第二章 王国冒険者

リンデルン王国

起きてから俺はソワソワしてた

ここで統べてを話す事に決めてソフィアとフェリスを自由にすると決めた

そう!奴隷を解放する

奴隷紋を消す事は前に見て覚えたから問題無い

それに帝国から出て王国に入るから尚更問題無い


彼女達は俺とずっと一緒でいてくれると言った

ならば誠意として奴隷は不要だ

俺の気持ちも嫌だから┅┅


「3人に話があるんだ┅」

「深刻な話し?」

「何が有ってもついて行くと決めてるからね」

「私はケンジ様の従者です!」


「イヤイヤ!そう身構えないで欲しいよ、少し長い話しになるからね」

「ウフフ♪そうよね、今更よねぇ~」

「でもなんで今なの?」

「なんでも仰って下さい!」


「お茶を飲みながらゆっくり話そう、おまえ達も一緒だぞ」

«ブヒッ?なになに?»

«聞くけど┅»

«フフフ♪いよいよね?»

«ククク主の決意ですかな?»


そんなに深刻な顔をしてたかな?

まぁ良いや┅┅


「最初に俺の正体を話そうか?俺は異世界人と言われる存在なんだ、こことは違う地球と言う星に生まれ育ち38歳まで生きてた

勿論家族も持って子供も2人いたんだ


それが神の間違いで死ぬ事になって創造神のガルーダから加護を得てこの星に転生した

この星の管理者アフロディアに能力を付けて貰い色々と世話になったんだ

死の森グランバルに降り立ちこの姿を得て18歳の男になった


その時にアフロディアからも加護を得て精霊や妖精とも仲良くなったからか精霊王からも加護を貰った

神とは教会へ行けば会えるんだけどまだ行って無いよ

でもガルーダやアフロディアや他の神々は何時でも見てるみたいで皆の事も知ってる筈だ」


全員がポカ~ンとして口を開けて驚いた顔をしてる

エリザとクロが驚いた顔をしてるのが面白かったよ


「死の森でアフロディアが住む場所を用意してくれてそこで3年間鍛練と勉強して能力を磨いた

あの森では魔物が多くデカクて強かったけど倒せる様になったんだ

書物と本はとても貴重な物でこの世界で失われた物を理解した


魔術と魔法は昔より弱くなってるようだし扱いも間違いだらけだった

3人に教えた事は昔は普通だったんだよ

誰もが魔法を使え魔術は新しい可能性を実現していた

魔大戦後の世界は争いが無くなり魔物も死の森から出なくなって武力は必要で無くなったと判断した結果が今の状況らしいよ


俺がこの世界に来た訳はそんな無様な話しなんだ

使徒とかじゃ全然無くて神々からのお詫びで余計な能力が付いてしまった

だからまぁ俺としては普通に冒険者として暮らして静かな生活を望んでる


時には旅して見て周りこの先家族を持って子供も育てたい

ソフィアとフェリスの事は贅沢な話で2人を嫁にと思ってる

シンシアはまだ復活して世の中の事を理解してるとは思ってないから嫁とか考えられない

これも失礼な話しなんだけどね


普通は一人の嫁と暮らすんだろうが2人を同じ様に好きで愛してる

こんな俺が嫌なら仕方ないと覚悟はしてる

異世界からの中身は38歳、今は41歳かな┅

ヒト族の41歳って爺さんだからねアハハ

こんな俺が話せる資格なんて無いけど正直な思いなんだ


俺に2人を幸せにできるのか?こんな男で良いのか?なんていつも思って情けないんだ┅┅」


喉がカラカラで額から冷たい汗が流れてる

こんな男が何を言ってるんだ!

二股を承諾しろって言ってるんだぞ!馬鹿か!

これは甘えだな┅┅ラノベとかアニメで一夫多妻が当然だと思ってる┅┅

ハーレムは異世界人の常識だと決めてる自分に吐き気がして来た


下衆な人間なんだよ┅┅

後悔しない生き方を欲して巧く立ち回ってた前世

中学生から性欲が強くなって隠れてエッチビデオばかり見てた

スマホには違法サイトのアプリを探してサイトをいっぱいタウンロードしてた


高校生になるとエッチ出来る子ばかり狙ってた┅

しかしモテない君の俺は恋人なんて作れなくて次第に2次元世界に没頭したんだ

嫁になった彼女は高校の時に出会い決めた相手で高嶺の花だった


大学に進んで直ぐにサークルの女の子と初体験したがあれは恋人とは言えず半ば強引な結果だった

だから1度だけの関係で終わった


そして俺が商社に受かったらマドンナ的存在だった嫁が態度を変えて近付いて来た

そして卒業して就職したら直ぐに結婚した、そして子供が生まれた


今思えば独り善がりで自己満足の生き方だとわかる

今も余り変わらないか┅┅


死んだと分かった時に凄く後悔した┅┅

あれをやっとけばとか?

もう少し巧くやれたんじゃないか?とか

嫁は幸せだったのか?子供達は?

そして俺は望みを叶えたのか?

親は早くに死んで親戚をタライ回しされたが爺ちゃんと婆ちゃんに引き取られてからは幸せだった


爺ちゃんは頑固者で武芸に秀でていたから鍛えられた

虐めじゃないか?と思った程だ

婆ちゃんは女の子が欲しかった様で俺に料理や裁縫とか生け花なんか教えてくれた


でもそんな2人も亡くなって1人になった

大学に親戚が来て爺ちゃんと婆ちゃんの遺産を寄越せとか騒いだけど婆ちゃんが上手く弁護士さんと話してくれてたから撃退できた


その遺産で大学を楽に卒業できたし生活も不自由なく過ごせた


そして訳も分からず死んでしまったんだ

後悔ばかりの人生だった┅┅


「┅┅ケン┅┅ケンジ┅ねぇってば!」

「もぅ!しっかりして!」

「またどこかに行ってたんですね?」

「あっ!ごめん!どこまで話したかな?」


「ふぅ~!驚く事ばかりを聞かされ何がなにやら」

「異世界人だったのは合点が行く話ね、それよりアフロディア様やガルーダ様と仲良しで他の神々様ともなんて┅┅」

「まるで神話のお話しですね?精霊王様とも面識があって加護まで┅┅ケンジ様の周りに精霊さんが集まるのはそんな事でしたか」


「シルフィはとても良く助けてくれたんだ、上位精霊で能力が高い彼女は精霊の事や妖精の事も教えてくれた

なんで彼女達が俺に優しくしてくれるのかは分からないけど助かってる」


「あのキラキラがそうなのね、契りを結べば私も見えて話せるのよね?」

「私もフェリスもアナタの嫁になる事は当たり前だと思ってるわよ?ずっと一緒に生きるって決めてるの」

「私もですよ!いけにえから救ってくれて訳の分からない世界で優しくしてくれたケンジ様を好きになるのは当然です!

それにこの身は既に捧げてます!」嫁にしてくれないと困ります!側女でも妾でも愛人でも良いのです!どうか一緒に居させて下さい!」


シンシアの剣幕がすごいな┅

はぁ~だから困るんだよ

こんな俺が3人も相手に出来るのか?

スケベで女好きで自分勝手な俺がだよ?


「そのぉ?異世界人なのは良いのかな?」これもズルい!けど!


「何があっても構いません!ケンジ様を愛してる事に変わり無いのだから」

「ウフフ♪そんな事で何も変わらないし話してくれてもっと好きになったわ」

「一生付いて行きます!」


「はぁ~じゃあ俺の正体は理解して納得シテくれたんだね?」

「「「ハイ!」」」


「これからも俺は皆に迷惑掛けるかも知れないけど良いかな?」

「「「勿論!」」」


「それじゃあソフィアとフェリスの奴隷紋を消すよ」

「えっ!それは駄目!」

「奴隷紋を消すって┅捨てるの?」

「違うよ!何言ってるんだ!2人を奴隷として買ったのはあの時はそうする事が最善だったからだよ

今は2人共俺の事を信用してくれてるし俺もだ

奴隷でいる必要なんて無いんだよ」


「多分ですがケンジ様の前世では奴隷がなかった筈です、だから奴隷を拒否されるのでは?」

「シンシアの言う通りで奴隷は駄目な事なんだ、犯罪だったんだ

それに金で売り買いするなんて受け入れられないんだ」


「それなら分かりました!でもこの世界では奴隷は救済にもなるの、借金奴隷はそれで助かるのを知って欲しいわ」

「私は早くから奴隷として売り買いされたけどそれは獣人だからよ、この世界では奴隷は当たり前の事、それにケンジ様はこの世界で生きて行くのだから受け入れ無くては駄目」


そうなんだよ、それは分かってる

命が軽く身分制度がある世界

弱肉強食が罷り通るし力が意見を押し通す


弱ければ死ぬし誰も耳を貸さない

そんな世界で生きるんだからこの世界の常識を身につけないと迷惑しか無い


「うん、これでも勉強したし受け入れてるよ、もっと常識をつけないと駄目なのも知ってる

頼るかも知れないけど教えて欲しい」

「ええ!そのつもりよ!」


そして無事に2人の奴隷紋を消してホッとした


「これからはケンジ様は辞めて欲しい、ケンジと呼んで欲しいんだ、もう主従では無いからね」

「うう┅慣れる様にするわ」

「そうよね?ケンジと呼んだが嫁らしいわ♪」

「私には無理です┅だって従者ですから┅」

「じゃあシンシアはケンジと結ばれたら従者は辞めるのよ」

「結ばれたらですか!ヒャアー!」


真っ赤って┅今更?


そうなるとこのフニャフニャが問題だな┅

そりゃあ早く結ばれたら┅ムフ♪

はぁ~何時になるやら┅┅


話す事を全部話して奴隷問題も無くなった

なんだかスッキリして体が軽い

王国とはどんな国なんだろうか?

ワクワクとドキドキしか無い!

そして冒険者デビューだ!


冒険者になると決めて早4年近く

商人としては先ず先ずの成績だから金には困らない

じっくりと冒険者して錬金術ももっと覚えて異世界を楽しく生きよう!アッハッハハ!


それからの道のりはとても速く出てくる魔物も3人がレーザーショットで簡単に倒して行く

まぁ最強の魔法だから魔物クラスなんて関係無くて┅┅

BクラスやAクラスもジャンジャン収納してる


俺はあの金貨、ルタルニア金貨や銀貨とかを錬成してインゴットをせっせと作り替えてる

使えない通貨が多すぎる!

宝の持ち腐れだけは避けたい!

延べ棒にすれば売れると確信してるからね~♪


もう少し行くと王国の関所に辿り着く、その先に町があって誰もがその町で食料とかを補充する

俺達には必要無いから寄らずに先の大きな町を目指す

王都までは幾つかの領地を通るからその領都しか寄らない事に決めたんだ



最初の領地は伯爵領で領都は大きいらしい

でも冒険者登録は王都のギルドでしたいから買い取りだけかな?

商業ギルドと薬師ギルドにも買い取って貰い荷物を減らそう


スペンデル伯爵領で幾らかこの国が分かるだろう┅┅




『どうしてブリザードドラゴンに名前なんてつけるの!

ヴィーナスなんて良すぎるでしょうが!

しかしこれ程の運とは┅┅

もう!ガルーダ様のやらかしは手に負えませんよぉ!

益々ケンジが強くなるじゃないの!それにもうすぐフニャフニャが覚醒するって言うのに!

私は地球に慰安旅行に行きますから!温泉で寿司三昧!フン!』



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