報告二九号 鹿田丸雄三幹事長
報告案件
報告者 軍調査局
鹿田丸雄三は長く与党の有力者であった。右園死児対策においては極度の慎重派で、主に人権的見地から軍部の権限拡張要請をはねのけてきた。民間盗聴システム、言語検閲システムの創設等を幾度となく妨害、廃案にした。
鹿田丸はことあるごとに報告五号 法案 における軍事活動を非難し、軍部の権限と規模を削減しようと画策した。より小規模少人数の『国家護衛隊(国護隊)』に再編成する案を推し進め、右園死児対策を後進させようと目論んだ。
しかしながら、鹿田丸雄三は自身の邸宅で右園死児的現象に襲われ、負傷、錯乱、家族を殺傷し自らの護衛に取り押さえられた。鹿田丸の書斎には踏み砕かれた蝶形骨があり、軍調査局はこれを収容施設から紛失した報告二三号 遺体 の一部と確認。鹿田丸が施設を視察した際に窃盗したとした。
鹿田丸雄三がなぜこのような反社会的行為に及んだのかは不明だが、軍部は遺体が何らかの精神的汚染を引き起こしたものとした。鹿田丸雄三は廃人化、右園死児的徴候が確認されたため確保収容された。なおこの案件は鹿田丸個人の不注意が招いた事故であり、遺体の管理体制に改善の必要性は無い。
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