が儘だった娘を┅┅

でもアナタって女の子みたいな顔ねぇ┅┅ウフフ♪」


「はぁ?前は良く間違われましたね、今はそうでも無いですよ」

「のぉケンジよ?ソナタはあのドラゴンを1人で仕留めたと言うではないか、見た所は普通のステータスでレベルも高く無いようだが?」


「私のステータス表記は変わらないようです、ですから実際はどうなってるかは自分でも知りません」

「君のステータスを鑑定した者が言うには隠蔽したステータスでは無いらしい、しかしだ!君はAランクやSランクの魔物を倒してる

そのステータスでは不可能なんだよ、その謎も異常だな」


「そうでしょうね、俺にも分かりませんよ、でも強くなる為に日々鍛錬や努力してます

実際の能力はステータスなんて関係無いです

冒険者ギルドでも登録すればG級スタートですがそれが能力とはならないですからね」

「それはギルドとして改め無いと駄目な事だ、登録段階の能力で等級を決めないと問題しか無い

中々難しいよ」


個人の能力を知るのはそう簡単では無い、試験するにも手続きが面倒だ、本来は冒険者試験とかするのが良いのだが?


「冒険者希望者を試験してから登録とか出来ないですか?」

「ギルド全体でその試験を受け持つ者が揃うかだよね?

地方のギルドで果たして┅┅」

「冒険者にはいざとなった時に国の手伝いを頼むのだ

等級はキチンと把握して貰わねば困る、等級に相応しい者で無ければ冒険者達の処遇問題になるぞ」


「ええ承知してます、特にS級やA級はレベルと品格を重んじてます」

「えっと?S級のレベルってどれくらいですか?」

「今のS級は最高が200じゃ無かったかな」

「低いですね?たった200┅」

「ドラゴンのレベルが500から700と言われてる、今のS級では倒せないと言う事だ┅┅それを┅」


「ハッハッハハ!そうだぞ?ソナタは1人でドラゴンを倒すのだろ?

それもD級程度のステータスでだ!

クィーンサーペントもだ!あれもSクラスでレベル300は無いと無理だそうだな?

分かるであろう?ソナタの異常さが!

だから貴族共が取り込もうと躍起になるのは仕方のない事だ

そこでだ?フフフ♪この剣を抜いて見せよ!」


えっ!なんで?なんでこれが?

【聖剣エクスカリバー】

抜けと言われても┅┅抜けるけど


「王さ┅」

「ケントで良いぞ、畏まるなと言ったのだ、それにソナタはエシャルナの教育をした強者!

我でもあんな事は無理だ!」

「陛下!甘いですぞ!平民なのです!そもそも姫の事も不敬ですから!」


「不敬?そんな事は思うとらん!それにこのケンジが反旗をヒルガエしてみろ?この国は滅ぶであろうが!

仲間の事も暗部からの報告で知っておろうが!それと使役獣もだ!

そもそも不敬では無かろう?

まぁ良い!不敬罪と連座制の見直しを貴族院に頼んでおるがまだ決まらんようだな?」


「はい┅┅反対勢力が多くて┅」

「良い良い!王太子の儀において我自ら宣言するからな

不敬罪の撤廃と連座制の改定だ、それとアリリアからの願いでもある奴隷制度廃止もだぞ?

王の宣言によりこの国の正しき道を示す事にしたのだ」


「それは貴族派が反発するでしょう┅┅又頭の痛い事を┅」


どうやらこのケントさんとアリリアさんはマトモなヒト達らしいぞ

それに親しみが持てる

ケントと名で呼べとかホントに王さんなのか?

じゃあ仲良くしても問題無いな


「ケントさんで良いですかね?」

「それで良いぞ、さあ!その剣を一思いに抜いて見せてくれ」

「この剣が【聖剣エクスカリバー】って知ってるんですか?」

「その剣はエクスカリバーと言うのか?聖剣だろうと思ってたがな?しかしだ!

錆びてボロボロでは無いか?

聖剣がこのような姿になるとは思えんがな」


「はぁ~?その錆びれたのを抜けと言うのですか?」

「いやな?この剣は後生大事に宝物殿にしまってあって気にしてたのだ、魔剣は札で分かるのだがその剣は宝箱に大事に眠っておった

ソナタならどうにかすると睨んだのだよ」


「エクスカリバーは真の勇者しか扱えない代物ですよ?錆びてるのは全然問題無いです、抜いた者の体に取り込まれますからね

取り込まれたら聖剣召還で力を発揮します

光属性と聖属性を合わせた剣ですから魔人や悪魔は触れるだけで消えますよ」


「詳しいな?何故そんな事を知っておる?」

「俺は古代語やエルフ語、ルーン語が読めるし使えます

持ってる本やルタルニアの本にも詳しく書かれてますよ」


アニメやラノベで良く知ってるもんねぇ~♪


「なんと!ルタルニア語が読めるだと!では原初古代語に中期、後期古代語が全て読めて使えるとは┅┅」


「でも抜きませんからね?もし抜く事が出来たらこの城から出さないでしょ?

勇者とか言われたら町を歩けなくなりますよ!

目立つのは嫌なんです

それに今の世に勇者は必要有りませんし、大体魔王とか存在してないですよ?

魔物の王は100年周期で現れますが魔物の王様です

ヒト形かドラゴン姿かゴブリンかは分かりませんが所詮魔物です

対処出来るでしょう」


「そんな事も知ってるのか?それは国の重要極秘事項だぞ?

他に何か知ってたら話せ!」


「そうですね┅そうだ!帝国は獣王国に敗れ領土をかなり取られるでしょう

そして足掻いて勇者召還をするかな?

まぁ勇者召還は30年近く後ですが、その時に魔物の王が現れます

多分魔物の王を魔王とか言って騙して勇者を使うでしょうね

そして各国に戦争を仕掛けるでしょう

出来れば帝国を早く潰す事をお勧めします

今の帝王は魔人に操られてるようです

時期が来たら入れ替わり魔人が帝王となるでしょう」


「それは真か?魔人が存在するのか?帝国はどうなってるのだ!」


「ええ居ますよ、フィンゲル子爵領のアリアダンジョンにバンパイアと魔族の娘と居ましたからね」

「なんだと!魔人ばかりかバンパイアに魔族だと!そんなのは聞いて無いぞ!」

「おかしいな?ちゃんと冒険者ギルドと衛兵さんに報告したし、魔族の子は子爵へ届ける様に言ってありますよ」


「シャルドよ!聞いたか!フィンゲル子爵から報告は!」

「何も来てません」

「ギルドにもそんなの報告されてませんね」


「まぁあの子爵令嬢を見れば親の子爵がどうなのかは知れてる

恐らく魔族の女の子は可愛くてスタイルも良いからモノにするとか考えてるのでは?

魔人からの洗脳は解いてますから普通の魔族の女の子です

でも無理強いされたらどうなりますかね┅┅魔族の能力は高いですよぉ?フフフ」


殺されるかもな?しかしだ!娘も娘だが親も親だね?

自分家のダンジョンに魔人やら何やらいたのに報告無しとは┅┅


「ではこちらから暗部を送り厳重に調べましょう、その魔族はこちらへ?」

「当然だ、魔族の生き残りだぞ?大事に保護せねばならん┅┅

話をして問題無ければケンジに任せるが良い、なっ?ククク」


「ええ!俺が?押し付けですか?」

「何を言ってる、発見者だから責任を取るのはソナタだ!

しかし勇者召還だと?禁忌術に手を染めるか┅┅」


「王国でも召還とか出来ますか?」

「否!あの術は創造神様が邪神対策として500年前に帝王へと降された術なのだ

もう使えぬと思っておったがな」


やっぱりか、ここはアニメとかと同じだとは┅┅

でも神の承認無しだと欠陥勇者じゃ無いのか?


「その召還は神が認め無いで呼ばれた者達ですよね?

欠陥勇者では無いですかね?

俺の知ってるのは異世界召還の時に次元の壁を越えるその時に強力な能力を得るとか

しかしその前に神からスキルや加護を受けるのが正式だそうです」


「ならば神からの恩恵無しでその次元とやらの壁を越えた時の能力だけで来るのだな?」

「ええ、ユニークスキルと言うこの世界に無い能力です」

「それは恐ろしいな┅┅」


ユニークスキル、これはそう脅威では無い、何故なら神の恩恵が無いのだ、個人特有のスキルで願望に近いスキルだとか?

俺にはユニークではなく固有スキルが多く有る

そしてギフトがユニークより強大だ、まぁ固有スキルがユニークなんだがねぇ~♪


「ふぅ~もっとケンジの知識を聞きたいが旅立つのだな?

そうだ!この剣はソナタにやろう、有っても邪魔だ」

「そう言う事なら頂きます、お礼では無いけど俺も邪魔な物を差し上げますよ、この辺りで良いかな┅┅」


そう!ルタルニア財宝の売れない代物!あの王冠とか煌びやかなネックレスとか装飾品をどっと出した、オマケに宝箱も┅┅


「これは?」

「ルタルニアの財宝ですよ、宝物殿に眠ってた財宝はハールニブル王の遺言で総て俺の物になったので収納してます

でもこれは売れなくて困ってたんですよ、ご先祖のお宝なら王族へ渡したが良いかなって」


「なんと!ハールニブル王からの遺言とな?┅┅┅確かにルタルニアはこの王国と帝国の祖だ

そしてハールニブル様は我がご先祖、その宝とは┅┅」

「ウフフ♪このネックレスは素敵ね♪でも重いわね┅これはどうかしら?」

「お母様?それよりこちらが」

「父上!この宝剣は!代々受け継がれる王家の紋章ですよ!凄い!」


ささっと来て物食為さってますね?やはり光モノはお好き?

抜け目無いですねぇ~♪


「はぁ~マッタク┅┅ケンジよ?これを売れば莫大な金になるのだぞ?それを渡すだと?」

「ええ、売るにしてもバラさないと売れませんよ?面倒でしょ?

それに宝石はこの国に無いものも含まれてます

ならば処分したがスッキリすると言うものです

それでですね?この品は聞いてからと思って」


箱に入った玉が3つ【霊玉】だ


「それはなんだ?」

「霊玉と言って何かを封印した玉です、精霊宝玉と違い精霊では無いですね」

「ふ~む?精霊宝玉は宝物殿に何個か所蔵してるがその玉は見た事が無い」

「鑑定しても分からないんですよ、封印されたとしか出ません」

「そんな訳のわからんのはケンジが持っておけ、他は無いか?」


「スキルオーブはケンウッドさんに魔法スクロールはガルムさんに売りました、魔剣と聖剣は貰いましたし後は?ああ!卵ですかね」


「卵があるのか?それは何の卵だ」

「さぁ?孵化しないと分かりませんよ」

「じゃあそれも持っていけ!それとガルムから金塊や銀塊、白金プラチナの話が来てるが?

どうせソナタの財宝であろう、王宮としては助かるから全部売るんだな」

「あれはルタルニア通貨を塊にした奴ですよ、通貨がこの部屋一杯くらい有りましたから」

「オークションに出たのはそれだったか┅┅フフフ♪ならば面白い事になるな?

ガルムと相談して上手くやれよ

ガッハッハハ!愉快だ!」



と言う訳で邪魔だったお宝は総て無くなった、助かったぁ~♪

マジックバッグは沢山有るから要らないだってさ

残るは金貨等の通貨だねぇ┅┅

ガイスさんには魔物を入れたマジックバッグを預けてる

そう!あの邪魔なSクラスとかAクラス魔物をタップリ入れたバッグだ!


ワイバーンも30匹は入ってる

ガイスさんの裁量で買い取りと解体を頼んでる

代金は口座に入れてくれる手筈だから安心だ

そのバッグは特大の時間停止機能付きだがガイスさんに挙げる事にした、世話になるからね~♪


ケントさんとシャルドさんは執務が有るからと下がったが┅┅

俺だけ王妃アリリアさんに捕まった?王女2人も!なんだ?

ヨハネス君は同い年だが目をキラキラして話がしたいと詰め寄る!


なんだ?王族ってBLとかなのか?

お尻大丈夫かな?トホホ┅┅



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る