右園死児報告甲 報告三号 汚染水流内生物
報告案件 汚染水流内生物
報告者 朝倉光雄(ブラインドクーガー)
聖域内に存在するものはほぼすべて腐敗、腐食している。水も同様である。報告者は聖域から一キロメートル離れた地点で地面を這う水流を飲用水として用いようとしたが、その悪臭と水中から聞こえるささやき声にすんでのところで思いとどまった。
水を携帯検査キットで調べてみると、無数の新種微生物を確認。体長〇・二ミリメートルほどの魚が、すべて報告者を凝視していた。魚のささやき声を録音、増幅するも、人類史上に存在しない言語であり、解読できなかった。
微生物の混入した水の流れをたどると、聖域内からの流出であることが判明した。報告者はのちに軍のキャンプに合流し、滅菌水の金属ボトルを入手。聖域外から聖域内の坂道に投げ入れ、転がり戻って来たボトルを回収、検査。密封された滅菌水内には、魚が発生していた。
聖域の災害誘引力が魚を無から発生させると思われる。聖域を通った水流は飲用してはならない。水の流れをせき止め、海洋への流出を防ぐのだ。調査工事部隊の編成を強く要請する。
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