スペンデル伯爵領都スペンサー町 Ⅰ

「はぁ~参った┅┅」

«ククク!主も気が弱い事を、奥方様達は納得されたでは無いか»

「フン!なにが奥方様だ!まだ婚約者!その内愛想つかされてバイバ~イとか言われたらどうする?」


«まだそんな事を!主!いい加減自信を持たれよ!まったく!それともっと勉強する事をお勧めする!何故ならこの世界の常識不足ですぞ!

あのステータスに有るスキルやギフトを全部理解してないでしょう?それとアフロディア様に会われたら聞くと宜しい

何故11柱の神々が世話をしてるのかを»


「そうなんだよなぁ~なんであんなに神が世話するんだマッタク!余計なお世話だよ、俺は普通にこの世界を楽しく暮らせたら良いだけなんだよ」

«┅┅┅余計だと?ハァ~これは私では無理だ、やはりシルフィ殿に任せるか?»

「シルフィなら伯爵領の町を見てくると言ってたぞ、確かスペンサーとか言う町だったな」


«伯爵領の領都です!そうでしたか┅┅主の王国初めての町です»

「そうだよ!初めての町だよ!どんなかな?帝国の町とは違うだろうなぁ~」


昨日は凄く疲れて早々と寝てしまった┅┅┅┅全員

ショックだったのか?朝起きたら3人は各々の部屋で寝てたんだ

うう┅!朝の楽しみが!

おっぱいの感触無しは寂しい┅┅とても┅┅おっぱい依存性?


荷物の整理もしたからスッキリ!

でもまだルタルニアの財宝は処理仕切れて無い

多すぎ通貨に装飾品の数々、そして増えてしまったマジックバッグ


ルタルニア製マジックバッグがポロポロと出てきた

とても性能が良くて無限収納で時間停止機能付き

なんと言っても1つだけ時間操作機能付きってのが有った

時間を進めたり戻したりする事が出来る機能って?


ドラえもんの袋じゃないんだから!なんでもありかよ!


このマジックバッグは俺が持つ事にした、利用する回数が多いのは俺だから!


結局このルタルニア製マジックバッグを使う事になって今までのは倉庫とした

そして余ったのはフェルとエリザ専用を与え他は予備

それでも多い、売れば凄く高いだろうが金には困ってないからプレゼント用ってのも良いかも?ね?


「後どれくらい?」

「夕方には着くよ」

「じゃあ久しぶりの宿泊まりね♪お風呂付きは譲れないわよ♪」

「ウフフ♪フェリスもスッカリお風呂好きね?」

「だってケンジが毎日2回も入るんだもん!好きになるわよ」


「私はお風呂の習慣が無くて┅でも好きになりました、とても良いですよねぇ~♪」

「エルフは風呂習慣は無いの、でももうお風呂無しは考えられないわね」


風呂の拘りは日本人ならでは!シャワーだけってのは無理!

お湯に浸かってハァ~と言うのが醍醐味なんだ!フン!


目の前に城壁が高くそびえる

高さ15mは有るだろうか?


領都スペンサー 人口 25万人

町の中も城壁で仕切られ4つの区域に分けられてる

東西南北に分けられた区域は広く先々第の伯爵からだそうだ


何故分けたのか?それは付け足したからだよ!

最初は小さな町でヒトも少なかった、それを徐々に広げヒトが増え城壁を作り直さず足して行った結果だとか


北が旧市街で南が新しい区域だそうだ

今は中心部に領主屋敷が構えていて四方向に行ける屋敷

中々のやり手らしい

一夫多妻だから奥さんが3人と側室が2人だとか┅┅お盛んですな


子供も各々が産み男子3名女子5名と子沢山、これは普通だとか?

貴族ってのは絶倫なのか?


因みにこの国の王はもっと多くの女性を相手してるとか┅┅?


リンデルン王国

ケント・ブッシュ・リンデルン

ヒト族 52歳 国王

アリリア・ブッシュ・リンデルン

ヒト族 38歳 王妃


ヨハネス王太子 20歳 次期国王

アンミラ王女 18歳 未婚


ケント王には3人の王子と5人の王女がいるそうだよ

この王子3人ってのは曲者だな┅

王太子が次期国王と決まってるから大丈夫だと思うが┅┅

世継ぎ争いとか嫌だからね!


『早く町に入んなさいよ!折角調べてあげたのよ!』

「分かってるって!でも並ばないと駄目だろ?」

『そうじゃないわよ!湖でノンビリしてこっちに来なかったじゃ無いの!待ってたのよ!』

「シルフィ様?」

「ああ、湖でノンビリしてたのを怒ってるんだよ、別に待って無くて良いのにな、この列の長さなら2時間は掛かるね」


「仕方ないわよ、領都だもの」

『宿は【静流亭】よ!この町で3番目の高級宿!』

「なんで3番目なんだよ?」

『フッフン!それは行って見てのおたのしみよ!3番目と言っても1日金貨5枚だからね!』


「金貨5枚はお高いですね」

「4人だと20枚!たか~い!」

「20枚だと普通のヒト族が働いて1年では稼げ無いわよ」

「確か1年間で金貨5枚だったよな?でも冒険者ならもっと稼ぐんじゃ無いか?」


すると前と後ろに並んでる冒険者らしいグループから声が飛んだ


「おいおい!知らねぇっては怖いねぇ!冒険者でも下位だと年間3枚が良いとこだぞ!」

「そりゃC級以上ならもっと稼ぐだろうな、しかしよぉ?D級ならダンジョンでガッポリ稼いでる奴等もいるぜ」


「なんにせよG級やF級は精々稼いでも金貨3枚だろうな」

「そうそう!それに死んじまうのもF級が多いぜ」

「ダンジョンでも無理する奴は早死にだぞ?」

「無理しないとお金にならないわよ」

「かぁー!冒険者家業もピン切りだぜ!」

「ウフフ♪才能有る冒険者はさっさとB級やA級に昇るわよねぇ~」


「まったくだ!それに金も女も取り放題!なんで才能無しなんだかなぁ┅┅畜生!」

「あんたは欲が深いだけよ、今でも十分食べてけるでしょ?アハハ」


┅┅┅なんかすいません


「順番が来たわよ!」

「おっ!もうそんな?」

[次!]

「ハイ!これがカードです」

[商業カード?4人全員だと┅]


そうだよねぇ~娘3人が商人ってのはおかしいよねぇ~


[アハハ!そうか!これは帝国のだ、良く逃げて来れたな?じゃあこの国では冒険者登録するのか?]

「ハイ!帝国では嫌だったので」

[そうだろう!そうだろう!帝国で冒険者登録なんてしたら戦争に狩り出されるからな、良い判断だ、ヨシ!通って良いぞ!]


いやぁ理解有るんだな?

そんなに逃げて来るのか?帝国も終わるね!アハハ!


「見て見て!やっぱりあのヒト達冒険者よ!向こうがギルドなのかな?」


フェリスが言う通り、あの冒険者達は門を出たら同じ方向に歩いてる

しかもあれはボアかな?体格が良いヒトが背負ってる、収納?

持って無いんだろうなぁ


『ホラ!こっちよ!さっさと行きなさいよ!』

「そんなに急かすな!大体シルフィは町に入らないって言ってただろ?」

『それは帝国の・ハナ・シ!この国は精霊や妖精を尊ぶの!フン!崇めなさい!』

『ハァ~やっとバッグから出て来れましたぁ~』


「ニア?どうしてバッグなんかに?」

『うう~シルフィ様が私達を試すとか言ってバッグに押し込んだんですぅ~』

「シルフィ!お前は!」

『ヒャア!ご免なさい!だって面白そうだったから┅』

「あのな!マジックバッグは生き物は入れないだぞ!死んだらどうする!マッタク!」


『だって精霊や妖精は生き物とは違うから┅┅』

「ん?そう言えば┅┅」

«クク!シルフィ殿が言う通り!妖精は生き物では無い!我ら聖獸や神獣は決してバッグには入れんが妖精は大丈夫だ、しかし黙ってると出る事は無理だがな»


「そうなんだ!妖精と精霊は入れる!シルフィ!罰だしばらく入ってろ!」

『┅イヤだ!プン!知らない!』


ヒュ~と飛んで行った

やれやれ困った奴だ、我が儘娘はどうしようも無い


「ニア?チト?リリ?どうも無かったか?」

『『『ハイ!』』』

「宿に着いたらスイーツをあげるからシルフィを許してくれよ、お腹空いただろ?」

『ウフフ♪妖精はお腹空きませんよ、でも食べるのは好き♪』

『スイーツ♪楽しみ♪』

『ケンジ様┉┉好き♪』


カワイイから良いけどハダカなんだよなぁ┉┉リリのおっぱいはプルンプルン┉20cmだけど迫力あるおっぱい!お尻も┅┅眼福♪


【静流亭】フムフム┅┅

控えめな門構えに質素な看板

これは良い感じ♪


「たのもぅ!」

「ハ~イ!いらっしゃい!」


ムムッ!小柄な美少女!でもおっぱいふっくら!お尻も!


「お泊まりですか?」

「ええそうよ!4人だけど良い?」

「どうぞ中へ♪」


彼女はエルフ少女で看板娘らしい

スッゴク可愛い顔立ちは流石エルフ!でも鑑定したらハイエルフ?

やはりハイエルフは隠すんだね!


「いらっしゃいませ、女将のシーファと申します、この宿は見ての通り従業員全員がエルフ族ですが宜しいでしょうか?」

「えっ?どうして聞くのですか?」

「帝国のお方は亜人主がお嫌いですから┅」


「アハハ!そうでしたか、でも俺達は帝国の者ではありませんよ、彼女はエルフ族、こちらは獣人です、それに俺達は帝国が嫌いでこの国へ来たんです」


「まぁ!失礼ですが┅奴隷では無いのですね?」

「ええ、首輪も奴隷紋もありませんよ?」

「これは!大変失礼しました!なんとお詫びしたら良いのか!」

「大丈夫です、でもどうして帝国の者だと思ったんですか?」


「それは馬車の馬を見たからです、王国ではスレイプニールや魔物を引かせません、あれは帝国でしか見ませんから」

「そうだったんですか、それは勉強不足でした、でもあの子達は大切な仲間ですから┅」


「ウフフ♪仲間ですか?お優しいのですね?帝国のお方は馬や彼等をモノとしか扱いません、まだまだ未熟者でした」

『なんだい?やけに賑やかだと思ったら┅┅┅』

「お母さん?どうしたの?」

『アナタは!アナタ様は!まさか!そんな!あり得ん!』


「もう!お母さんったら!失礼よ!すみません!重ねがさね、こちらは大女将でして母です」

『┅┅┅わしゃ大女将のシルシャじゃ┅┅しかし?良かったら話をしたいのじゃが?』

「ではお部屋でどうですか?まだ決まってませんが」


「あのですね?出来れば1部屋で広くてお風呂が有ったら良いなぁなんて」

「そんな無理を言うなよ、2部屋で良いだろ?」

「ええぇ!だって一緒が良いじゃ無い!」

「私も一緒でお願いします」


「それでしたら少々お高くなりますがご希望の部屋がありますよ、1人金貨10枚で宜しいです、散々失礼しましたから」

「本当は幾らなんですか?」

「金貨15枚です┅┅」

「ではそれでお願いしますね」

「それは駄目です!金貨10枚!40枚です!」


「はぁ~では3日分で120枚です」

「┅┅┅┅┅┅確かに」

『ほぅ~?珍しいのぉ、では部屋で話そうかの?フォホホ!』


看板娘はシーファさんの1人娘でシルニヤちゃん13歳

ソフィアが言うにはハイエルフの13歳は貴重だとか

シーファさんは158歳でシルシャ婆ちゃんは650歳┅┅すげぇ!

そして従業員はエルフの方々、ハイエルフは女将さん達だけでした

ダークエルフはいなかった


「お母さん!こちらは来られたばかり!部屋で寛ぎ頂かないと駄目ですよ?」

『仕方ないのぉ、それでは後にするか┅┅』

「後でゆっくり話しましょう」


きっとソフィアの事だろう、だってハイエルフだから遠い親戚かも知れない┅┅


部屋は凄い豪華でこれはスィートルームだと思ったね!

内湯があり部屋も仕切られベッドが5個、居間は大きなソファーと小さなソファーの4点セット

ちゃんと食事用テーブルが設置された区画割り

窓からは町の様子が良く見える


「広場の噴水が見えるね」

「向こうに教会があるわよ」

「あちらが商業地域でしょうか?馬車が多く行き交ってます」


ここから良く分かるのは助かる、あの湖から2日で来たのは夜通し走ったから┅┅ゴメン

アンとリンが大丈夫と言うのでつい甘えた、後で果物を沢山あげよう!


風呂に入り身綺麗にしたら女将さんとお婆ちゃんが来た

シーファさんは流石ハイエルフで歳はまだ30歳前に見える

お婆ちゃんも若いのか?80歳くらいに見える、流石にねぇ┅┅?


「失礼します、どうですかお部屋は?」

「とても良いですね!ありがとうございます」

「宿帳の記帳は?」

「済ませました、これです」

「ご丁寧にありがとうございます

商人ですか┅えっ?全員?」

「それは身分証の為です、彼女達はお手伝いくらいですよ」


「そうでしたか┅帝国では苦労されたのですね?あの国ばかりは┅┅」

『もう良いじゃろ?お前は下がってなさい』

「はい┅┅失礼無い様にお願いしますよ?」

『ええい!早う下がれ!これから大事な話があるのじゃ!』

「ハイハイ!それでは失礼します」


凄い剣幕!流石長老さん!それに化け物だ┅┅魔力800000って?


『┅┅ルナルシャ様!ご無事で!』

「「「「えっえぇぇええ!」」」」


『儂がうっかりしたばかりに離れ離れになってしもうた┉┉どうかお許しくだされ!』

「貴女は彼女のお世話をしてたんですね?」

『フン!ヒト族の小僧に話しは無いわ!控えておれ!姫様と一緒だなどと自惚れるな!小僧ゴトキに勿体ない事じゃぞ!』


「えっと?シルシャさん?何か思い違いでは?」

『いえ!儂の目に間違いなどありませんぞ!姫様が国を追われてから儂がずっとお世話したのです、もう随分と年月が経ちましたが忘れもしません┅┅それに姫様はずっとお若いままで┅┅綺麗におなりに成って┅┅』


「どうか顔を上げて下さい、確かに私はルナルシャですが棄てた名前です、今はソフィアですよ?それに姫等と、もうそんなモノは無いのです、私の国は無くなったのです」


『それは違いますぞ!エルフ国は姫を未だに待っておるのじゃ!そして女王と成られるのを期待する者が沢山おりますぞ、帝国に攻められ第一皇女様は亡くなり王妃様も帝国へと連れて行かれた、今は永き時を女王不在なのじゃ、どうか戻られ国をお助け下され!』


「ウフフ♪┅┅嫌です!私は捨てられたのです!そして追放された身、何故今更そんな事の為に帰らなければいけないのです!

シルシャさん?貴女は何故ここで宿をしてるのですか?

シーファさんは娘さんですよね?それにお孫さんのシルニヤちゃんはハイエルフではないですか?男のハイエルフは少ないですよね?それをこの国で?」


『そ、それは┅┅エルフ国は帝国の属国となりかつての繁栄は無くなったのじゃ┅あの世界樹様も見放されて枯れてしもうた┅┅

だから儂は国を出てこの地で生きる覚悟を決めたのですじゃが┅

まだあの地で復興を願う者が多く居るのも事実、世界樹様無き後に国をどうこうと可笑しな話しですが諦め切れん者が┅┅┅』


「世界樹様が!枯れた!それは本当なのですか?あっぁぁああ!世界樹様が!」

「ソフィア!しっかりしろ!」

「ソフィア!駄目!しっかり!」

「ソフィア!」


バタン!と気を失い倒れたソフィア┅┅エルフ国の世界樹が枯れてた?はぁ~厄介な事を┅┅

これって森の世界樹案件でないかい?

だから呼んだの?シルフィや~い!戻ってこぉ~い!

ニアはなんか知ってるのか?


『ご免なさい!何も知りません!モグモグ┅┅美味しい♪』


はぁ~すげぇ面倒事みたいな感じだけど?

この婆ちゃんがどれだけ知ってるのか?

ソフィアはどうするのかな?

困った┅┅┅┅困った┅



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る