右園死児報告甲 報告二号 おわりの巨人
報告案件 おわりの巨人
報告者 綿野健(まどいの巨人・めざめの巨人)
金輪部隊を支持しながらも、金輪部隊に入らず、自由意志を保ったまま民間人を襲撃する集団がいる。かつての宗教法人まどいの巨人、めざめの巨人の系譜を受け継ぐ終末論者団体、おわりの巨人である。
おわりの巨人構成員は総勢五〇〇〇人ほどと考えられ、エツランシャと金輪部隊が我が国を滅ぼし、かつすべての人民を殺戮し尽くすことを望んでいる。すべての人民には彼ら自身も含まれ、金輪部隊に処刑された者は聖人として始祖教祖(まどいの巨人教祖)のいる巨人宇宙軸に導かれると信じている。
過去の二宗教に輪をかけて荒唐無稽な教義内容だが、構成員の多くは生き埋めにされためざめの巨人信徒の家族関係者だ。軍部の虐殺への報復として入信した者が大半と思われる。彼らは脳髄の形をしたヘルメットをかぶっていて、キューピッドの使う弓矢をイメージしたボウガンを持っている。
ふざけた装備だが、ボウガンは狩猟用のものをベースにしているため殺傷力がある。おわりの巨人信徒は金輪部隊化していない民間人を襲い、拷問する。拷問時に問われることはひとつ。『反省しているか』。どう答えようと最後には脳髄を摘出される。
金輪部隊に襲われる側でもあるため、いつかは壊滅すると思われるが、潜伏性の高いもと軍人の信徒もいるため予断を許さない。聖域の付近で死亡した信徒には軽微な右園死児的変化が起こった者もいる。注意されたし。
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