右園死児報告

報告三三号 国家文書・議定書

報告案件　国家文書・議定書

報告者　国家保安調査局

　かねてより右園死児の情報が海外に渡った際、我が国に害意を抱く他国家が戦争利用する危険性が指摘されていたが、このほどアジア・欧州の三国家が右園死児（ＵＺＯＮＯＳＩＮＩＣＯ）と題した文書を共同提出してきた。

　軍部はこれを実質的な宣戦布告と認識したが、政府与党は軍部に慎重な協議を要請。文書の内容は二酸化炭素排出削減の国際的協調を推進提議するものであり、右園死児概念を公式には認証していない国際社会には本件に対する正常な判断能力が無く、容易に我が国の自衛行為を非難糾弾する側に回るとした。

　政府軍部は協議をごく短時間で進め、最終的に合理的かつ完璧な対策を講じた。右園死児文書は議定書へと発展し、我が国もこれに批准することを要請されたが頑として拒否。国際勢力が圧力をかけたが、やがて圧力の方向は議定書の前身である文書を提出した三国家に向けられた。

　国際社会は右園死児の最先端情報と技術が我が国の保有するところであることを認識し、以降は軽率な態度を多少なり改めると思われる。議定書と文書は抹消され、三国家には制裁が下された。ただし本案件により海外勢力のスパイ活動、政治的干渉が強まることが予測される。政府与党には邁進を期待する。